最後の笑顔

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「笑顔がたまらなくて、思わず買ってしまいました。」
そんなメッセージが付いたピンクの新聞が俊輔ファンの友人から送られてきました。

8月5,6日号の「エルゴラッソ」。
表紙には、ナチュラルな笑顔で立つ在りし日の松田直樹選手。

感情を露にして、チームを鼓舞する姿、
阿修羅のように髪を逆立ててプレーする姿
悔し涙にくれる姿
そして「まじサッカー好きなんですよ」とサポーターに語りかける姿。

私が見てきた松田選手の姿は、すべてピッチの上での熱い姿ばかり。
こんなに穏やかな顔、初めて見ました。

城さんや佐藤由紀彦選手が言うように、とても優しい、ナイーブな人だったんだと、この写真で改めて34歳の青年を見た気がしました。

ファンやサポーターの闘争心を一身に背負って、その人達の分まで戦うために魂を奮い立たせる、それがプロアスリートの宿命なんだろうけど、一般人の私には想像できない大変さなんでしょう。
後輩や他人には優しいのに、自分の「さいわい」には案外無頓着な人だったような気がします。
その分、可愛がられてきた後輩たちの悲しみと喪失感は大きいでしょう。
おそらく松田選手にとって一番可愛かった後輩の中村俊輔選手の一連の行動や言葉から、喪失感と悲しみの大きさを感じます。
とくにお通夜の後の取材のなかで、「最後にどんな言葉をかけましたか」というような質問のシーンがあり、俊輔選手は、小さな声で「終わりじゃないから…」とつぶやいて、その後に「みんなの中にいつまでも生きています」というような回答をしていました。
「最後に」という言葉に抗うようにつぶやいた「終わりじゃないから…」に、まだまだ松田選手の死を受け入れられない、受け入れたくないという彼の本心を見たような気がしました。

私達は、スポーツのシーンだけで選手を観て、彼らの才能を楽しめばいいのかもしれません。
それでも、エルゴラソの松田選手の笑顔や現実に抗うような中村選手のつぶやきを知ると、その人物像もふくめて丸ごとがプロスポーツなのではないか、だからこそ感動があるのだろうと思えます、

おそらく気持ちの整理も切り替えもできないまま、動揺と混乱をかかえたまま突入してしまったような対柏戦。
完敗でしたが、なんともいえないヒリヒリする感動がありました。
安っぽい感情かもしれませんが、選手ひとりひとりが身近に見えました。

もう明日、次の試合なんですね。
気持ちを切り替えて!とかプロだからという言葉もありますが、どうなんでしょう。
それぞれの選手達が、それぞれの中で気持ちを整えることでしょう。
整わなくてもいいんじゃないかなあ。
それを支えあって補い合っていくしかないでしょう。
それほど、松田直樹選手という存在が大きかったと言うことです。
人間らしい気持ちがほとばしるような試合をして欲しいと思っています。
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Commented by 戦う俊輔ファン at 2011-08-12 14:25 x
松田選手の話題に触れて頂き有難うございます。
この一週間悲しいやら・虚しいやらであっという間に過ぎてしまいました。
お通夜や告別式の参列者を見れば、松田直樹とゆう人間がいかに偉大で愛されていたかが解ります。俊輔の顔は、憔悴しきっていて見ていられませんでした。
以前に、このブログで松田選手の解雇について触れられていましたが、もしマリノスにいたならと考えてしまうのは僕だけではないのでしょうか?
日本サッカー協会や現日本代表の選手は松田選手の魂を引き継ぐと言っています。しかし、その前に歴代の功労者にしっかりと敬意と感謝を表すという癖を付けなければと思います。
愛される人というのは生まれ持った才能ではなく、生まれてからの教育ではないでしょうか?
「俺、マジサッカー好きなんすよ。」
「マジで、サッカー続けたいです。」
すべてのサッカー選手はこの言葉を胸に刻んでプレイしてほしいですね。
長文、失礼しました。
Commented by windowhead at 2011-08-13 10:00 x
戦う俊輔ファンさん、コメントありがとうございます。

松本山雅は、所属のチームメイトの死ですから、その志を継ぐとシンプルに前に進めるでしょうが、松田選手をその意志に反して手放したマリノスフロントや選手やそのサポーターにとって、松田選手の死は、とても複雑な思いを含んで、とても重いものになっていると思うんです。
残された彼らの気持ちを考えると今は静かによりそって見ていたいという気持ちです。
松田選手がマリノスに残した最後の言葉、本当に重いですね。
Commented by こp at 2011-08-17 07:45 x
俊輔俊輔うっせえんだバァが
by windowhead | 2011-08-12 11:00 | フットボール周辺 | Comments(3)