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悩むちから

日本に帰ってきたときに都内のホテルの高層階に泊まりました。朝、部屋の窓からラッシュの人の波を眺めていたときにふと、「みんな決めたとおりの道を急いで歩いているんだな」と思いました。通勤の経験がない僕なら、人とぶつからずにあんなに速く歩けるか自信がありません。
そんなことを考えたのは初めてでした。…後略(朝日新聞より)



思い立って溜まりに溜まった新聞をかたずけた。
そのとき偶然開いたページの短い文章が初々しくて心に沁みた。
このコラムの頭に引用した文章がその書き出し。
すでにお読みになっている人も多いと思う。
6月27日の朝日新聞・スポーツ欄に掲載された「急がず、つなごう」というサッカーの水野晃樹選手の小文だ。


足早に通勤する人の流れを眺めながら、彼は、トゥーロン国際大会で久しぶりに合流したU23日本代表でのプレーに思いを重ねる。

 日本の攻めがうまくいかないときは、どうも急ぎすぎなのです。しっかりつないで、形を作っていったときにはいい攻撃ができる。それなのにどうして急いでしまうのだろう。そういう反省が残りました。(朝日新聞より)

急ぎすぎなのが自分のことなのか、チーム全体のことなのか、はっきり書いてないが、彼も含めて全体的にそうだったのだろう。

振り返ってみれば水野晃樹のこの半年強は、大きな変化が押し寄せた半年だった。
2007年11月16日、水野の恩師でもあるオシム監督が倒れた。その6日後、彼はU-23代表スタメンで五輪出場を勝ち取った。そして翌1月、若手選手の労働ビザ取得が厳しい英国で、才能ある若手のための特別枠「エクセプショナルタレント枠」で労働ビザが下り、スコットランド名門セルティックに移籍した。
スコットランドリーグはJリーグよりランクが下だと根拠のないことを言う人たちもいるが、単純にFIFAランクを見ただけでも、スコットランドは、日本よりはるかに上位にいる。FIFAランキングは信用できないという人もいるが、それでも7月現在スコットランド16位、日本34位だ。10ランク以上の差がある。そのスコットランドリーグの最強チームに移籍したのだから、彼が思った以上にトップチームに上がるのは困難だった。
トップチームに上がれなかった挫折はあったが、セルティックで獲得した自己のプレーへの自信を抱えながら、水野はトゥーロン国際大会に挑んだ。ところが、トゥーロンで彼のプレーはチームにフィットしなかった。

「急がず、つなごう」というこの小文のタイトルに、彼が目指すサッカーの形がはっきりと見える。アタッキングエリアに入るまでは、できるだけシンプルにボールを回して攻撃を組み立てていき、アタッキングエリアに入ってから、得意のドリブルで駆け上がり、ゴール前に折り返しのパスを入れる、もしくはフィニッシュのシュートを打つ…。オシムさんの作ってきたチームもセルティックも連動して走り、点を取りにいく攻撃型のチームだ。
しかし、水野が日本を離れている間に、日本代表や五輪代表の戦い方がすこしづつ変わってきた。「連動して走り、点を取りにいくチーム」から「点を取られないチーム」への変化の風が、海外にいた水野には伝わりにくかったのかもしれない。

異文化の中で精一杯がんばって、やっと日本に帰ってきた。しかし、そこで感じた新たなギャップに戸惑い、悩んでいる。
高層ホテルの窓辺にたたずんで母国の日常を眺める水野の姿に、新たにコスモポリタンになってしまった22歳の若者の人恋しさと孤独感を感じる。
北京五輪に向けて期待されるアスリートの声を連載するコーナーに、場違いのような、悩める姿を正直に書いた水野晃樹に新鮮な感動を覚えた。


反町さんは五輪代表を選ぶ条件として、強いハートを第一に選んだと公言した。(あまりにも心配りのない発言に反町さんの人間としての幼稚さを感じたが。)
悩める水野は、強いハートには見えなかったのだろう。
しかし、他の選手が到達できない立場での悩みを体験した水野は、さらに豊かな人間性と強さを獲得していくことだろう。
セルティックに帰ってからの彼の写真付きメッセージでは、吹っ切れた笑顔が見える。膝の手術をした彼は、手術後のベッドの中から写真つきの近況報告をサイトに送ってきていた。心配してくれているファンに向けて、いち早く安心を届けようという心配りなのかな。

水野晃樹という若者がどのように成長するのかちょっと眺めていたいという気になっている。


水野選手の文章を全部読んで欲しいが、転載するわけにはいかないなあと困っていたら、asahi.comのサイトにその文章が掲載されていた。

読みたい方は、
asahi.com>北京五輪>コラム>VOICE OF STHLITE>から
# 急がず、つなごう 水野晃樹(6/27)
http://www2.asahi.com/olympic2008/column/TKY200806270186.html

