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気になる映画「明日へのチケット」

早く見たいなあと気になっている映画がある。
「明日へのチケット」
『木靴の樹』や「聖なるよっぱらいの伝説」のエルマンノ・オルミ、『友達の家はどこ?』のアッバス・キアロスタミ、『ケス』のケン・ローチといった巨匠たちが共同制作したという映画。
ケン・ローチも今年「麦の穂を揺らす風」でパルムドールをとったので、3人ともカンヌのパルムドール受賞監督。
イタリア、イラン、イギリスの巨匠といわれる監督たちが共同で作ったこの映画が、ちょっと前の「週刊サッカーマガジン」の片隅に掲載されていた。
アメリカ型のエンタテイメントとは対極にある、人生の深みを描き続ける監督たちの作品と「サッカーマガジン」という取り合わせが気になっていた。

「明日へのチケット」の公式サイトを見て、その理由がわかった。

お話はローマに向かう列車の中に乗り合わせた人たちのそれぞれの物語。
その中で、ケンローチが担当する部分の主役たちがスコットランドのサッカーチーム「セルティック」を応援するサポーターという設定なのだ。
グラスゴーから列車を乗り継いでローマに行く3人の若者たち。なけなしのお金をはたいて、チャンピオンズリーグの準々決勝に進出した「セルティック」を応援しにローマに乗り込もうとしている。
初めて国外に出た彼らが遭遇するのはどのような人生なのか?

お話の中で「セルティック」がアウエーで戦う相手はトッティのいる「ASローマ」。100%サッカーのシーンがないのはわかっているが、とてもわくわくしてしまう。

実際に今「セルティック」はチャンピオンズリーグの予選をいいところで折り返している。予選通過の可能性も大きい。
そして、そのチームの中心に中村俊輔がいる。
今日アウエーで戦う「ベンフィカ」戦に勝つか引き分けるかで「セルティック」はトーナメントに勝ちあがれる。
今日も熱心なサポーターたちは、ポルトガルまで応援に行っているのだろう。

中村俊輔が移籍するまで名前すら知らなかったスコットランドの「セルティック」というチーム。
イギリスのチームでありながら国歌では「フラーワーズ・オブ・スコットランド」を歌うスコットランド魂のチーム。
映画「ブレイブ・ハート」でメル・ギブソンが演じたウィリアム・ウォレスの魂を受け継ぐサポーターたちに支えられたチーム。
そのチームの中心選手として活躍している最近の中村俊輔のプレーにも「ブレイブ・ハート」が強く感じられる。
すでに、中村俊輔は,世界のサッカーではローカルな日本代表という名誉なんかぶっ飛ばして、世界の表舞台へのチケットを自分の手でもぎ取ろうとしている。
セルティックがチャンピオンズリーグのトーナメントに出たあかつきには、日本の中村俊輔としてでなく、サッカープレーヤー中村俊輔として応援したい。

映画がつなぐ別の世界、スポーツがつなぐ別の世界。そこで表現する人々は、すでに狭いナショナリズムを超えて人間共通の感動をもたらそうとしていると思う。

「明日へのチケット」は、いろいろな意味で興味深い映画だ。


すでに東京など数都市では上映されているようだが、九州ではまだ。
長崎で上映するなら、おそらくセントラル劇場だろうと予測して、先日セントラル劇場に問い合わせにでかけた。
劇場では、上映予定作品に入れようかと選択中とのことだったので、是非に!とお願いしてきた。
上映されるなら、年が明けてからだろう。
それまで、「セルティック」、勝ち残っていてね!!
by windowhead | 2006-11-01 13:21 | 至福の観・聞・読

日本の西海岸・長崎からのつぶやきはビンの中の手紙のように漂いながら誰かのもとへ


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