「ミンチ天」のシンデレラストーリー

「東京・銀座&有楽町で「ミンチ天バーガー」発売へ 佐賀県とBEAMSがコラボ」

この記事を読みながら頭に浮かんだのはシンデレラの物語。

蒲鉾王国と自負している長崎のスーパーではいろいろな種類の揚げ蒲鉾が所狭しと置かれているし、1枚300円以上という値段のご当地揚げ蒲鉾が当たり前のように売れる。そんな中で佐賀県生まれで値段も2枚入130円台の「馬郡のミンチ天」は存在感の薄い品物だ。
油にまみれた湿ったコロッケのような手触りとペラペラフニャフニャの「ミンチ天」は、蒲鉾通の間ではB級、C級扱いで、だれも表向きミンチ天をほめないけれど、ちょっとしたおやつ食いやおつまみに密かに愛用している人は多かったはず。おかずとして食卓に上げるには安っぽく残念感が強いけど、つまみ食いには本当においしい。

この美味しさに市民権をあたえてくれた人たちがいる。サッカーJリーグ「FC東京」のサポーターさんたち。
昨シーズンサガン鳥栖は念願のJ1に昇格した。アウエー試合を応援にきたFC東京のサポーターさんたちがスタジアム近くで売られていたミンチ天をビールのおつまみにして、その「美味しさ伝説」がFC東京サポーターさんたちに爆発的勢いで広がったらしい。
今シーズンのベアスタでの対FC東京戦では1000個以上売れたという噂も。
そういえば8月17日のホーム戦の日、諌早駅でドロンパのシッポを下げたFC東京サポさんと会った。鳥栖戦の翌日だったので長崎の試合を見にきたそうだ。その方、スタジアムに行く前に駅のとなりの西友食料品売り場に直行、目的はなんとミンチ天調達。
そんな彼らを通してミンチ天の評判は東京に知れ渡り、ついに「BEAMS」という都会の王子様のエスコートで銀座にデビューする。なんて羨ましいシンデレラストーリー。FC東京サポーターさんたちはさしずめガラスの靴の役割だ。

さらに感心したのは、ミンチ天は都会デビューに合わせてなんとハンバーガースタイルにイメチェン!ハンバーガースタイルならおしゃれな女の子が立ち食いしても絵になるものね。それでいて250円(予定)と驚きのリーズナブルさ。
「馬郡のミンチ天」の素晴らしさは、一貫して消費者目線。
地方のブランド品開発は、コンサルタントや広告代理店に刷り込まれた自己満足な差別化や高品質だから高価でいいというような生産者目線が普通になって伸び悩んでいる品物も多い。
ところがミンチ天は、消費者の評判と口コミからブレイクした商品だ。本物のブランド品は、生産者側が仕掛けるのではなく、消費者に支持されることで自然とブランド品として定着した商品だ。
ミンチ天は、その道を進んでいると思う。
そのきっかけを作ったのがJリーグのサポーターたちというのもおとぎ話のようでワクワクするよね。
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by windowhead | 2014-11-27 22:37 | 紙のフットボール | Comments(0)

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