バイエルンなの?それとも…

パスしたら次をもらうために必ず走る。味方の選手がボールを持ったら近くの選手が2人、3人とパスをもらえる動きを的確に忠実にする●●●サッカーはすばらしかった。
特に開いてゴール近くで1人でなく2人目、3人目がコンビになってオープンスペースをつくりそこへ入り込む動きは恐ろしい攻撃であった。
パスサッカーの面白さを十分に見せてくれた。
パスサッカーのよさはオープンスペースを大切にし、うまく有効にチームとして使うことにある。●●●の攻撃の随所にスペースへの走り込みに合わせた好パスがみられたが、それだけ攻撃の変化が鋭いものになっていた。
とにかくゲームで最も原点となるチームとしての離合集散がすごく早く、そして良い。ボール近くに数で優位を常に保ち、全体のポジションバランスが素晴らしかった。
優れた練習生活から生まれたものに違いないが、特に“こぼれ球”落下点の読みが速くその分、ゲームの主導権を握った。理屈ではなく、身体が覚えているとしか言いようがない見事なチームワークの勝利だった。(抜粋)



この文章を見て、プレーの情景が頭に浮かぶ人は、きっとサッカー大好きな人だと思う。
そして、これきっとサンフレッチェ広島のことだよ、
とか、いやいや、今朝未明に放送されたクラブW杯に優勝したバイエルンのことだよとか
バルサのことじゃないかな?とか
こんなプレーを今シーズンの俊輔は目指していたんだからマリノスの試合ぶりのことかもとか、
いやいやオシムさんのサッカーだよとか
想像して、いろいろ言い合うのは、サッカーファンならではの楽しみだと思う。

あなたなら、上記の文章の●●●の部分に何という文字をいれますか?(文字数は関係ないよ)

じつは、この文章は、最近の文章ではない。そして、●の中には思いがけない文字が入ってくるのだ。

正解を言うね。
●●●=国見 なんだよね!

この文章は、長崎県立国見高校が全国高校サッカー選手権で優勝したときの試合ぶりについて日本サッカー協会発行の「サッカー」という媒体に書かれた文章なのだ。国見高校が初優勝したのは1987年(昭和62年)のようだから四半世紀前の文章なのだ。来年早々に出る小冊子の原稿のためにスポーツ史をひもといていたときに見つけたもので、ぜひとも紹介したいなあと思っていた。

長いこと楽しみとしてサッカーをみてきたけれど、やっぱり選手それぞれの個の力に目がいっていたと思う。日本のサッカーメディアの多くも個の力を中心に追って来たと思う。だから、全員で走ってスペースを作り、ボールをつなぐ国見高校は優勝してもあまり人気がなかった。坊主頭ってこともあって、身体力にたよった田舎臭いチームだなあと見られていたと思う(当時は浅はかでしたごめんなさい)。
走ってスペースをつくるという概念がすとんと理解できたのはオシムさんの登場から。同時に湯浅健二さんの本で納得!って感じかな。
ミシャのサンフレッチェ広島をみたとき、これよ、これ!チーム全体が動くサッカーのなんと躍動感にあふれていること!って、魅了されてしまった。サンフレッチェはこのイケイケサッカーに森保監督の攻撃的守備が合わさってさらにバージョンアップした最強チームになっている。

今シーズンのVファーレン長崎も最初に紹介したようなサッカーをしていた。
国見高校出身の高木琢也監督は、サッカーの原点をVファーレン長崎に持ってきたんだなあ。いつだったかバイエルンを目指しているみたいなことを照れながら言っていたっけ。
横浜Fマリノスを引っ張ってきた中村俊輔選手も今シーズンは全体で走って前線からプレスをかけ素早く攻撃につなげる全体サッカーを引っさげて最後の最後まで走り続けた。希代のファンタジスタが目指した泥臭いサッカーはマリノスの自信になっていったと思う。そして、その大黒柱には国見歴代最高のキャプテンといわれた兵藤慎剛選手がいた。シーズン途中、中村俊輔選手が「兵藤のよさが分からない人はサッカーの素人」と言っていた意味がここに現れていると思う。

25年前の国見サッカーと今シーズンJリーグを湧かせたチームが取り組んだサッカーがつながり、さらにクラブW杯を征したバイエルンのサッカーも同じスピリットなのだろうと素人の想像は広がって行く。
[PR]
by windowhead | 2013-12-22 13:49 | Vファーレン長崎 | Comments(0)

日本の西海岸・長崎からのつぶやきはビンの中の手紙のように漂いながら誰かのもとへ


by windowhead
プロフィールを見る
画像一覧