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あちこちに、磐音(いわね)ファンが増えている今日この頃

最近、思いもかけない人から、「そういえば、あなたの一押し・山本耕史っていいねえ」というお言葉をいただく。

べつに私があちこちに山本耕史さんをPRしまくっているわけではないのだが、大河新選組や彼の舞台を見た話などを折にふれお茶のみ話でしたり、ブログに書いていたことで、私が山本耕史という俳優が好きだということが、その人たちの頭のどこかに残っていたのだろう。

彼らの頭のどこかに残っていた「山本耕史スイッチ」を押すきっかけになっているのは、どうもNHK木曜時代劇「陽炎の辻~居眠り磐音 江戸双紙」のようだ。
このドラマが、私の周辺の老若男女の間で、たいへん人気がある。
原作は、佐伯泰英書下ろし「居眠り磐音」シリーズ。
すでに23巻まででているベストセラーだ。
藩のお家騒動にからむ陰謀にまきこまれ、親友を斬ってしまったという過去をもつ浪人と彼が暮らす江戸の下町の人々との交流や彼がかかわる事件が、こまやかにさわやかに描かれている人情時代劇とでもいうべきシリーズ。
ドラマ化にあたって、原作の佐伯泰英氏は、単なる江戸人情話にせず、きちんと磐音の出奔の原因になったお家騒動も描いて欲しいとの要望をだされたと、なにかで読んだ。ドラマは、佐伯氏の要望をしっかりと押さえ、ほのぼのとしたり、痛快だったりの江戸での話と、シリアスな御家騒動の部分がバランスよく配されていて、一話一話がとても見ごたえのあるドラマに仕上がっている。
この主人公の春風のように穏やかで思いやりの深い浪人さん・坂崎磐音(さかざきいわね)を好演しているのが山本耕史。彼の持つやわらかな雰囲気と磐音の人柄がうまくシンクロして、さまざまな人の心をひきつけているようだ。

腕っ節の強い浪人さんが長屋の人気者とか、下町の人気者の浪人さんが実は上様だった、みたいな「もてもて浪人」が主人公のシリーズは、TVや映画の時代劇のひとつのパターンなので、これと言って新しいドラマでもなく、働き盛りのビジネスマンや映画マニアな青年たちの気を引くとは思えないのだが、どうも「陽炎の辻」はどこか、これまでのものとは違った魅力があるらしい。

 知り合いのキネマ旬報クラブの青年と映画「ヘドウィッグ」の話をしていたとき、急に「山本耕史って、知ってますよね?どんな経歴の俳優なんですか?」と聞かれた。
TVをほとんど見ない彼は山本耕史の以前のTVドラマをほとんど知らなかった。大河「新選組!」で、ものすごく的確な演技をする土方俳優が気になって名前を覚えていたらしい。その後、映画「それでも僕はやっていない」で、じゃまにならないのにきちんとした存在感を出す演技に惹かれ、たまたま見た「陽炎の辻」で、見ている人まで包み込んでしまうような磐音の柔らかな存在感とさわやかなたたずまいに驚いたらしい。舞台を中心にキャリアの長い俳優だということを伝えると、納得しながらも、どうしても30歳には見えない!あの初々しさは新人と思っていたとのコメントだった。彼の演じた「ヘドウィッグ」の再演をぜひ見たいと言っていた。

いちばん驚いたのは、ドラマ「陽炎の辻」が40代、50代のビジネスマンたちに密かな人気ということ。原作が好きで、出張の乗り物の中で読んでいるという人や戦国物や幕末物など歴史小説が好きなおじさま方にも、好印象を与えているようだ。磐音の笑顔や言葉の端々からにじむ暖かさに、ささやかな癒しがあるらしい。
この磐音効果は、ついに海外にまで及んだみたいだ。
運営しているサイトの関係でメールのやり取りをさせていただいているニューヨーク在住のエグゼグティブ・ファッションアドバイザーのケン青木氏からいただいたメールにも磐音が登場した。
「…それから、いつもぼーっとNHKの時代劇を見ていて、若いのにいい時代劇の役者が出てきたな、と思っていたら、あなたのご推薦の山本耕史でした。坂崎磐音、いいですね。今までにない雰囲気を持った時代劇の役者という感じです。…」と書かれていて、ああ、NYでも山本磐音は、第一線で活躍するビジネスマンからも愛されているのだと、うれしくなった。

久々に人の心に響く連続ドラマとなった「陽炎の辻」の放映もあと4回くらいだが、磐音はいよいよ藩のお家騒動の渦中に飛び込んでいく。最後は江戸に戻れるのかな?いままでのように長屋の井戸端で「浪人さん」と呼ばれる磐音がいるのかな。

原作はまだまだ続きそうだし、ドラマの人気も上々のよう。きっとすぐに続編が制作されるんじゃないかな。そんな期待を持ちたくなるようなドラマの中心にのやわらかな物腰の山本耕史がいるのがうれしい。

◎ケン青木さんのファッションコラムが読めるサイト「サラリーマンスタイル」
by windowhead | 2007-09-17 14:49 | 新選組!な人々

日本の西海岸・長崎からのつぶやきはビンの中の手紙のように漂いながら誰かのもとへ


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