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青春ドラマのような天皇杯のサンフレッチェ

案の定、サンフレッチェが勝ってしまった。

「相手はJ2に落ちたチーム。J1上位との力の差をみせてやります。」というガンバ安田のコメントがネットに掲載されていたのを見たとき、なぜかサンフレッチェが勝つなあと確信した。あのお茶目な安田にしては、ユーモアのかけらもない。気負っている?
結果、技あり!のゴール3本でサンフレッチェが決勝進出を勝ち取った。

今のサンフレッチェは、本当に はつらつとしている。全員が活躍している。
なんで、これがリーグ戦のときに出来なかったのか、と誰もが思う。でも出来なかったのが現実。いまさらそれを言っても始まらない。出来なかったことを修正して、つぎにつながる可能性をつかもうとしているようだ。
天皇杯というタイトルを目指すのはあたりまえなのだろうが、いまのサンフレッチェは、タイトルをとることより、このチームで1日でも長くプレーをしたい。このチームのすばらしさをサポーターも含めて自分たちが確信したいという気持ちのほうが強いんだろう。

負ければそこで、今のメンバーでのチームは終わり、選手たちはそれぞれ受験勉強や就職活動にはいる高校サッカー選手権。いまのサンフレッチェには高校サッカーを見ているような切ない爽やかさがにじむ。また、それ以上に吹っ切れた躍動感に満ちている。

フロンターレとアントラーズの戦いは、真にタイトルを熱望している者同士の戦いだった。激しくしたたかで熟練された技能者集団のようなアントラーズがやはり勝ちあがった。フロンターレの最後の試合で、佐原や大橋という定番のサブが登場しなかったのは残念だった。すでに移籍が決まっているからだろうか。チームの歴史とともにあった佐原のラストゲームになるのかなと期待していたが甘かった。

天皇杯決勝は、大人なアントラーズVS高校生なサンフレッチェという戦い。
勝っても負けてもこのドラマの主役はサンフレッチェだろう。
主役中のアイドル、柏木くんが累積で出場できないのは残念だ。
せめて、元日の国立上空は青空であって欲しい。天皇杯は青空が似合う。
いつも半そでの佐藤寿人のためにもすがすがしい日本晴れでありますように。


年の瀬というのに、野暮な話も出てきた。
スコットランドで穏やかな日々を過ごす中村俊輔の周辺がまた騒がしくなる。
CL決勝トーナメントで念願のバルサと戦うため試合復帰に向けて集中してリハビリに励んでいる俊輔の気持ちを知ってか知らずか、横浜マリノスフロントが勝手に舞い上がっている。俊輔獲得のために10億円準備して来春早々スコットランドに乗り込むそうだ。

はっきり言おう!迷惑な話だ。
俊輔のファンの多くは、彼にはまだ海外でがんばって欲しいのだ。
横浜マリノスのサポーターだって、今のチームに俊輔が欲しいとは思っていないだろう。
俊輔より山瀬がかわいいはず。ましてや、俊輔ひとりのために10億円準備するなどと、身内の選手の気持ちを逆撫でするようなことを発表する無神経さが理解できない。こんな報道は俊輔にとっても迷惑なはず。マリノスフロントの考えは売り上げの戦力として俊輔を獲得したいという思惑が見え見え。俊輔にたいしても、チームの選手たちに対してもほんとうに失礼極まりない。
10億円準備できるのであれば、俊輔獲得に使う前に、今の選手たちの給料をアップしろよ。ほとんどの選手が昨年からアップされてないんでしょ?あんなにがんばった中澤だって本人の満足のいく金額じゃないんでしょ。
俊輔、こんなフロントのマリノスに行くくらいだったら最悪でもセルティック残留がまし。
プレミアのチームからは絶対にオファーがあるはずだから、それでもいいじゃない。1年契約で行けばいい。
トップフォームのあなたが帰ってきても、Jリーグはあなたを持て余すだけだと思うけど。
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by windowhead | 2007-12-30 03:48 | 紙のフットボール | Comments(5)

