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弾く音楽は栄養になります

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10年ほど前ガンで亡くなった弟の友人が思いがけないものを届けてくれた。
弟の若いころの仕事のパネル
仲畑貴志氏に師事してコピーライターになった弟が最初の大きな賞をもらった仕事の一部。
YAMAHAエレクトーンの「ドレミは弾くからおもしろい」というコピーで全国展開したシリーズのもの。
このミルクのコップの下には「弾く音楽は栄養になります」というコピーが書かれている。
その友人の話では、このポスターは卵とミルクと野菜か果物の3連になっていたらしい。それぞれに違ったコピーが書かれていたのかな?そうなら、どんなコピーだったのだろう。
広告の仕事というのは消費されていく仕事なので形が残るのは少ない。そんな中でこのパネルはよくぞ30年近く生き延びてくれた。友人が代官山の弟の部屋に遊びに行った時、3連の1つをもらって自室においてくれていたらしい。私も遊びに行っていたので懐かしい。その頃の代官山は大使館の多い美しい街並みでヒルサイドテラスのトムズサンドイッチやハリウッドランチマーケットなどが弟のお気に入りだった。もしかしたら、この一連のポスターはトムズサンドイッチにインスパイアされたのかも。

そして「YAMAHA」
奇しくも今シーズン中村俊輔選手の移籍で身近になった[YAMAHA」の文字
なぜだかその移籍を気持ち良く受け入れられたのは、こんな細〜い細〜いつながりがあったからなのかな?
サッカーの応援をしていると、様々なメッセージの伝え方をみる。
ゲーフラ、横断幕、フラッグ、コレオグラフィー、アンセムソングやチャント。
伝えるメッセージも励ましや応援、感謝や思い入れ。面白いのはみんな「だれかのために」であって自己主張ではないところかな。

明日の(厳密には今日になっているね)スタジアムは「ジャパネット」への感謝のコールや文字でいっぱいになるだろう。
準備不足の私は、タンスの奥から引っ張り出した2014年シーズンのユニフォームを着ることにした。
胸には旧ジャパネットのロゴとジャパネットたかたという文字、背中にはリンガーハット。背番号10番は当時のキャプテン佐藤由紀彦。このユニフォームに感謝と共闘のメッセージを託そう。

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by windowhead | 2017-03-18 03:07 | 言葉を拾う | Comments(0)

見届けることに決めた

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9月の台風の潮風で枯れてしまったはずのゴーヤカーテン。
それでも、始末するのがなんとなく忍びなくて、水だけやりながらほおっておいたら、新しい茎が出てきたり、小さな花が咲いたり、そしてまた実をつけたりしている。
ガーデニングに詳しい人たちに言わせたら、時期が過ぎているのでそのまま育てても土が弱るだけらしい。見た目も美しくないから抜いてしまったがいいらしい。
でもねぇ、まだ成長しようとしていると思うと、抜いてしまう勇気がでない。
所詮しろうとの庭、いやベランダ園芸だ。
もういっそ最後まで見届けてあげよう。
少しばかりベランダの景観が悪いのは、周囲の人に我慢してもらおう。
いつもきれいな花壇は素晴らしいけれど、植物の最後の姿が美しくないはずはないだろう。
きちんと、最後まで見届けよう。

サッカー日本代表GK川島永嗣選手の合成写真を見せながら「福島の影響があるのだろう」というような表現をしたフランス2テレビのパーソナリティーの表現が大きな波紋を引き起こしている。
マスコミもメディアもその事態のいきさつや進展を取り上げている。
そんな中で、昨日、川島選手がベルギーで記者会見したという。
日刊スポーツに掲載されたその会見内容は本当に素晴らしいものだった。
しかし、彼の会見内容を取り上げているのはスポーツ新聞だけのようだ。
フランスのパーソナリティのエキセントリックな反論や日本のコメンテーターの感想を放送したり掲載するくらいなら、川島選手の記者会見内容を一語もらさず放映するほうがずっと意味があると思う。

当事者でありながらも冷静に、そして本質にふれた会見内容に、日本人サッカー選手の人間性の素晴らしさとインテリジェンスを感じた。その場にいた記者たちもそう感じたはずだ。

いろいろ書くより、川島選手の会見記事を読んでいただきたい。
100人の政治家や知識人や有名人たちの言葉より、ずっと心にしみるし、本質をついていると思う。
http://www.nikkansports.com/soccer/world/news/p-sc-tp3-20121019-1034494.html



是非残しておきたい記事なので、こちらに引用させてもらう(ただし、本来の記事のサイトにいってもらいたいので、わざと反転しないと読めないようにしています)
 【リエージュ(ベルギー)18日=益子浩一】日本代表のGK川島永嗣(29=スタンダール)が当地で、東日本大震災の被災地に向けた会見を開いた。フランス国営テレビが、川島の腕が4本ある合成写真を映し「福島(第1原発事故)の影響」と発言したことに対して「冗談にもならない」と反発。さらに「福島には、いまだに家に帰れない人もいるんです。世界中の人々が日本を救って欲しい」と訴えかけた。

 初冬を迎え周囲の木々が紅葉した練習場から会見室に入ってくると、川島はしっかりした口調で語った。日本代表として出場した12日フランス戦後、フランス国営テレビが、自身の腕が4本ある合成写真を放送。司会者が「福島(第1原発事故)の影響ではないか」と発言したことは現地でも大きな波紋を呼んでいる。

 川島 私たち日本人にとって、それは冗談では済まされないことです。非常に悪いジョークだ。福島には今でも家に帰れない人がいる。家を失ってしまった人もいる。私だけでなく、日本にとって、重要な問題なのです。世界中の人々に、日本を救って欲しい。

