俊輔とスパイクの話を読みながら

スポーツライター二宮寿朗氏による「中村俊輔とスパイクとホペイロの物語」http://bylines.news.yahoo.co.jp/ninomiyatoshio/20160125-00053751/は「よく知っていること」と、「ずっと不思議だったこと」が混ざり合った素敵な記事だった。

俊輔選手がスパイクをとても大事にしていることや、ここぞという試合にはいわくのある古いスパイクを使うことがあること、マリノスのホペイロ・山崎さんや副務の緒方さんをとても信頼していることなどは俊輔ファンの間ではよく知られている話だ。それはことあるごとに俊輔選手が口にしていることでもある。
不思議だったことといえば、2010年南アW杯から帰って8月の試合でFKを決めた俊輔がひざまづいて自分の紫のスパイクをポンポンと叩いたシーン。なんか気持ちを込めて感謝するかのような叩き方だったので、自分を奮い立たせる左足に感謝したのかな?などと俊サポさんと話したりしたが、その本当の理由が二宮さんの記事で明らかになった。スパイクに本気の気持ちを込めている人たちらしい夢のようなエピソードだった。

またこんな話もある。ホペイロ・山崎さんのブログかなにかに書かれていたのだが、昨シーズン最後の試合の前日のロッカールームでのこと。すでに長野パルセイロに移籍が決まっていた天野貴史選手のスパイクを俊輔選手がこっそりと磨いていたという。「出られなくても移籍でも腐らずに最後まで練習の手を抜かずに、居残り自主練もきちんとやるアマは本当にすごい。マジで尊敬する。」と言いながら。
マリノスユースから育ってずっとマリノス一すじ(ジェフレンタル移籍があったが)。出場チャンスは少なかったが、折れることなく黙々と練習をこなし、チームの雰囲気を明るくしてきた天野選手への俊輔選手なりのリスペクトと感謝、それがスパイク磨きに込められている。俊輔の思いはあまのっちに届いているはずだ。きっと長野でのすばらしいプレーでお返しすると思う。

俊輔とスパイクの話といえばこんな話もある。俊輔選手がセルティック在籍時代にセルティックユースの練習に参加した。その試合で一番頑張ったプレーをみせた少年にその日自分が履いていたスパイクをプレゼントした。その少年は、お父さんに立派なアクリルケースを作ってもらって俊輔のスパイクを大事の飾っていた。その少年が今シーズンディフェンダーとしてセルティックのトップチームデビューした。

前述の二宮氏の記事で俊輔選手はこんなことを言っている。
「(スパイクに)魂を吹き込んできたというのはあるよ。野球ならグローブとかバットとかあるなかで、サッカーは自分に刺激を入れる物ってスパイクしかない。助けてくれたり、モチベーションを上げてくれたりしてくれる凄く大切な存在だと思うから」

サッカー選手にとってスパイクとゴールキーパーのグローブは体の一部。喜びも苦悩も歓喜も落胆も全てが染み込んでいるものなのだと改めて実感した。
俊輔のみならずVファーレン長崎でも選手たちがファンのためにプレゼントやオークション品として提供してくれるスパイクやグローブ。その品々にも選手のサッカー人生の一瞬がきざまれているのだ。サインがあるからすごい品物でなくて選手たちの歴史や思い出の一部が刻まれているというところまでしっかりと受け止めてくれる人にこそ渡って欲しいと思うだろうなあ。
軽々しく選手が身につけた品物を欲しいとねだってはいけないね。幸運にも手に入れることができた時は彼らの歴史の一部と連れ添っているってぐらうの気概を込めて応援しなければ。


                        〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Vファーレン長崎のことを書きたいのだけど、練習見学で一般人の私たちが選手やスタッフにインタビューし書くわけにはいかない。クラブからの情報は少ないし、メディアも取材していないようだ。せっかくの早朝6時30分からの3部練習や記録史上初の大雪の中での出来事など、きっと面白いネタにあふれているだろうに、密着取材するメディアはないのかしらん。わが街のチームのことをもっと知りたいという人は多いだろう。それにいかに応えるかも今シーズンのVファーレンの課題になるかな
[PR]
by windowhead | 2016-01-29 17:18 | 10-25shun | Comments(0)