対戦相手はご希望の「バルサ!」

UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメントの組み合わせが決まった。
セルティックの対戦相手はなんとバルセロナ!
中村俊輔が「個人的に対戦したいのはリヨンかバルサ」と言っていたが、またしてもご希望通りとなった。昨年もミランとの対戦を希望し、そのとおりになっていた。なんだろう、この的中率。サッカーの神様はよっぽど俊輔が好きなのか?それともUEFAがこっそり叶えてくれているのかしらん…まさかね。
ミラン以上に、豪華なタレント集団のバルセロナ。メッシやアンリとの初対戦に心躍る思いでしょうね、俊輔くんは。
最近のライブドアニュースに、中村俊輔「相手が嫌がり、味方が頼れる存在でいたい」http://news.livedoor.com/article/detail/3436603/という俊輔のインタビュー記事があった。
そのなかで、07年欧州チャンピオンズ・リーグで決勝ラウンドを戦って得られたものは?との質問に、「世界のトップのクラブと、真剣勝負をやってみて、いろいろと“違い”を実感できたこと。しかも、それが、自分で探そうとしなくても、どんどん出てくるのがチャンピオンズリーグだった。」と語っている。07年にクリスチアーノ・ロナウドやカカと、そして今度はメッシ。2年でバロンドールの本命3人と真剣勝負できるチャンスを手繰り寄せてしまったね。
中村俊輔の「サッカーの引き出し」には どんどん新しい経験が詰まっていく。
バルサと戦ったら満足せず、また新しい引き出しを求めて欧州で移籍して欲しいなあ。
日本に帰ってくるのはまだまだ早すぎるとおもう。日本には彼の引き出しに詰めるものは少ない。海外でいっぱい詰め込んで、日本に持ち帰り、日本のサッカー界に伝えるのが中村俊輔の役割。中田英寿が放棄した役割だが、彼に続いて海外への道を選んだ俊輔が果たすのは当然の流れだと思う。

ターゲットは決まった。まずは膝の完治を祈ろう。


もう1つ興味深いニュースを見た。
鹿島の柳沢敦選手が出場機会の減少を理由に新天地を求めて移籍を希望しているという。地域などは問わないというくらいだから鹿島を出る決意は固いのだろう。
柳沢選手は怪我や若手の成長などもあって、今シーズン先発で登場することが少なかったが、鹿島にとっては今でも顔になる選手だろうし、チームと柳沢選手の間に深刻な問題があるようでもない。ダダをこねているのではなく、新しい挑戦の場を求めているのだろう。

私は、あるきっかけで柳沢選手に好感をもっている。
容姿の良さや合宿を抜け出してのデートなどで、派手で浮ついた選手のような印象があったが柳沢選手は、本当に根っからのサッカー小僧なんだと認識したエピソードがある。
たしか2000年ごろの雑誌で丸ごと1冊中村俊輔を扱ったムック版のようなものがあった。その中で、引退について当時の俊輔は「衰えたと思ったらすぐ引退する。J2やJFLに行ったら過去の栄光がなくなりそう。スパッと辞めたほうがすごいときのままでいられる」という幼い考え方を披露をしている。40歳でも現役で戦うキング・カズをリスペクトする今の俊輔なら到底考えられないようなコメント。その中で、「ヤナギさんは、サッカー好きだから続けると言っている。新人たちから「あの人超おせーよ」って言われようが、やるって。」と柳沢選手から聞いた言葉を紹介していた。そして、「そのときになったら自分もサッカー好きだから続けると言うかも知れない」と揺れていた。
俊輔より1歳上、涼やかなルックスと、若くて代表に選ばれる才能を持つ柳沢選手は当時「格好いい」と若い女性からも大もてだった。そんな彼が、カッコイイ終わり方よりカッコ悪くても続けるほうを選ぶと言ったことが新鮮な驚きだった。傍目のかっこよさよりサッカーができることを喜ぶ純粋サッカー小僧なんだと好感をもった。
口下手、世渡り下手な柳沢選手のサッカーに対する思いは昔のままなのだろう。彼はただただサッカーがしたいのだろう。できるだけ長い時間ピッチで、わくわくするサッカーを続けたいのだろう。わくわくするサッカーは真剣勝負の中にしかない。だからこそ愛する古巣を捨ててでもピッチに立てる場所を求めているのだろうと思う。
俊輔も感服する、早い動き出しでゴールを目指すヤナギが見たい。
切れ長の細い目で屈託なく笑うヤナギが見たい。
だから、いい移籍ができるように祈りたい。
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by windowhead | 2007-12-22 02:08 | 紙のフットボール | Comments(0)