 被災地の光景が浮かんだのだろう。英語で話すと感極まった表情になり、目頭を熱くした。昨年夏に仙台、冬には原発から近い福島県相馬市、今夏にも岩手を訪問。帰国すれば、必ず被災地へ足を運ぶ。

 川島 原発の被害は、目に見えるものではない。常におびえている人がいる。子供たちは外で遊ぶこともできず、心おきなく(サッカーの)練習もできない。当たり前のことが、当たり前にできない。復興だけでなく、心の傷は簡単には癒えないのです。

 この日の会見は、自ら希望して開いた。自分の口で言いたかったのだという。

 川島 今回の出来事は、日本人がどうあるべきかを示す機会にもなる。僕がどう考えているか、しっかり主張をする。今まではなかったことかも知れませんが、これからの日本人はどうあるべきか。それを伝える責任がある。サッカー以外でも、行動を起こしたい。

 最後に、被災地への思いも残した。

川島 常に一緒だということを忘れないでほしい。日本人のメンタリティーは世界に誇れるものですから。

遠いベルギーから発信した言葉の数々。それは、心から伝えたい思いだった。
 [2012年10月19日8時46分 日刊スポーツ紙面から]

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by windowhead | 2012-10-20 12:26 | 言葉を拾う | Comments(2)

自分の子供を入れるなら間違いなく高校サッカーを選ぶ。

俺は自分の子供を入れるなら間違いなく高校サッカーを選ぶ。

サッカー日本代表、ガンバ大阪の遠藤保仁選手の著書「自然体ーー自分のサッカーを貫けば道は開ける」(小学館101新書)の中のフレーズ。

なんだかものすごく遠藤ヤットらしい言葉だなあと、印象に残った。

今やクラブユース全盛時代になり、優秀な選手がユースに行くため高校サッカーが衰退していっていると言われている。それは分かっていて、それでも高校サッカーを選ぶと言う。
技術や戦術はプロになっても積み上げられるが、メンタルのベースは若いときこそ形成されていくべきだ。それには、厳しい環境の高校サッカーのほうが良いと言い切る。
親友の中村俊輔を完ぺき主義、自分は気分屋という遠藤選手だが、人一倍悔しい思いをしてきたキャリアを支え続けたのが高校時代から培ってきた「折れない心」があってのこと。
強くぶれないベースがあるから、ときには心を遊ばせることができるということなのだろう。

この人は本当に人間として優しい人だし、人が好きな人物なんだと、この本を読んでいて再確認させられる。
気持ちよく楽しくサッカーをするためだったら、自分のアピールもサラリと捨て去ることができる潔さがある。またその潔さを潔さと感じさせない自然体のしなやかさがある。
とても心の広い人なのだろう。中澤祐二とはまた違った温かさと優しさをもったサッカー選手だと思う。

この本を読んでいるとガンバ大阪というチームがとても魅力的なチームだと言うことがよくわかる。
超攻撃集団「ガンバ大阪」って、下町商店街の旦那たちのイベント時の結束パワーに似ている。
あの人工衛星「まいど1号」を打ち上げた大阪の中小企業のおっちゃんたちのパワーに通じる。
技術の粋を集めて完成させた人工衛星に「まいど!」なんて命名する感覚は、繊細な判断力と技術から打ち出されながら笑いがとれる「コロコロPK]に通じる。


「頭が疲れる選手になりなさい」
奇しくも、遠藤選手の高校サッカーの恩師とオシムさんが同じことを言っている。
印象的な言葉だ。
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by windowhead | 2009-02-21 01:29 | 言葉を拾う | Comments(2)

表現者としての誠実な言葉と勇気…村上春樹氏

「体制を壁に、個人を卵に置き換えて、高い壁にはさまれて、壁にぶつかって壊れる卵を思い受けべた時、どんなに壁が正しく、どんなに卵が間違っていても、私は卵の側に立つ」

イスラエル最高の文学賞、エルサレム賞の授賞式で、受賞者である村上春樹さんの記念講演のなかの言葉だ。

受賞にあたって、日本の市民団体などから、この賞を受賞することは、ガザ攻撃で一般市民を巻き込んだ空爆を続けるイスラエルの政策を擁護することになるとして賞の返上を求められていた。
村上春樹さんは、迷ったが、受賞式に出席した。
その理由を「現地に行って現実をみることとメッセージを伝えるためだ」と説明した。
そのメッセージの一部分が最初に書いたフレーズだ。
また「壁は私たちを守ってくれると思われているが、私たちを殺し、また他人を冷淡に効率よく殺す理由にもなる」とものべ、イスラエルの軍事力によるやりかたと、パレスチナとの分離政策への批判をこめた発言をしたという。

表現者として最も大切な人間の自由をおびやかすものに対して、それが驚異的な権力であっても、誠実な言葉で立ち向かう勇気をみせてくれた村上春樹さん。
賞を返上するという後ろ向きの批判でなく、相手に敬意を払いつつも言うべきことはきちんと伝えてくるという正々堂々としたやりかたを選んだ村上春樹さんに感動した。

「羊をめぐる冒険」からもう何冊だろうか。村上春樹さんの本はほとんど読んでいる。そして、初期のショートストーリーのみずみずしさが忘れられないでいる。そこには平和な中での個人のささやかな幸せ感が細やかに綴られている。
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by windowhead | 2009-02-18 02:17 | 言葉を拾う | Comments(0)

日本の西海岸・長崎からのつぶやきはビンの中の手紙のように漂いながら誰かのもとへ


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