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中村俊輔3度目のチャンピオンズリーグが始まった

いよいよ、中村俊輔の3回目のUEFAチャンピオンズリーグ、チャレンジが始まる。

今週初めのニュースなどによれは、中村俊輔は早ければ来年1月にもJリーグに復帰するかもしれないという。となると、最後のチャンピオンズリーグになるのかもしれない。
「中村選手、Jリーグ復帰か!」というニュースは、唐突だと思いながらも、潮時なんだなあと割と冷静に受け止めた。
「僕がスコットランド人なら、ずっとセルティックにいたい。しかし自分は日本人。家族もいる、日本代表のこともある。いつかは日本に帰らなければならない。」
すごくまっとうな、彼らしい言葉だと思った。
本人もスペインリーグでプレーしたいと時折言っていたので、スペインに行かず日本に帰るというのは本懐を遂げないままの帰還になるのかという見方もあるだろうが、そうではないのだと思う。彼の年齢的な現実とスペインリーグの現状を見ると、きっとそれほど情熱を掻き立てられるリーグではなくなってきたということなのかもしれない。
さらに昨シーズンのCLではバルサとリーグガチンコで戦ったし、今回もビジャレアルと戦える。スペインの経験値としてはこれで十分なのかもしれない。

今、サッカーの中心はイングランドプレミアリーグだ。世界的にもっとも優れた選手たちがプレミアに移籍しているのをみると、そう思える。
スコットランドプレミアリーグはイングランドプレミアとはまったく別物だが、おそらく以前よりは世界でも注目され、評価されるリーグになっているのではないだろうか。少なくともセルティックとレンジャーズの2チームは、日本人評論家が田舎チームなどと書いていることよりは、ずっと高い評価を欧州(=サッカーの中心地)で得ているというのが現実なのだろう。

それは以下のような出来事でもわかる。ドイツ代表の、セルティック右SBヒンケル選手のインタビューが先週のデイリーレコードに掲載されていたが、ブンデスリーグ所属のドイツ代表選手はもちろん、あのバラック選手までが、オールドファームダービーの独特の雰囲気に強い興味を示しているという。
また、ヒンケル選手がドイツ代表に召集されたのは、セルティックの右翼で中村俊輔と連動してプレーできていることやセルティックでスタメンを続けていることが評価されたからだという。

セルティックの中村俊輔という存在は、欧州サッカー界では、それなりの高い評価の位置にいるのだろう。それは、UEFAが、機関誌の表紙に彼を取り上げたり、今回のようにUEFAの若年層向けトレーニング用映像配信のフリーキック部門に彼を登場させているのでも分かる。今やヨーロッパ随一のフリーキッカーと折り紙が付いた様なものだ。

このような実績を上げながら、中村俊輔の中でなにかが変わっていったのだと思う。恐らく彼は、自分の役割は、海外での成功経験を日本に還元する最初の人になることだと悟ったのではないかな。本来なら、この役割は中田英寿が担うはずだったが、サッカー界を離れてしまったので、順送りに自分が担うべきだと考えたのではないかな。それくらい、日本とヨーロッパでのサッカーは違っているのかもしれないし、日本の認識がいかにも遅れているのかもしれない。さらに日本代表への危機感もあるのだろう。

中村俊輔にとっての日本代表は、自分が選ばれるかどうかという次元の問題ではなく、日本代表が世界の舞台に立てなくなるかもしれないという危機感なんだろう。中東の著しい台頭、それも日本よりずっと洗練されたサッカーをするチームが出てきていることが大きな要因だと思う。
「日本を強くする!」そんな思いが強くなってきているのではないだろうか。

だからといって、中村俊輔は、日本サッカーに殉じようとは、さらさら思っていないはずだ。
軸足をヨーロッパから日本に移しただけでまだまだ、世界にチャレンジするつもりだろう。そのためにもW杯最終予選を何がなんでも勝ち抜かなければいけないからだ。

さらに、もう1つ世界の強豪と戦える場がある。クラブワールドカップだ。
CL杯の優勝チームと対戦できる最高の場は、クラブワールドカップなのだ。
中村俊輔がJリーグで戦う時には、その目標はクラブワールドカップに置くはずだ。そのためには、Jリーグで優勝が狙えるチームでなければならない。マリノスの監督は、マリノス愛があるのだからJ2になっても来てくれるはずだなどと寝ぼけたことを言っているが、中村俊輔はサッカー選手としての余生を送るためにJリーグに戻ってくるのではない。ヨーロッパ最強のチームや南米最強のチームと戦うための最短コースがJリーグにあると見通して戻ってくるのだと思う。

そう考えると、中村俊輔の次のステージも、なかなか興味深いものになりそうだと、ワクワクしてくる


by windowhead | 2008-09-18 04:04 | 紙のフットボール

日本の西海岸・長崎からのつぶやきはビンの中の手紙のように漂いながら誰かのもとへ


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