オシムサッカーの完成形が日本のどこかに植えつけられることを望みながら

岡田監督による代表の顔合わせと練習が行われたようだ。ミーティング合流した高原、稲本、中田コら海外組も「岡田監督のためなら…!」と意欲的らしい。

その裏で、オシム監督の容態はどんどん回復しているようだ。
スポーツ記事によれば、近く一般病棟に移れるらしい。
なにより、大好きな「数独」をやっているというではないか!!!
「数独」がやれるということは、思考の機能は大丈夫ということ。
体力さえ回復すれば、現場復帰は可能だね!というのは早計かもしれないが、当事者の意思確認もせず代表監督をさっさと変えてしまうサッカー協会の決定よりは、ずっと当たり前の判断だと思う。
オシム監督に、代表監督を続けていくモチベーションや体力への自信がないのであれば、交代は仕方がない。しかし彼の意思は確認しないまま、なし崩しの監督交代でよかったのだろうか。
「待つべきとき」に待てないのは、日本人の悪い癖だ。そして、やってしまったことに対して、後づけの理屈で納得したり、「しかたがなかった」で押し切りるのも。

オシムさんの回復の状態とやる気によっては、岡田さんが勇退してくれないかなあと思ってしまう。オシムさんが目指す「日本人の特性を活かした日本人らしいサッカー」の完成形が見たいから。
私の中では、日本代表はスイス戦で止まっている。(カメルーン戦には海外組がいなかった)あのスイス戦の中にはたくさんの可能性が詰まっていたと思う。あのスイス戦の延長線上で成長していく日本代表を見たいと今でも望んでいる。

そうは言っても代表監督はおいそれとは元にもどらないだろう。
ここからは、勝手な妄想なんだけどーー。それならばもう1度Jリーグのどこかでオシムさんに指揮をとってもらい、オシムジャパンの目指していたサッカーの完成形を作ってもらえないだろうか。もちろん、オシムさんが望めばの話だが。
オシムさんは今でも隠居するつもりはないと思う。あの口調で「故郷に帰ってTVでサッカー観戦するには早すぎる」と言うんじゃないかなあ。
オシムさんにとっては、日本代表監督という名誉などより、彼の頭の中にあるサッカーの具現化のほうがずっと魅力的だったはず。オシムサッカーの集大成を日本代表で見せるつもりだったのではないかと思う。あれだけ多くの新しい選手を候補に選んだりしたのも、そう考えると納得できる。
一番いいのは、またジェフ千葉で指揮を執ってもらうことだろうけど、J2になったが広島や甲府などもその素質のあるクラブだと思う。
オシムさんのニュースが徐々に小さくなっている中で、オシム監督と日本人選手が創り上げるサッカーをまだまだ見ていたいという気持ちはどんどん強くなっていく。



クラブW杯で幸せなTV観戦の1週間が終わってしまった。
浦和の選手たちは、ミランや海外トップチームとの差を知る具体的な尺度を身体に刻んだと思う。それはJリーグや日本代表にとっても大きな収穫だろう。海外のトップチームとガチンコで戦えるチャンスを手に入れる方法が具体的にわかったことも大きな収穫。
阿部勇樹選手が言うように、3位と4位では、大きく違うと実感した。TVの中で3位を決めて喜び合う選手たちに思いっきり拍手を送った。
しかし、ただ1つ気になることが残っている。
それは、喜び合う選手や関係者の中に、小野伸二選手の姿が見当たらなかったことだ。
ミラン戦のときは、サブメンバーに小野選手の名前があったが、3位決定戦ではその名前もなかった。スタンド観戦しあとピッチに降りて一緒に喜び合う闘莉王選手の姿は映しだされたが、小野選手の姿は映らなかった。
また練習中に怪我をして入院したのだろうか?オランダに渡った頃のような無垢な笑顔でボールを蹴る小野選手はもう見られないのだろうか。スポーツ記事を探すが、小野選手の動静がでてこない。


「世界的セレブ」として完璧に創りあげたヒデの格好よさに、さすが!と唸ったが、昨日帰国したツネ様のナチュラルな格好よさには、さらにブラボー!
個性派ぞろいのガンバの面々を抑えて、「ガンバの顔」を張り続けられた理由がわかりました!
宮本ツネ様は、生き方も見てくれも世界標準で格好いい男なのだ。ナチュラルな格好よさの中からハートの良さがにじみ出てくるところがさすが。私の周囲の男性陣に「宮本、いい男だねえ」という人が多いのが不思議だったが、ザルツブルグに移籍してからの彼を見ていると、その評価に納得してしまう。


海外に出ている日本選手たちが、そろそろリーグ中断時期に入って帰国してくるが、中村俊輔は今年もスコットランドでクリスマスと正月を迎えるのだろう。
イギリスやスコットランドのリーグは、人々が休暇になるクリスマスや新年にも試合を続ける。それは、クリスマス休暇の旅行などに行けない層の人たちのためにフットボール興行を続けることも、リーグや選手たちの使命だから。サッカー選手に「ノブレス・オブリージュ」を課しているところが騎士道の国らしい。

