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ファンサとアガサ



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Jリーグの各クラブも新しいシーズンを迎えて新体制発表や練習が始まっている。
地元のVファーレン長崎も少し前に始まったようだ。
ようだというのもおかしいけれど、例年練習場でチーム始動だったけれど、今年はチーム始動日に必勝祈願をして翌日沖縄キャンプに行ってしまっているので実感がわかないのだ。

すでによそのチームからも話題に上っているが、チームが始動すると出てくるのが、ファンサービスの問題。
インフルエンザの流行期でもあり、選手達の健康管理上、ファンサを取りやめたり、制限があったりしているようだ。
それでいいんだと思う。
選手には体づくりやプレーに集中してもらうのが一番。特に今は新しいシーズンが始まったばかり。選手のみなさんも新たなチームに集中したいはずだから。
練習場に行けば、練習後にサインをもらったり、写真撮ったり、おしゃべりしたりのファンサービスがあるのが当たり前と思っている人も多いようだけど、これはあくまでもサービスであって当たり前じゃない。ファンなら、それくらいは理解しておきたいものだ。
さらに、練習見学に行く人は、自分の体調や連れて行く子供がいたらその子の体調も万全で行って欲しい、不安があったら行かないこと。時々twitterなんかで「無理して行ってよかった、サインもらえた」などというのを見るけど、迷惑な人だと思って見ている。あなたは頑張ったと思っているのかもしれないけど、もしかしたら大きな迷惑をかけているのかもしれないのだから。

こんなとき思い出すのはアガサ・クリスティーのミス・マープルシリーズ「鏡は横にひび割れて」だ。
有名な推理作家の有名な作品の一つだし、日本のTVドラマでも映像化されているので内容をご存知の方も多いのではないかな。
推理小説のネタバレはご法度だけど、ここは推理小説を語る場じゃないので少しだけ内容を話すのを許してもらおう。
ミスマープルが住む村でパーティが開かれていた。パーティの主催はその邸宅を購入した大女優。そこでお客のひとり、無邪気で気のいい主婦が毒殺される。女優や彼女の家族、悶着ありそうな来賓たちとはなんの縁も所縁もない主婦。彼女は若い頃からこの女優の大ファンだった。主婦はパーティで女優に挨拶したときこう話す「私は若い頃、高熱を押してあなたのお芝居を観に行って、思いがけずあなたに握手をしてもらったんです。無理して行ってよかったわ」と。そのとき女優は妊娠していた。その主婦の病気は風疹だった。その後、女優はひどい障がいを持った赤ちゃんを産んだ。無邪気な主婦はそのことは知らず、自分がいかに女優のファンであったかを誇らしく話していた。……。

わかりますよね、この主婦は妊娠している女優に知らないうちに風疹を移していたのね。それが悲劇の引き金になったのですよ。

無邪気で気のいい頑張り屋さんは、得てして自分が人の迷惑になっていることまで気が回らない。選手にプレゼントを持って行くのもいいが、一緒にインフルエンザなどプレゼントしないで欲しいよね。
ファン、サポーターだからこそ、ときと場合によってはファンサービスを辞退する気概を持っていたいですね。






by windowhead | 2019-01-16 18:21 | フットボール周辺

日本の西海岸・長崎からのつぶやきはビンの中の手紙のように漂いながら誰かのもとへ


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