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クリスマス前に見ておきたい映画・「ラブ・アクチュアリー」

身の回りのどこにでも、「LOVE」は実際(actually)に溢れていることを確信したいあなたに。
  
「ラブ・アクチュアリー」は、今年2月に劇場公開されたイギリス映画。だけど、
これはやはりクリスマス前に観るべき映画です。これを観ただけで、どれだけ温かいクリスマスを過ごすことができることか。、幸いに、ビデオ、DVDも出ています。

今年は、純愛がブームだったようです。
お子様方が熱中した「世界の中心で愛を叫ぶ」とか、おば様方が熱中した「冬のソナタ」とか…。
ジュニア小説のようにわかりやすい純愛が日本中にいっぱい溢れていました。
でも恋愛は若者や美男美女の特権ではないし、悲恋が「LOVE]の最高峰でもないはずと思ってしまうのは、2月にこの映画を観ていたからかもしれません。

この映画のオープニングはヒースロー空港の到着ゲートの映像。
出会いを、再会を喜び合う人々がマルチスクリーンにどんどん映し出され、ナレーションがかぶります。

  世の中のことがいやになってくると、空港の到着ゲートのことを考える。
  人は言う。"現代は憎しみと欲だけ"と。
  そうだろうか?
  父と子、母と子、夫と妻、恋人同士、懐かしい友人・・・
  "9月11日"の犠牲者がかけた電話も"憎しみ"や"復讐"ではなく
  "愛"のメッセージだった。
  見回すと、実際のところ この世には愛が満ち溢れている----

この粋なナレーションがこの映画のすべてを表しています。
10歳の少年、年老いたロックスター、サラリーマン、主婦、中小企業の社長さんから英国首相まで、さまざまな人々の恋模様がクリスマスに向って同時進行的に語られていきます。
秘書に恋した首相の騎士道精神が変える英米関係。
言葉の通じない家政婦さんを追っかけてポルトガルまで行く作家。
妻を亡くし落ち込む父に再起のエネルギーを吹き込む小学生の初恋パワー。
中でも、女子社員に言い寄られる社長とその妻とのクリスマスプレゼントにまつわるエピソードはアラン・リックマンとエマ・トンプソンというイギリスきっての名優の共演で最高の見せ場。
この妻の弟が先に紹介した英国首相…というわけで、バラバラのエピソードがあるシーンに向って、集約していく脚本の見事さも堪能して欲しいと思います。
また、音楽も楽しい。妻の葬儀で流れるベイシティローラーズの「バイバイバイビー」、恋した首相が熱狂し踊るポインターシスターズの「ジャンプ」、老いぼれロックスターが歌うくそったれなクリスマスソング、 主婦の悔し涙をそそるジョニ・ミッチェルと、エピソードごとに聞き覚えのある曲が流れてくるのもポップスファンにはうれしい仕掛けです。

映画が、人をハッピーにするエンタテイメントであるなら、この映画はその最高峰に位置づけてもいいと断言します。


恋をするとどんな大人も子どものように無邪気で不器用で必死で、その姿がかわいくもあり、おかしくもあり、涙ぐましくもある…だから、ついつい、はまってしまうものなのですね。
韓流にもセカチュウにもはまれなかったクールな方々には、それはもう、オススメです。


余談:上映時のパンフレットの左下のかわいい少年の写真がDVDパッケージでは、老いぼれロックスターの写真に変わっています。なぜだろう?この少年、映画の中で1つのエピソードの中心人物としてとても大切な役どころ。ロックスターも大切なエピソードの主人公。どちらを取るかは、上映国によって、違ったのかな?右下のミスタービーン氏は、いらないんだけどなあ~~。


2003年イギリス映画
脚本・監督:リチャード・カーティス
by windowhead | 2004-12-22 07:20 | 至福の観・聞・読

日本の西海岸・長崎からのつぶやきはビンの中の手紙のように漂いながら誰かのもとへ


by windowhead