クリスマスプレゼントをもらえるのなら、中村俊輔の故障が治ってスコットランドのピッチに復帰することとオシムさんの回復をお願いしたい。
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by windowhead | 2007-12-19 15:52 | 紙のフットボール | Comments(0)

今そこにある不安「佐世保銃乱射事件」

一昨日の夜、久しぶり映画鑑賞。
見たのは「ロンドン コーリング」。80年代、世界のパンクシーンで爆発的な人気を誇った「クラッシュ」の中心人物ジョー・ストラマーの生涯を追ったドキュメンタリーだ。パンクという権力やリベラルな社会をぶち壊そうというエネルギーのバンドが、成功していくにつれ自分たちがビッグビジネスになってしまうという自己矛盾をかかえてしまうという命題は、純粋で不器用なロックバンドがぶち当たる運命なのだなあ。そして、作詞を担当する人のほうが、その痛手がおおきいのだと、改めて感じたりした。ビートルズが解散しなければいけなかったのも、それぞれの自己矛盾からの逃避のスタイルの違いだったのかもしれない。などと、久しぶりにロックバンドについて思いをめぐらしながら帰宅した。長崎という地方都市で、この映画が見られる幸運は、「長崎セントラル劇場」という、志の高い映画館が残っているおかげだ。シネコンが当たり前になった地方都市は、スクリーン数は増えたが、かかる映画の種類や数は限られてきている。売れる映画しか上映しないのがシネコンのビジネスだからしかたがない。反骨の「長崎セントラル劇場」を持っているこの町は、捨てたものじゃないと思っている。

帰宅すると、我が家のTVから、驚くべきニュースが流れていた。スポーツセンターで銃乱射事件があり、数人の死傷者がでたというのだ。「どこの話?」と暢気に家人に聞くと「佐世保市だよ」と言われ、とたんに「純粋ロック考」は、頭の中から吹っ飛んだ。

また長崎県で銃による痛ましい事件が起こってしまった。
今年4月、市長が銃によって暗殺されたのはまぎれもないこの長崎市だった。そして今度は佐世保市でも銃による殺人事件がおきてしまった。
市長殺害の犯人は暴力団関係者だったが、佐世保の犯人は一般人という。
40歳前の一般人が、銃刀の所持が禁止されていると言っても過言ではない日本で、空気銃も含めて4丁もの銃を所持しているという現実に驚いてしまった。それも、許可をもらって正規に購入しているという。

長崎市に暮らしていて、この町が危険な町だと感じることはほとんどない。泰然とした懐の深さはないが、小市民的な人の良さとおだやかさのある町だと思っている。佐世保も米軍基地があるとはいえ、穏やかな港町だ。そんなごくごく普通の町である長崎や佐世保なのだが、振り返ってみると、痛ましい事件がリンクしている。穏やかな町は住人だけの幻想になりつつあるようだ。

一昨年くらいから、長崎市のあちこちで交番が廃止になっている。交番からパトロールカーによる巡回に切り替えられていった。パトカーによる巡回のほうが機動性があり、効果的とのことらしい。
しかし、交番という存在は、物言わぬ安心でもあったのに…。夜、心細い思いで夜道を帰宅する女性にとって、交番の赤い玄関灯は心強い砦のような存在だった。なにかあっても、ここに駆け込めば安心という場所が生活の場周辺から、どんどんなくなっている。
今回の佐世保の場合も、犯人が銃を持っていることに不安を感じていた近所の人は、警察署に相談に行っていたという。警察署が真剣に取り合ってくれなかったのは、近所の人の相談をクレームと思ったからだろう。これが、交番のお巡りさんだったら、少なくとも両者の意見を聞くくらいの行動を起こしていたはずだ。その前に、犯人の怪しい行動に気づいていたかもしれない。
交番や警察と市民の信頼関係が一番の防犯だったのかもしれない。

金曜日の夜、発生した事件のニュースは、すぐさま世界を駆け巡ったようだ。
土曜日の朝、メールを開いたら、NY在住の友人から、「ニュースで佐世保の事件を知りました。日本もどんどんアメリカのようになっているようで心配になります」というメールが入っていた。
銃社会のアメリカで発生している銃乱射事件と同じようなことが、銃を禁止されている日本で起こるというのは、さらに深刻な問題だと思うのだ。

