「サッカーと愛国」 今読むべき本かも(ガンバ応援旗問題に思う)

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「サッカーと愛国」清義明 イースト・プレス
昨年11月に読んだ本ですが、今ぜひサポーターと名乗る人たちに読んでほしいと思って、改めて紹介します。
ミズノスポーツライター優秀賞に選ばれている本です。

この本の帯にも書かれていますが、「スタジアムには日本人が知らない世界基準」があるのです。
昨日あたり、ガンバ大阪のサポーターのフラッグのデザインがナチスの親衛隊SSのロゴそっくりだという話がネット上を賑わし、今日は新聞にもそのことが取り上げられました。
ガンバのサポさんたちは、SSじゃないSHだと言っていますが、そんな問題じゃないんですよね。ナチス親衛隊をイメージさせる意匠を使ったことが問題なのです。振り返ってみたら、このガンバのフラッグは、以前にも出されていて、問題になりクラブから掲示禁止の処置を取られていたようで、それをまた持ち出してきたらしい。このガンバサポの意匠は、すでにヨーロッパではナチズムに親和的なサポーターのフラッグとして取り上げられていたらしいのです。そんなことさらさら知りませんでした。日本にも親ナチグループがあるって思われていたわけですよ。
日本人には分かりにくようですが、ナチズムは絶対に否定されるべきものなのです。
もう30年以上まえになりますが、あるドイツの若者に「日本人はよくドイツは同盟国だったので親近感があるというけどどう思う?」と聞きました。するとその若者は「それは迷惑な親近感です。ドイツはあの時代を否定しています。あの時代の仲間というのは否定する対象なんです」と言われました。ドイツは先の戦争で自分たちの国がやってきたことを否定しきちんと決着をつけ、全てを捨てて新しい国を作ってきたのです。
誰もが集まるサッカースタジアムにナチスを連想させる意匠があってはならないことは世界の常識なんです。
日本の場合は、旭日旗という意匠があります。よくJリーグのスタジアムで旭日旗やそれを模倣したデザインのフラッグが振られていますが、これは中国、韓国、アジアの人々にとってナチの意匠と同じようなイメージなのではないでしょうか。この旗のもとにどれほどの犠牲者が出たか、アジアの人々の身になって考えたら、このようなフラッグは作るべきではないと思うのです。旭日旗は自衛隊も使っているから悪いものではないのではという人もありますが、それこそ軍隊(厳密にはそうじゃないが)が使う意匠を平和を目指すスポーツに持ち込むことの方がおかしいと思いますし。自衛隊にしてみれば、たかがスポーツ、そんな場所に大大切な旭日旗を使って欲しくないとおもわれるのではないでしょうか。
昨シーズン、Vファーレン長崎には在日朝鮮人、韓国人の選手が在籍していました。在日の彼がもの凄い嫌がらせメールをネット上で浴び、ゴール裏の一部からも国籍に関する非難を浴びたようです。若い彼らはあまり気にしないのかもしれませんがゴール裏あたりで振られる旭日旗まがいのデザインフラッグをどう思っているのだろうという気持ちがありました。記者ではないので、本人たちにそのことは聞けませんが、すごく気になることでした。

Jリーグは今シーズンから英パフォームグループと契約しました。これまでJリーグは東洋の端っこの閉ざされた環境でやってきたわけですが、今後グローバル化されることになります。当然のことながら、日本のスタジアム風景が海外に流れるわけですが、レイシズムに疎い日本人が作るスタジアム風景が海外からひんしゅくを買うことをやらかしたりしないだろうかと心配でもありました。
今回のガンバサポのフラッグの問題を機に、もう1度スタジアムであげている幕や旗などについて、考えてみるのもいいかもしれません。
その意匠が他の人に違和感を持たれるものであれば、それは引っ込めるくらいの対応が必要だと思います。それを若い子たちに諭すくらいの大人なサポーターこそが、クラブにとって真のサポーターなのではないかなと思います。




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by windowhead | 2017-04-21 14:01 | フットボール周辺 | Comments(0)