楽しまなかったらサンフレッチェじゃないだろう

「楽しまなかったらサンフレッチェじゃないだろう」
雑誌「number」の最新号のなかで、サンフレッチェ広島のミハイロ・ペトロビッチ監督がそういいはなっている。

ミシャ(ペトロビッチ監督)は監督就任以来ずっとこの姿勢だ。
勝った試合でも、積極性のない戦い方であれば選手たちにダメだしする。
負けた試合でも、サンフレッチェらしいプレーであれば、その姿勢を評価したコメントを出す。
楽しいサッカーをしようじゃないか!というメッセージがチームに浸透している。
それが、見る人をひきつける。

楽しいサッカーをみせるためには、選手は相手以上のハードワークが求められる。
やらされるハードワークより仕掛けるハードワークが楽しいだろう。
サンフレッチェはアイディアあふれるハードワークが一番!というチームだからあれだけ走れるし決められるんだと思う。

サンフレッチェの試合では、ピッチ際で選手に指示を与え鼓舞するペトロビッチ監督の姿がある。
団子鼻の気の良いおじさんのような監督と、女性と見紛うばかりの美しい横顔の杉浦大輔通訳コーチのツーショットを観るのが楽しみだ。
毎回感心するのは監督のスーツのズボン。
シワひとつない。
ベンチに座れば、股関節部分やひざ裏部分に座りシワができるが、ミシャのズボンにはシワがない。
オフに故郷で股関節の手術をしたほど足の状態が悪いはずのミシャだが、いつもずっと立ちっぱなしだ。
選手と一緒に闘っている。シワのないスーツはその証。

リビングのTVでプレーを観る私は、好きなチームや好きな選手が勝てば気を良くするが、負けると気に食わない選手にダメだししたくなる。
まるで監督のような目線であーだこーだと選手のプレーやメンタルを批判している。
見る側応援する側のそんな目線は、時と場合によっては選手に有害なプレッシャーになることだってあるかも。
負けたとき、「負けたけれど、今日の試合は楽しめたか?」という見方をしてみようかな。
選手たちが、サッカーを楽しんでいたかどうかという見方もありかな。
ワクワクさせてくれたら、たとえ負けても「ありがとう」と言えるサッカーファンでいたい。

「ゲームはお祭りなんだから思い切ってやってこい」と選手を送り出し、「楽しまなかったらサンフレッチェじゃないだろう」と言い切るミシャのサッカー観に魅了される。

もっと選手を信じて、もっと楽観的にサッカーを楽しもう。
たった2ページのレポートだが、ミシャのサッカー観とサンフレッチェサッカーの魅力の根源を知るだけでなく、サッカーファンの気持ちも温かくしてくれる魅力があった。


そのほかにも
天才のエゴイストと思っていたモウリーニョが実はたいへんな気配りの人であり、チーム、選手、スタッフへの攻撃にはいつでも矢面に立つ潔さの人だと知った。
(先のW杯後、知将と褒め上げられていた岡田さんとは、似ても似つかない。本物には人の心に対するデリカシーが備わっているんだ。)

この人こそ知将と呼びたいオシムさんは、今一国の代表監督以上の大きなミッションを背負って祖国のサッカーのために苦難に立ち向かっている。
オシムの祖国愛とサッカーに対する覚悟を感動しながら読んだ。
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by windowhead | 2011-06-14 03:15 | フットボール雑感 | Comments(0)