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「コバヤシ」だったねピート・ポスルスウェイト

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英国の名脇役ピート・ポスルスウェイト(Pete Postlethwaite)さんが亡くなった。
大好きな俳優さんだっただけに、とても残念だ。
厳しい環境が刻んだような深いシワが印象的だが、まだ60歳台だったはずだ。

彼を最初に見たのは「父への祈り」だったのかなあ。
ダニエル・ディ・ルイスに熱中していたころなので、父親役なんて気にもしなかったが、その顔が、その後の映画で、ボディーブローのように効いてきて、いつか大好きな俳優の一人になっていた。


「シッピング・ニュース」でも、彼が出てくるだけで、その土地が寂れかけた地方なんだと認識させられる。
地に足を付けて踏ん張って生きている人を演じるとリアリティーがすごい。

でも、ギャングだって似合う。
「ユージュアル・サスペクツ」では、日系のギャングを演じていた。「コバヤシ」だったよね。
ちょっと笑ったが、日系だといわれるとそう見える。私のの亡くなった父はちょっとユダヤ系のような風貌だったが、似ているといえば似ているんだなあピートに。鼻なんか、父のほうがずっと西洋人ぽかった。

彼の映画を最後に見たのはいつだろうか。
長崎の名画座「長崎セントラル劇場」で見た「あの日の指輪を待つ君へ」が最後ではないだろうか。2008年だ。この映画の感想を書いたとき、ピート・ポスルスウェイトのことに触れていたのをついさっき読み返した。(町の映画館で見たい映画「あの日の指輪を待つきみへ」

だが、なんといっても、最高なのは「ブラス!」のダニー。
閉鎖騒動の炭鉱町のブラスバンドを束ねるオヤジさん。
閉山される炭鉱の作業員たちで作っているブラスバンドが多くの障害を乗り越えて全英ブラスバンド選手権出場を目指すと言う映画だが、何度見ても人々の温かさと勇気をもらう映画だ。
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ピート・ポスルスウェイト…名前はなかなか覚えられなかったが、その風貌は一度見たら忘れられない。
英国人らしい地味さと骨太さが好ましい俳優さんだった。

とても残念。
by windowhead | 2011-01-04 12:42

日本の西海岸・長崎からのつぶやきはビンの中の手紙のように漂いながら誰かのもとへ


by windowhead