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by windowhead | 2008-07-31 14:40 | 男たちの眺め | Comments(4)

少しは大事にしてあげて欲しいなあ~女子なんだよ

W杯3次予選のアウエー・オマーン戦を覚えています?
オマーンの夕刻5時30分キックオフ。気温34度だったか36度だったか。
日本の午後7時に放映された映像は、西に傾いた太陽が最後の力を振り絞ったようなギラギラ赤い日差しに包まれた日陰一つないスタジアム。ゲーム開始とたん、選手たちのユニフォームが水をかぶったように身体に張り付く。
その後の関係者やサッカー評論家たちの声は「とてもサッカーができるような気候条件ではない」とか「このような厳しい気候でサッカーをするのはばかげている」と言うものだったし、選手たちからも炎天下のオマーン戦の厳しさは語られていた。

7月29日午後4時、東京新宿の状況はどうなのだろうか。
今日の東京の最高気温は34度らしい。湿度40から50%
日没は18時48分。2時間後か!
熱中症指数:警戒、。汗かき指数:噴出すように汗が出てびっしょり。
アイスクリーム指数:90

まるで、あのときのオマーンみたい。

何が言いたいかって…。
この厳しい試合環境で、サッカーの試合があるんですよ。
それも女子。
キリンチャレンジカップ2008
なでしこジャパン(日本女子代表) vs アルゼンチン女子代表

男子でもサッカーするのはばかげているという環境で、女子に90分間戦わせるのか!
女子サッカーは、男子なんかよりずっとメダルに近いんですよ。
そんなメダル候補の女子サッカーが、メダルはおろか予選突破できるかしらん?の男子の前座みたいに、過酷な条件の中で戦い、男子が終わるまで帰ることもできず、スタンドに残る。(オーストラリア戦はそうだったね)
それに、文句のひとつも言わない女子サッカー選手たちは、日本の誉れです。
本当にお疲れ様です。

オグシオだの女子バレーだの盛り上がる五輪メディアのみなさんに、女子サッカー選手たちの取材を増やして欲しいとお願いした。

とにかく、今日は、調整の試合と言う程度に戦ってください。
けっして無理をしないでね、澤さん。
アルゼンチン代表の存在って、女子と男子ではぜんぜん違ったものです。
女子は、五輪本番でのメダルがかかっているんですから。

放送はBS朝日でしかないようですね。
あ、始まりました。
見ます、仕事そっちのけで、応援です。

せめて、五輪が終わったら、サッカー協会の肝いりでエステくらい行かせてあげて欲しいものです。
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by windowhead | 2008-07-29 16:05 | 紙のフットボール | Comments(0)

「日本経由中東行き」がトレンドなのかな??

なんでも今ブラジルは景気がいいらしい。
21日、2年ぶりにサックス奏者・加塩 人嗣
ボサノバシンガー・柳澤伸之のデュオ「TASTE OF MUSIC」のライブを堪能した。
ゲストは今回もブラジル音楽の第一人者、ドラムスの吉田和雄
吉田さんは、日本よりブラジルでのほうが有名なミュージシャン。音楽プロデュースや演奏のために年に何度もブラジル日本を行き来している人。
その吉田さんの話では、ブラジルはバイオ燃料など独自の産業が世界から注目され、今好景気にあるらしい。ブラジルという国がとっても元気に盛り上がっているらしいのだ。

なんとなくその「勢い」みたいなのは感じる。
たとえば、北京オリンピックでのサッカーブラジル代表のニュースにそれを感じる。
ぜひとも優勝したいという空気が前回よりずっと強い。そのノリは選手にも飛び火しているようで、ロナウジーニョやロビーニョなどが参加したいと言って所属クラブともめたり、ジエゴが所属クラブ「ブレーメン」の反対を押し切り勝手に代表合宿に参加したので「ブレーメン」はCASに申し立てするらしいなどなど…。選手たちが高額な報酬を支払ってもらっている欧州のチームに楯突いても代表に合流している。まあ、彼らはスター選手を自認しているので、チームがいやというなら移籍してもいいぞ~なんて脅しているような感じがする。
今は、高額なギャラを払うチームは、欧州だけでなく、ロシアやトルコや中東にだってあるんだからねえ…。