佐世保の事件を犯人個人の罪として処理されるのが、いちばん困る。犯人の内面や交友関係をあたることで犯人や周辺を掘り下げて個人的な動機として処理されたり、病的な精神状態で処理されるのは中途半端だと思う。今回の事件には、そこに銃があったということが大きな要因になっているのではないかということにも真剣に取り組んでもらいたいと思う。

日本だって安心できない街になっているようだ、自己防衛が必要ととなえる人たちもいる。
ならば、最良の方法を知る権利が私にもあるとおもう。
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by windowhead | 2007-12-16 15:46 | 日日抄 | Comments(0)

『「言語技術」が日本のサッカーを変える』のベースにはオシムサッカーがあると見た。 

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オシム監督が倒れて、早々と日本代表の監督が決まった。
「優れたアジリティーやチームプレーというような日本人の特性を活かした日本人らしいサッカーでW杯を戦う」ということを目標に進んでいた日本代表が、その半ばで、まったくサッカースタイルの違った監督に託されることになってしまった。
日本人らしいサッカーの究極は日本人監督しかできないからそれが少し早まっただけと言う人もいるだろう。しかし、それならば、なぜ、ジーコの後にすぐ日本人監督でなかったのか?それはまだ時期尚早だったからだろう。世界のサッカーを理論的に伝え、国際的な視野でチーム作りができる監督人材が日本には育っていなかったからだろう。
オシム監督になって、1年でチームはなんとか監督を理解し、それをゲームの中で表現できるようになってきた。その間、日本人監督の人材が成長する場やチャンスはあっただろうか?それなのに、オシム監督の後が、なぜ日本人監督なのか?それも岡田氏なのか?
そして、オシム監督が倒れたころはオシムサッカーを継承すると言っていた協会のトップがいつの間にかやり方すべてを岡田氏に任せるといい、岡田氏は、オシムサッカーは自分にはできない。と明言した。
これを論理的につなげれば、協会が明言した「オシムサッカーの継承」は、なされないということになる。日本サッカー協会というところは、日本サッカーの哲学というものを持っているのだろうかと、今更ながら心配になってくる。

さて、その日本サッカー協会の夢でもあるJリーグ百年構想。その目玉のひとつでもあるエリート養成機関・「JFAアカデミー福島」のカリキュラムでも取り入れている「言語技術」や「ディベート」というおよそ運動神経や身体能力アップとは正反対にあるトレーニング理論とメソッドを紹介した本に出会った。

田嶋幸三氏による『「言語技術」が日本のサッカーを変える』(光文社新書)がそれ。
田嶋幸三氏といえば、最近はオシム監督の病状会見に登場していた人で日本代表の強化や若年層育成がお仕事の日本サッカー協会専務理事のようだ。

「言語技術」というのは、なにもバイリンガルであるということではなく、理論的に考え、判断し、それを伝える能力のことで、オシム監督が言った「考えて走るサッカー」が出来るための基礎的な能力でもある。考えて走るサッカーには、スピーディなゲームの中で究極のプレーを瞬時に判断し、同時にそのプレーはピッチ上の味方選手たちの共通認識でなければならないという高いコミュニケーション能力と戦術理解力が必要となる。
日本人が不得意とする論理思考や交渉力、責任の所在を身につけるための基礎技術としてコミュニケーションの根源である会話や討論の力をつけようというもの。

この本に書かれていることの根底にあるものが、以前読んだ湯浅健二氏の「日本人はなぜシュートを打たないのか」と共通すると感じた。
田嶋氏も湯浅氏もドイツの大学でサッカーを学んだ経験がある人。そして、オシムサッカー(トータル・フットボール)の理解者であり、信奉者でもあると思う。
日本サッカー協会は、オシムサッカー(トータルフットボール)が日本のスタイルという共通理解で進んでいたのだ。
となれば、今後の日本代表を「岡田氏のお気の召すまま」でいいのだろうか。
それとも、とりあえず2010W杯代表は岡田サッカーで行くが、それ以外はオシムサッカー=トータルフットボールが基本の路線なのだろうか。つまり、2010W杯代表の戦い方は日本の目指す路線からはちょっと違うあだ花なのかな。

