人気ブログランキング | 話題のタグを見る

雨、ブエナビスタソシアルクラブ、そしてFANFAN

朝から激しい雨。
雨の日は事務所に行かずうちで仕事。不安定だが、零細事業主の特権。
雨の日はゴロゴロするに限るのだが、追われている仕事があるのでパソコンについている。

こんな日はバックグラウンドミュージックで勢いとつけて!と思うが、どうしてもアンニュイな気分に浸りたくなる。ボサノバなんか聞くと、仕事にならない。ちょっとなつかしいラテン音楽がちょうどいいかも。
流れている音楽は「ブエナ・ヴィスタ・ソシアル・クラブ」(リンクはamazon)
ライ・クーダーとキューバの老人ミュージシャンたちのセッション。
バックグランドのつもりが聞きほれてしまう。
ああ、このCDの収録を追いかけたドキュメント映画「ブエナ・ヴィスタ・ソシアル・クラブ」をまた観たくなった。眠ったようなキューバの町で小粋なステージ衣裳のおじいさんおばあさん。昔の人気ミュージシャンたちが今も尊敬されるミュージシャンでいれるキューバ。いやいや日本以外の国ではほとんど、キャリアを積んだ人々は尊敬されているんだが。
音楽には年齢というか経験が持つ味というものが必ずある。若さが持つパワーの対極にあるもの。
若者は味にあこがれ、老人はパワーを欲しがる。それがどちらも不可能な望みだから、その悩みが音楽に陰影をつけるのかもしれない。
「ブエナ・ヴィスタ・ソシアル・クラブバンド」のメンバーは、コンバイ爺さん初めすでに数人亡くなっているが、イカシタ演奏や歌声はCDに残っている。若いときが残るのもいいが、歳を重ねた味わいが残るのもすばらしいことだと、このアルバムは教えてくれる。


長い時間が育てた場所というものもある。
長崎の老舗ジャズスポット「FANFAN」が3月末で閉店するという。
風の噂で聞いてはいたが、やはりまちがいない。
数年前、マスターが亡くなった。50代での早い死だった。
その後、ママが続けてくれていた。

「FANFAN」、30年以上、長崎のジャズシーンを引っ張ってきてくれた聖地のようなところ。
数多くのジャズメンたちがすばらしい演奏を聞かせてくれた。
大好きな、本多珠也のドラムや坂井紅介のベースと出会ったのもFANFANだった。
南佳孝のボサノバも聞けた。
2年つづきの「テイスト・オブ・ミュージック」の楽しいボサノバライブ、今年も「FANFANで!と楽しみにしていたのだが…。

3月のラストライブは、26日(日)19時から、友人の「溝口一博クインテット」が飾ることになっている。
溝口さんも、長崎のジャズシーンを引っ張ってきてくれた人。
彼の小さなジャズスポット「さろまにあん」は、低空飛行の経営(ごめん!)ながらなんとかまだ営業してくれている。ジジィになってもよぼよぼになっても、3階のお店に上れなくなるまでつづけてね!

溝口ライブの前も、「FANFAN」では3月の土、日は誰かがライブをやっていると聞いている。
お酒を飲みながらほんの目と鼻の先でミュージシャンが演奏している、
演奏する人と聞く人が一緒になって気持ちのいいジャズの世界を創っていく…それが、ライブの最高の楽しみ。

「FANFAN」にありがとうというのは、まだもう少し先にしよう。
26日、最高に楽しいライブを期待しているよ!溝口さん。
by windowhead | 2006-03-16 11:37 | 日日抄

日本の西海岸・長崎からのつぶやきはビンの中の手紙のように漂いながら誰かのもとへ


by windowhead