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香菜里屋ついに再開せず…北森鴻氏の訃報

香菜里屋ついに再開せず…北森鴻氏の訃報_b0009103_18857.jpg衝撃的なニュースが飛び込んできた。
ミステリー作家・北森鴻さんが心不全で亡くなったという。
今朝、ロバート・B・パーカー氏への追悼記事を書いたばかりだったが、まさか、愛読中の作家さんがなくなるとは!

次回作が出版されるのを楽しみに、すべての作品を読んでいる。
2009年は新作が出なかった。そろそろ出てもよさそうな…次のどのシリーズなのかな?と楽しみにしていたやさきの訃報。48歳は、あまりに若すぎる。
斬新なシチュエーションと魅力的な登場人物。ほのぼのとユーモアがそこはかとなくただよう文体。
とにかく魅力的な作品群。
とくにビアバー香菜里屋シリーズは、すでに閉店してしまったが、またいつかどこかでテリアのエプロンをつけた工藤マスターがひっそりと香菜里屋をオープンするのではないかと、楽しみに待っていた。、その夢もかなわないものになってしまった。

冬狐堂・宇佐見陶子、・民俗学者・蓮杖那智、下北沢の雅蘭堂、親不孝通りのテッキとキュータ、花師兼絵画修復師・佐月恭壱、そして香菜里屋の工藤マスターと、シリーズの顔はみんな魅力的。
これだけ魅力的な作品を生み出してもらって、まだまだ次が読みたい!と願うのは、欲深かもしれないが、もっともっとわがままを聞いて欲しかった。

そして、最後に、私を北森ワールドに引き込んだ作品の紹介をして、お悔やみの言葉に代えたいとおもう。
香菜里屋ついに再開せず…北森鴻氏の訃報_b0009103_19144.jpgその作品は長編デビュー作「狂乱廿四孝」。
明治初期、脱疽のため右足に続き左足を切断した名女形・沢村田之助を必死にもり立てる歌舞伎界を舞台に、幽霊画をめぐって起こる連続殺人事件。歌舞伎、浮世絵、江戸の名残を残す風俗と人間模様、随所に登場する実在人物など、魅力満載。
デビュー作にして、第六回鮎川哲也賞を受賞した時代ミステリー。北森鴻、32歳時の作品。

大切な友を亡くしたような喪失感。残念でならない。

北森鴻公式サイト「酔鴻思考」に2010.02.25. 「うさぎ幻化行」発売とある。新刊が準備されていた。最後まで温かく気配りの人。工藤マスターみたいな。


Excite エキサイト : 社会ニュース
by windowhead | 2010-01-26 01:09 | 至福の観・聞・読

日本の西海岸・長崎からのつぶやきはビンの中の手紙のように漂いながら誰かのもとへ


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