まあ、岡田サッカーといっても、私が知っている最も新しい岡田チームは、昨年のマリノスだ。それから成長してくださっているものと期待するしかない。万が一だが、カウンターサッカー派からトータルフットボール派に変わっていることもありうるから。岡田氏へのわだかまりは、彼からフランスワールドカップでの総括を聞いていないと思っているから。たしか、彼は全敗した後、選手と一緒に帰国せず、F1見物などを楽しんでいたと思う。監督不在で帰国した日本代表には成田で城選手が水を掛けられるという出来事が待っていた。なぜ岡田氏は選手と一緒に帰らなかったのか、今だに納得がいかないままだ。

いずれにしろ、『「言語技術」が日本のサッカーを変える』と言う本は、すべてに納得できる内容ではないにしろ、興味深い内容が詰まっていた。サッカーのエリート育成のほうが、日本の教育現場より日本人の弱点克服の実践に本気だということを教えてくれた。選手を成長させるのは根性論や有無を言わさず特権を使って求心力を誇示することより、監督個人の人間性であり哲学だとも書かれている。そして、「学ぶことをやめたら、教えることをやめなければならない」というロジェ・ルメールの言葉も。


新しい日本代表選手が選出されたらしいが、今はそれよりも、オシム監督(私の中では今でも日本代表の監督はオシム氏のまま)の回復状態のほうが気がかりだ。
田嶋さん、今後もオシムさんの経過報告を継続してくださいね。
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by windowhead | 2007-12-11 17:59 | 紙のフットボール | Comments(2)

来シーズンも佐藤寿人を信じると決めた!

寿人「1年で必ず戻る」サンフレ痛恨降格(スポーツナビ)l

当たり前だろうが入れ替え戦はいつも見ごたえのあるゲームになる。
広島も京都も出せる力を出し切ったようないいゲームだった。怒涛の攻めを繰り返したが、残念ながら広島は1点が奪えなかった。
広島J2降格。もっとも恐れていた事態になってしまった。

私は広島ファンでもなんでもない。が、佐藤寿人選手がいるので広島に肩入れしている。
J2に降格すれば日本代表選手でもある佐藤寿人はどこかに移籍しなければ代表に残れない。彼や駒野選手にはさらに苦渋の選択が待っている。

ところが、試合後、佐藤寿人選手はサポーターに向かって、涙をこらえながら「絶対に1年でJ1に戻ってきます」と叫んでいた。柏木や槙野が嗚咽し、他の選手がうなだれているなかで、佐藤寿人はサポーターに「申し訳ありませんでした」と頭を下げ、翌シーズンでのJ1復帰を誓っていた。すでにこの時点で、佐藤寿人は広島に残る決断をしていた。

フォワードながらゲームキャプテンを背負って戦ってきた佐藤には、点が取れなかったのはフォワードである自分の責任という気持ちが大きかったのだろう。
移籍してきて3年目。生え抜きの多い広島の中で、代表と掛け持ちの佐藤がゲームキャプテンを務めなければいけないほど広島というチームは若かったのだろうか。
負けがこんでいたときサポーターから佐藤へのバッシングは、生え抜き選手とは比べ物にならないほど激しかった。あの時、佐藤選手は自分が広島の選手として受け入れてもらえていない悔しさを感じたのだろう。
今の佐藤寿人にとっては、代表よりも、J1復帰の責任を果たすことで広島というチームの一員として認められることのほうが大きな意味持つのだろう。
正直、佐藤寿人が代表から外れるのは惜しい。
大久保、田中達也と同じような特徴の選手はいるが、寄せ集めの代表になると、佐藤のような人柄はチームを落ち着かせる大事なピースだと思うから。

それでも、佐藤寿人は、いま現在、代表より広島残留を選んだ。
選手生命を賭けても、自分にふりかかった出来事の白黒をはっきりさせたいという我那覇選手もそうだが、サッカーに何を見出すか、それは、選手それぞれなのだ。

ただひとつ言えることは、岐路や試練に立ち向かうことを選んだ人は後に大きくなれるということ。
佐藤寿人選手の今後を楽しみに、応援していくつもりだ。

J2ならば、鳥栖で観戦できる。
来シーズンは、スタジアムで佐藤寿人のゴールの目撃者になれるということか。

Excite エキサイト : スポーツニュース
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by windowhead | 2007-12-09 13:04 | 紙のフットボール | Comments(6)

我那覇選手の決断を応援したい

今年4月、風邪の回復のためチームドクターが取った処置がJリーグアンチドーピング規定に抵触するということで処分を受けていた川崎フロンターレの我那覇選手が、その処分の撤回をもとめて、第三者機関に仲裁の申し立てをすることを選んだようだ。

