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サッカー日本代表応援に区切りがつく日

マスコミの情報によれば、ザッケローニ監督体制の新日本代表の召集メンバーが今日発表されるようだ。

前代表のメンバーも未知の新人さんも、以前呼ばれた人も、最近は、ちょっとした活躍があるとザック体制へアピール!というような記事ばかり。
だれもが新しい日本代表のメンバーになるためにアピール合戦という感すらある。

ザッケローニが誰を選ぶかは、どんなスキルの選手が好きで、どんなサッカーを目指しているかがわかるひとつのバロメーターだろうと、素人の第三者目線で興味がある。

戦うための集団なので強くないと意味がないのだろうが、私のような素人ファンは、がちがちに強い集団よりどこかに弱点がありながらもドラマチックなシチュエーションでドラマチックなゲームを見せてくれる代表に肩入れしてしまう。
たとえば、ドーハの悲劇の代表だったり、ジーコとともに大ブーイングの重慶でのアジアカップを戦った代表だったり、オシムとともにスイスで新しいスタイルをみせてくれた代表。
私が今でも一番すばらしい代表と思っているのは、重慶での代表だ。
あの時の中国の反日感情は、今では考えられないくらいの憎悪に満ちていた。
日本大使館や日本人の企業が襲われたり、代表のバスが取り囲まれ,石や汚物が投げつけられ、罵声を浴びせられ、選手にも危害が加えられるのではないかと危ぶまれるような完全アウエーの中で、ひるむことなく戦った彼らを誇らしく頼もしく思った。
彼らは、憎悪にまみれたスタジアムの中で、最後までスポーツを見せたし、スポーツマンでありつづけた。
TVで観る彼らの姿は感動的だった。このチームならなにがなんでも応援しつづけようと誓った。
その感動にくらべれば、今回のW杯ベスト16入りはうれしさはあっても感動はなかった。

最近は代表のニュースを聞いてもどきどきしないし、熱くなれない。
そろそろサッカー日本代表のファンを退く潮時なんだろう。

今日、代表候補選手が発表になれば、必ず背番号10番を誰が背負うか。その10番が代表の王者のように語られることだろう。
だが、その10番を静かに脱いだ選手の歴史を忘れないで欲しい。
彼は、代表の10番を8年以上も背負ってきたが、決してチームの王様ではなかった。おそらく日本代表に一番献身し続けてきた一人だった。決して完璧な選手ではなかったが、その弱点をそれ以上の天性の才能でカバーし、印象的なシーンを創り続けた。だから、その10番が日本のファンタジスタと呼ばれ、スター選手になったのだろうと思っている。ファンタジスタって、トリッキーなプレーが得意な選手ではなく、ゲーム全体を魅力的にする選手なんだろうと思う。
10番がスターになるのは、10番を着たからではなく、心に残るプレーをする選手でありつづけるからだ。

10番を脱いだ彼は、すでに新しい境地にチャレンジしているように見受けられるが、相変わらずなにも語らない。おそらく、新生日本代表への影響を配慮している部分もあるのだろう。
日本代表に最も献身的に尽しながら、人間的にすごく成長した彼の姿をしばらくはJリーグで見続けられる恩恵にあずかろう。


新しい10番はポジションやW杯での印象から順当には本田選手がつけるだろうと思う。
チームの責任を背負う心構えも一番強いと思うので、今日本が求めている自己主張の強い10番には彼が一番妥当だと思っている。

ただ、私の中のどこかで、前の10番のようにか弱さを持ちながらもファンタジーに溢れ,大人の選手に成長していく過程を見せてくれる10番を見たいという密かな思いもある。
柏木陽介選手が代表の10番を背負う時が来るとしたら、また少しだけ日本代表に興味がでるかもしれない。
by windowhead | 2010-09-30 11:45 | 紙のフットボール

日本の西海岸・長崎からのつぶやきはビンの中の手紙のように漂いながら誰かのもとへ


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