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おくればせながら、昨年のブックリスト

毎年年末に、その年に読んだ本の中から印象に残った本10冊程度を選んで報告するというちいさなグループがあり、それに参加している。
10冊の本とそれについての簡単なコメントをA4サイズ1枚に列記して主催者のM氏にメールで送付すると、お正月前に送付された全員のものが1冊になってそれぞれに送付される。もう20年くらいつづいている。
私も参加して15年以上になった。
単純に150冊以上をピックアップしていることになる。
メンバーのものを集めると4000冊以上になるはずだ。

読書が趣味、暇つぶしという人たちが集まるので、登場する本は、さまざま。
ジャンルもさまざま。
不思議なのは、自己啓発本や実用書が少ないこと。
20人弱の参加者があげる10冊がほぼ重ならないのも不思議なくらい。

ということで、昨年読んだ本の中から興味深かった10冊を(順位はない。ただ最初に挙げた本がその年一番の本)

◎一刀斎夢録(上下) 浅田次郎 文芸春秋
●フラジャイルな闘い 日本の行方 松岡正剛 春秋社
●暁英 贋説・鹿鳴館 北森鴻 徳間書店
●サムライブルーの料理人 西芳照 白水社
●ポーカーフェース 沢木耕太郎 新潮社
●アリアドネの弾丸 海堂尊 宝島社
●ビブリア古書堂の事件手帖1 三上延 メディアワークス文庫
●やめないよ 三浦知良 新潮新書
●最速iPhoneアプリ制作術 高尾司 リックテレコム
●書いて覚える東海道五十三次くずし字入門 菅野俊輔  柏書房

本当は、これ以外に、自分の趣味で幕末・近代史関係の本や史料集があり、それが一番興味深い本なのだが、娯楽として純粋に楽しむ読書からのピックアップにしている。

「一刀斎夢録」は別格だった。
こんな男たちの生きざまを読んでしまうと「サッカーは戦争だ」なんて煽るスポーツライターやサポーターたちの幼稚さが、丸見えになってしまう。
スポーツを戦争にしてはいけない。スポーツはチームメイトや相手をリスペクトすることからはじまる。
相手の人格も生きる権利も叩き潰すことが戦争。スポーツとは真逆だ。
命のやり取りで生き残った男は決して自分の未来を欲してはいけない。
奪った命を背負って市井の片隅で静かに生きていく。
一刀斎(斉藤一)の晩年は、頑固にその生き方をとおしていった。
それにしても、浅田次郎さんは、土方歳三が好きなんだなあと感じたが、どうなんだろう。
by windowhead | 2012-01-28 02:17 | 至福の観・聞・読

日本の西海岸・長崎からのつぶやきはビンの中の手紙のように漂いながら誰かのもとへ


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