この問題の経緯については、「等々力ゴール裏でまた騒ぐ (アウェイでも騒ぐけど)」というフロンターレサポーターさんのサイトにわかりやすく整理されていた。

すでに6試合出場停止とフロンターレへの1000万円の罰金という処置に伏しているが、その後、世界反ドーピング機関(WADA)の規定に照らし合わせると、我那覇選手への処置はドーピングにならないとJADA(WADAの下部組織)の見解が出され、我那覇選手を担当した医師たちが第三者機関での仲裁を求めたが、「この話は、Jリーグと川崎フロンターレと我那覇選手の間で解決済み」としてJリーグが応じない格好になっていた。
そこで、当事者の我那覇選手が仲裁を申し立てることに踏み切ったようだ。

よく決心したと思う。
勇気ある決断だと思う。

すでにペナルティーに応じているとはいえ、納得のいかないものを抱えている心情はプレーに現れていた。今シーズンの我那覇選手は昨シーズンとは打って変わって精彩がなかった。
この問題による精神的な苦痛が大きかったのだろうと想像できた。
「納得いかないかもしれないが、受け入れることで今後サッカー選手として前向きに進めるのではないか」と勧めた川崎フロンターレ側は、大事な選手の選手生命を守るためにも、プレーを中断させるようなことがないようにとの親心からだったのだと思う。それでも、我那覇選手の「人間としてのプライド」は納得できなかったのだろう。

新聞の一問一答によれば、仲裁申し立てを決心した理由は「サッカー選手を辞めたあとも汚名を着て生きるのは悲しい。サッカー選手を目指したいと言う息子のためにも、堂々とサッカーができるようになりたい。」というものだった。
第三者機関への仲裁申し立ては、大きなリスクをはらむ。場合によっては、何年も試合出場停止が言い渡され、サッカー選手としての選手生命を断たれることになるかもしれない。それを覚悟しの決断。選手生命をかけるというリスクを払っても、この事件をきちんと納得のいく形で解決したいと思っているようだ。
「後ろめたさを抱えていては、真に前向きに生きられない」ということを知って行動にでた我那覇選手に尊敬の念さえ覚える。

このような我那覇選手の訴えに対して、Jリーグとしては、スポーツ仲裁裁判所(CAS)の仲裁であれば受けて立つとの見解を発表している。CASに申し立てするとなれば、CASに出頭したり、国際機関用の書類をつくったりと、1000万円以上の経費を我那覇選手が個人負担ししなけらばならないらしい。人気選手とはいえ、報酬の低いJリーグ選手にはその費用は大きい負担ではないだろうか。

今回の我那覇選手の事件は、本人が確信犯的に行うドーピングと違って、医療行為かどうかという判断の境界線上にあるようなことで、サッカーのみならず、他のスポーツでも起こりうることだろう。そのような意味では、多くのスポーツ選手にとっても他人事ではすまされない出来事ではないだろうか。できるだけ我那覇選手を支援してもらいたいと思う。


我那覇選手の勇気ある決断に、私が支援できることは残念ながら少ししかない。
ブログなどを通じて応援の気持ちをあらわすことと、ささやかなカンパくらいだ。
川崎フロンターレサポーターさんにお願い!カンパについて、具体的な方法などがわかれば教えて欲しい。(この記事のコメント欄に書いていただくか、トラックバックしてください。)本当にさささやかだが、ぜひともカンパさせてもらいたいと思っている。





Excite エキサイト : スポーツニュース
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by windowhead | 2007-12-07 15:14 | 紙のフットボール | Comments(4)

最近のサッカーニュースにあれこれ感じている今日この頃

まずは、今朝一番のグッドニュース!「セルティック」はチャンピオンズリーグの決勝トーナメント進出が決まった。
相変わらずアウエーでは負けばっかりの「セルティック」だけど、それでも2位に残るところがやはり「なにか」を持っているチームなんでしょう。2年連続の決勝トーナメント出場ということだ。来年もリーグ優勝してCLに出れると予備予選免除グループに入るんだよね、確か__。(追記:甘かった。本大会リーグ戦からの出場には、スコットランドのUEFAランキングが9位以内にならないと無理のようだ。今年は11位だったから予備予選3回戦からの出場になったんだっけ。)中村俊輔は残念ながら膝の治療中だが、決勝トーナメントには間に合ってほしい。俊輔のためにも、いっそのこと、バルサやレアルマドリーあたりと初戦対戦になってくれればいい。彼が今一番対戦したいのはスペインのチームなのではないかなあ。俊輔はスペインのチームに行きたいのではなく、スペインのチームと日常的に対戦してみたいのではないかと思っている。ただ、バルサやレアルと対戦してしまうと、彼の海外での目標の1つに区切りがつきそうで、気持ち的に日本に帰りやすくなるのではないかと、ヨーロッパでの活躍を期待するファンとしては複雑な気持ちになる。

