ときは元禄14年師走半ばの…

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そう、今日は元禄赤穂事件の 赤穂浪士 討ち入りの日。
いつからかこの事件が美談の「忠臣蔵」として日本人に浸透しています。

「時は 元禄15年 師走半ばの14日(トントン=扇で机をたたく音) 江戸の夜風をふるわせて 響くは 山鹿流儀の陣太鼓 しかも 一打ち二打ち三流れ‥ 」 江戸好みだった父親がこの季節によく口にしていたものですが、講談の一節のようです。

「笹や笹 笹や笹 笹はいらぬか煤竹を 大高源吾は橋の上 明日待たるる宝船…」こんな唄も口ずさんでいました。これは「笹や節」という江戸の俗謡の一節のようです。

昨日、twitterのTLも「年の瀬や水の流れと人の身は」「明日待たるるその宝船」と其角と大高源吾の両国橋の別れの有名な発句が流れていました。

うろ覚えながらも12月14日というと、これだけの歌が口をついて出てくるのですから、私の中の日本人も相当に忠臣蔵好きなのでしょう。
いや断言します。好きなのです。

しかし、あるときある本と出会ってから、この日にもう1つの言葉が頭の中を占めるようになりました。
「吉良供養」です。

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漫画家で江戸文化研究者でもあった杉浦日向子さんの作品集「ゑひもせす」の中に収められている作品のタイトルです。

吉良供養は、忠臣蔵・吉良邸討ち入りの段を史実をもとに客観的な視点で漫画を使って再構築しています。
「勧善懲悪」「忠臣の誉」も視点を変えれば、復讐の対象を間違えたテロ行為でもあるわけです。
一人の討死もなく天晴れ主君の仇をとった47人の赤穂浪士に対して、寝込みを襲われた吉良がたは、23人の死者と16人の負傷者をだしています。死者の中には満14歳の茶坊主もいます。主君を守るためにあえて寝所に踏み込んだ吉良の忠臣は誰かもわからないくらい顔を無残に切り刻まれていたとも書かれています。当時吉良家の当主であった吉良義周(上杉家からの養子で18歳)は、この事件の責任を問われて流罪となり、幽閉先で20歳で死んでいますが、流罪だったため検視まで埋葬も許されなかったそうです。

杉浦日向子さんは作品の始めにこう書いています。
「大義」が殊更物々しく持出される時人が大勢死ぬ。快挙とも義挙ともはた壮挙とも云われる義士の討入はまぎれもない惨事だと思う。


「日本を取り戻す」とか[決断」とか「自衛隊を国防軍」にとか挙句の果てには「拉致被害者は戦争するぞ攻め込むぞと脅せば取り返せた」などという言葉が聞こえだしています。平和であることで利益享受したような政治家たちが返す刀で国民を「平和ボケ」と言って、一つの方向にむかせようとしている風にも見えきます。
忠臣蔵に戻りますが、赤穂浪士たちの討ち入りの後押しをしたのは、庶民の無邪気な期待感でもあったと思うのです。NHKドラマ「薄桜忌」を見ていても、かたき討ちで人気者に祭り上げられた堀部安兵衛たちが、その庶民の期待感を利用して真の復讐(主君の名誉回復)を画策するシーンがありました。

この国は、知らず知らずのうちに、多くの人が死ぬ方向にかじ取りしているのかもしれません。
断じてその片棒はかつぎたくないですよ。だからこそ「国家」だの「愛国心」だの「平和ボケ」だのという言葉には注意したいと思います。否定するのではなく、それを発信している人が誰なのかを確かめる必要があるということですね。

「大義悉く滅す」杉浦日向子さんの言葉を心に刻んだ「吉良供養」の日です。
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Commented by レインボウマン at 2012-12-14 23:56 x
自分も薄桜記をみて、見方が変わるとこうも違うのかと考えさせられました。杉浦日向子さん好きでした。日本の動向注視しなくてはと思いますね。いつもながらステキな文章に感動致します。
Commented by windowhead at 2012-12-15 01:52
レインボウマンさんコメントありがとうございます。
薄桜記なかなかいい作品だったですね。
信じられているものほど一度視点を変えてみることも大切だと思いました。
平和は大事だよというと、時代錯誤の平和ボケと言われてしまうような風潮が広がっているような気がします。
平和が崩れたとき一番の被害者は若い男の人たちなんですよ。
戦場に駆り出されるのは普通の男たち。友や子供たちをそんなところに行かせたくないです。
Commented by Ronniesr at 2014-02-12 06:48 x
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Commented by windowhead at 2014-02-13 12:27
This picture is my possessions.
It is photographed and published in the photograph.
この国芳の絵は私個人の所有物であり、その写真をのせています。
by windowhead | 2012-12-14 14:06 | 私的危機管理 | Comments(4)