ジャパネットたかたの「目標をもたない経営」を読んで



通販大手企業ジャパネットたかたの創業者 高田 明氏がVファーレン長崎を子会社化し、社長になった。
旧経営陣の私物化したような杜撰な経営からクラブを救ったとも言える今回の子会社化。サラリーマンなら定年退職している年齢からの新規事業への参入は普通の企業家なら決して「おいしい」仕事ではないはず。
新しいことにチャレンジといえば見た目はかっこいいが、社会資本の一つとも言えるプロサッカークラブの経営は失敗が許されないチャレンジだと思う。県民としての心意気からかって出られたのだろうと思うけれど、その決断には驚かされたし、ジャパネットという企業の独自性にすごく興味が湧いていた。

佐世保のカメラ屋さんがテレビ全盛期にラジオでビデオカメラを売っているな、インターネットショッピングという新しい市場が出来て注目されてるのにテレビショッピングやってる、大企業が仕事をどんどん外注してスリム化しながら純粋にお金だけを増やしているときに番組作りやコールセンターやコンシューマー対応まで自社で行うように事業を膨らませ社員を増やしている。普通の経営コンサルタントから見たら、時代遅れだったり時代逆行の企業に見えるだろう。実際に長崎県民がジャパネットにもつイメージは先進性やスマートやおしゃれではないはず。ずっと一地方企業と思っていたと思う。Vファーレン長崎がJ2に上がりアウエーに行くようになったとき、アウエーのそれも都会のサポーターから「今度の長崎はすごいね、片田舎のチームのくせに胸スポンサーも背中も全国的な大企業じゃん!」と言われて初めてジャパネットやリンガーハットの企業の大きさを知らされたかもしれない。
時代おくれでも時代逆行でもなく、あえて最先端を行かず、社会がそのシステムを普通に使うようになる時期を見てそこに万全の体制で参入している。自社で全てやればフレキシブルだし時間の短縮になる。高速道路に途中から合流するためには一気にスピードを上げる体制が必要なんだね。ネット販売も動画が普通に使える環境になって急激に力を入れだしたように見える。真っ先にカスタマーへのアフターサービスに動画を活用するなど視点が違う。
「ジャパネットたかた」は、企業としては独特の進み方をしているのだろう。
ついこの前、現在のジャパネットたかた社長の高田旭人氏が、会社を一部上場しないわけを話されていて、なるほどそうか、そんなリスクもあるよね。と思わせられたときから、その経営哲学みたいなものに、素人ながら興味が湧いた。

数日前ダイヤモンドオンラインに『ジャパネットたかたは「目標を持たない経営」だから今がある』という高田明氏のインタビュー記事が掲載された。
「目標を持たない経営戦略」って何?
今の時代目標を持たないと言ってしまうと一般社会でも落ちこぼれか無能としか認識されない。「目標」は幸せを掴む金科玉条のように言われるのに、それを持たないって、どんなこと?
未来の目標をもつより、今を一生懸命生きることの方が大切だと言われている。変化の激しい時代では立てた目標にこだわりすぎると変化に対応できないこともあるからだと。目標がいらないというわけではないが、今やることに集中してやっているとすぐに結果は出なくてもあるときポンと飛躍する時期がくるという。
興味のあるかたは是非ダイヤモンドオンラインの記事を読まれるといい。
すごく興味深かったし、なにより「儲けるよりお客様に喜ばれることをする」という企業理念が一貫しているなあと感じさせられる。

実はこの記事が目を引いたのにはもう1つ理由があった。
この記事を見るほんの2、3日前に同じようなことを言ったサッカー選手がいたからだ。
ジュビロ磐田の中村俊輔選手。
磐田市内の小学校訪問で、子供のときにどんな夢を持っていたかという小学生からの質問に、「その頃はJリーグとかもなかったので夢はなかったです。小さい頃は、夢は無理やり作ることはないし急がない方がいい。それよりも今自分が楽しいこと、打ち込めることをたくさん見つけて欲しい」(静岡テレビニュース映像より)と言っている。

⚪︎https://www.nikkansports.com/soccer/news/1837433.html(日刊スポーツより)


子供の夢って、自分自身から自然にでてきたものより、親や周りの環境が無意識にそう仕向けていることが多い。その夢に縛られて本当に好きなもの打ち込めるものを見失うこともあるだろう。中村選手はきっと自分の力でこれだというものを見つけて欲しい、それを見つけるにはもっと時間をかけて今を十分に楽しんでいいんだよと言いたかったのだろう。

日本のビジネス界とサッカー界の二人のカリスマが環境や対象は違っても同じような言葉を言っている。
それは一般に言われていることとちょっと違ったザワつきを感じさせる。だからちょっと立ち止まって一般論をもう一つ深く掘り下げてみる。考え方はいろいろあるだろうが、世間のトレンドや一般論の上を上滑りしながら生きるよりずっと手応えのあるものに触れさせてもらったと実感した。

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Commented by あいちゃんママ at 2017-06-15 17:31 x
ジャパネットたかたは、TVCMが始まったころから面白いなと見ていました。万年青年みたいな社長さんが、自ら商品をアピールする。他に同じような会社があったのに、たかたさんが”大企業”になったのも不思議でした。今年からTV出演は引退された?ようで、これは風さんが応援するクラブ経営に本腰を入れられるためだったのでしょうか。あの独特なお国言葉の温かい風貌がCMから消えたのは、ちょっと残念でした。東日本大震災後懐中電灯が商品棚から消えてしまったとき、太陽光懐中電灯をいち早く商品ラインにアップされて助かりました。あの時、面白いだけじゃない会社だなと感じたものです。広告塔になって、クラブは注目度も上がりましたね。俊輔が現役でいる間にJ1昇格して、ぜひとも同じ舞台で闘いたいものですね!
Commented by windowhead at 2017-06-16 02:30
あいちゃんママさん、ありがとうございます。
ジャパネット社長さんを引退されて独自の動きをされていたところ、Vファーレンの苦境を見かねて、子会社化に踏み切られたようです。これからどのようなクラブにしていくのか楽しみです。俊輔くんが選手のうちに長崎もJ1に上がって欲しいです。今の俊輔くんの充実した笑顔を見ていると本当に磐田にいってよかったなあと思います。井原さんも磐田に移籍したんでしたっけ。磐田というチームの哲学を知りたいと思ってしまいますね。
by windowhead | 2017-06-14 13:49 | 男たちの眺め | Comments(2)