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仕事人「なでしこ」

ロンドンオリンピックは終わったが、TV番組はきょうもオリンピックを引きずっている。
今朝も女子バレーの監督や選手たちがスタジオに駆り出されていた。レスリングや柔道やアーチェリーや卓球や水泳のメダリストたちがいろんな局の番組に登場している。
が、すでにそこには女子サッカー銀メダルの「なでしこ」さんたちの姿はない。

開会式よりも前、先陣を切って始まった女子サッカー。なでしこさんたちは、初陣を飾って日本選手団に勝利の気運を持ち込んでくれた。
華やかな開会式に参加することもなく、中2,3日という過酷な試合を一つ一つ勝ちすすんで行く「なでしこ」たち。、ワールドカップの時よりずっと進化したパスサッカーをやっているなあと実感させてくれた。
どの試合も見ていても負ける気がしなかった。先制点を取られても「なでしこ」なら必ず取り返す!という確信のようなものがあった。
残念ながら負けてしまったアメリカ戦でも、悔しいけれど、また取り返すチャンスがあるんだから次につなげようよ!という気持ちに、応援している私までもがなっていた。
力の限り戦って敗れた後、表彰式では天真爛漫、まるでジブリのアニメに出てくる女の子のように明るく元気な笑顔を見せてくれた。
あの表彰式のなでしこさんたちの姿は、スポーツすることの素晴らしさと宿敵と最高の試合ができるオリンピックの素晴らしさを世界中に印象付けたと思う。
FIFAのブラッター会長から架けてもらったメダルをつまんでカメラ目線の笑顔を見せる金賀さんのシーンを見て幸せに感じない人はいないだろう。誰もがついつられて微笑んでしまうような人懐っこい笑顔だ。
宮間さん、大野さん、川澄さんたちの小学生女児のような無邪気な笑顔。大儀見さん、澤さん、鮫島さん、安藤さんたちの男前な笑顔。
ロンドンオリンピック期間中日本のTV放送で最高の視聴率を取ったのは女子サッカー対スウェーデン戦、次が深夜3時からの女子サッカー決勝対アメリカ戦だったそうだ。
彼女たちへの期待度はそれほど高かったし、彼女たちはそれに十分に応えた。

そして、感動の閉会式にも、選手団帰国会見にも「なでしこ」さんたちの姿はなかった。
自分たちの試合が終わった翌日、なでしこさんたちは帰国の途についていた。

自分たちの仕事をきっちりと仕上げて、さっと姿を消す仕事人集団「なでしこ」
カッコいい!!

他のスポーツと違って、プロ選手たちが引っぱるチームの意識の高さが感じられた「なでしこジャパン」。
マーメイドやフェアリーなど、いろいろな呼び名が作られた女子の競技チームがあったが、その呼び名が自然に定着しているのは「なでしこ」くらいではないかな。
「なでしこ」が国民の間に定着していった歴史をきちんと背負って次につなぐという意志が彼女たちには感じられる。
プロスポーツ選手の志の高さと素晴らしさも併せて見せてくれた澤さんをはじめとする「なでしこ」さんたちに、あらためてお礼を言いたいと思った。
by windowhead | 2012-08-15 14:51 | 紙のフットボール

日本の西海岸・長崎からのつぶやきはビンの中の手紙のように漂いながら誰かのもとへ


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