俊輔がもし日本に帰るとなるとマリノスなんだろうけど、マリノスは監督はおろかコーチ陣まで総入れ替えの模様。水沼氏まではずすみたい。マリノスサポの人の話では早野監督、水沼裏監督みたいに水沼氏はマリノスの精神的支柱みたいなところがあったよう。それがはずれるということは、伝統一新ということなのか?ということは、古いマリノスのアイドル選手中村俊輔はいらないのかもしれない。いっそ、そう言ってくれ!

代表は、岡田氏に決まってしまった。
端からどうこう言っても、なんの影響力もないので様子をながめているしかなかったが、そんなに早く決めることもなかったろうに、というのが実感。少なくとも、オシムサッカーを継承するならコーチ陣から暫定的に昇格させて、じっくりと探して欲しかった。オシムサッカーと岡ちゃんサッカーのどこに類似性があるというのだろう。
モウリーニョがイングランド代表監督に色気を出しているようだ。だめもとでいいから、モウリーニョに声をかけるくらいやって欲しかったなあ。モウリーニョは将来はポルトガル代表監督をやるという夢があるらしいから、ならば、日本代表監督に、ポルトガル代表監督のフェリペおじさんを引き抜いてもよかったんでは…。
今回の日本代表監督はあまりにも無名すぎて悲しくなる。(岡ちゃん、日本じゃ有名でしょうが世界ではほとんど評価なしじゃん。)W杯は世界の戦い。監督名で注目されたり、威圧したりも大事なファクターと思うのだけどねえ。
こうなると、選手たちに、世界がぜひとも見たいという選手に育ってもらうしかない。


この冬のマーケットで海外移籍しそうなのは長谷部選手くらい?
それもちょっと寂しい。
中村俊輔が、以前雑誌インタビューで「海外に行くことを勧める。どんなに活躍できなくても、試合にでられなくても、海外での経験は絶対に大きい成長の基になると思う」と言っていたが、それを証明してくれたのが、鹿島の小笠原選手。
イタリアではほとんど出番はなく活躍できなかったが、鹿島に帰ってきてから鹿島躍進の中心になっている。内田選手が「小笠原選手は鹿島のおとうさん」と言ったのに、ジーンときた。代表でいつも不満たらたらのような顔をしていた小笠原に豊かな包容力とフォア ザ チーム精神をもたらしたのは海外での苦労にほかならないのではないかな。ジーコがたたかれてから鹿島は精神的にも大変だったと思うが、チームのスタイルを変えずに鹿島らしく戦って優勝したのに、心のどこかでエールを贈っている。


ザルツブルグの宮本常さまが、契約更新。
海外ではインテリゼンスやコミュニケーション能力も大きな武器。伊達に日本代表キャプテンを張っていたわけではない。ヒデ以外は全員戦犯扱いにされたW杯後、大きく成長していったのは一言も弁解せずサッカーに精進してきた選手たち。宮本もその一人。うまく戦犯を逃れた旅人だけは、自分を総括する場を持てないまま虚像を生きようとして漂っている。


浦和が大分の梅崎獲得に乗り出しているらしい。
FC東京の今野も取ると言っている?
お金があるチームだから、どんどん選手を取ることは可能だろうけど、ちゃんと使ってね。
無知で悪いんだけど、浦和にはユースはないのだろうか?これほどのビッグクラブだから育成組織はあるのだと思うけど、そこからあがってきた選手は使わないのだろうか?


ミランはインザーギで勝った。
きょうは、インザーギを目標にしているミラニスタ佐藤寿人の正念場。
アウエーで勝ってJ1生き残りに大きなアドバンテージを勝ち取って欲しい。


最後に、いいニュースがあった。
オシムさんの意識が回復したようだ。
第1声は、「試合は?」だったという。どの試合なのだろう。倒れる前に見ていたプレミアリーグの試合のことかな?それとも夢の中で日本代表と一緒に戦っていたのだろうか。
いずれにしろ、うれしいニュース。
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by windowhead | 2007-12-05 12:09 | 紙のフットボール | Comments(4)

日本の西海岸・長崎からのつぶやきはビンの中の手紙のように漂いながら誰かのもとへ


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