昨日、ガンバ大阪のバレー選手がUAEのアルアハリに移籍したいと申し出たというニュースを聞いた。なんでも移籍金10億円、年俸5億円(いずれも推定=スポニチ)の好条件らしい。これにはガンバも引きとめようがない。
東京ヴェルディのフッキも、今は婚約者の出産とかでブラジルに一時帰国しているが、恐らくそのまま再来日せず、中東かどこかに高額で移籍するだろうと言われている。
昨年は、まさかまさかのマグノアウベスのばっくれ移籍があった。これも中東。
その前は……、2005年の浦和のエメルソンのアル・サッドへのばっくれ移籍あたりから、日本で活躍するブラジル人選手を中東チームが引き抜くというケースが多くなっている気がする。
ブラジル人選手の移籍は、以前からもあったが、その多くはヨーロッパだったり、ブラジルに帰ったりだったので、気持ちよく送り出すというものだったが、最近は、シーズンが始まっても日本に合流しないなあと思っていたら、いつのまにか中東の選手になっているよ!という、なんとも後味の悪い分かれ方。
まあ、お金目当てで日本に来た選手たちだから、お金の多いほうに行くのは彼らの常識なのだろうから、行くなとは言わないがファンに挨拶ぐらいはしていけよ!と、お局様根性で叱りたくなる。
エメルソンやマグノアウベスに比べたら、お伺いを立てるバレーはかわいいさ。気持ちよく出してあげようという気にはなる。

しかし彼らとは、いつかアジアチャンピオンズリーグでぶつかったり、彼らがその国に帰化したらW杯予選でぶつかることだってある。それよりなにより日本のクラブチームや代表の選手のノウハウやデータが一緒に流出することは避けられないよね。
「日本経由中東行き」は、ブラジルの中位レベルのサッカー選手の間でトレンドなのかなあ。ちょっと複雑。
そんな好景気で選手を集めたがっている中東チームから日本人選手にオファーがこないのも、ちょっと寂しい。
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by windowhead | 2008-07-23 17:00 | 紙のフットボール | Comments(0)

セルティックモード、スイッチ・オン

そろそろ中村俊輔がスコットランドに帰るころかな。
「シュンスケ」から「ナカ」に変わる。
いや、もしかしたら「ナカ」が普通で日本代表のときだけ「シュンスケ」なんだろう。W杯3次予選時の中東の空港でも「ナカ」と呼ばれて握手をもとめられていたと雑誌にもかかれていた。

ということで、ファンとしては日本モードからセルティックモードに切り替えの時期。
早速、セルティックのサイトをチェックしてみた。

新しいシーズンのユニフォームが発表されていた。
緑と白のホーム用ユニは、襟元がVネックになっている。
なんでも衿ぐりに「大切なのは人種や宗教ではない、大切なのはその人だ」みたいな言葉が書かれているらしい。ケルト人の誇りのようなチームも最近は多国籍軍になりつつあるので、チームのポリシーとして織り込んだのだろうか。
アウエーユニは、濃い黄色のシャツとグリーンのショーツ。なんかブラジルみたい。シュンスケには似合わなそう~~。

うれしいことに、GKのボルツが移籍していないようだ。心強い。ミランが欲しがっているとの噂がシーズン終わりにはでていたが、ミランもロナウジーニョでお金使ったから、ボルツ獲得までお金が回らなかったのかな?よかった、よかった。
なんでもオージー、スコット・マクドナルドの奴がラーションがつけていた7番を背負うらしい。背番号に見合った得点しろよ!
いまのところセルティックは、サマラスの完全移籍ともう1人取ったくらいで、あまり大きな選手の動きはなさそう。

ゴードン・ストラカン監督は「リーグで一番走るチーム」を作り上げようとしているらしい。
かなりハードなトレーニングがつづいているとハートリーが語っていた。
中村俊輔を開花させた監督だから、少々のポカ采配があっても、信じている。
走るチームであれば、水野君も特徴がいかせるはず。
今年もチャンピオンズリーグで戦う「ナカ」が見られる幸せに感謝!!
それにしてもセルティックのホームページって、情報量も多く、多岐にわたっていて読み応えがある。もちろん日本語版がですよ。たった2人の日本人選手の母国に向けてこれだけのサイトを創ってくれるチームなんですよね。それだけこの2人が稼げるってことなんでしょうが。

あと1ヶ月たらずで欧州の各リーグが開幕する。
五輪話で持ちきりの日本で、ひっそりと欧州サッカー開幕を楽むことになりそう。
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by windowhead | 2008-07-17 17:21 | 紙のフットボール | Comments(0)

梅崎選手、柏木選手、水野選手の気持ちを読む

たかがブログだが、時々ものすごく気持ちを揺さぶるものに出会う。
サッカー五輪代表選出で選にもれた3人の選手のブログに久々こみ上げるものを感じた。

14日の発表後にそれぞれのブログに書かれた梅崎司,柏木陽介の気持ち、そして少し前の水野晃樹の気持ち。


今回の五輪代表選出で大方の予測を裏切ったのが、エスパルスの青山とレッズの梅崎の落選だろう。
その梅崎司選手のブログには「無題」として落選時の自分の気持ちが書かれている。
最後まで自信を持って選考にのぞみ、落選してしまったくやしさがにじみ出ている。
それでも健気に、気持ちと目標の切り替えを宣言し、応援してくれたファンに謝罪する長崎出身の21歳。
アテネ五輪候補で同じように最後に落選した鈴木啓太や2002W杯メンバーにもれた中村俊輔の、成長した現在の姿が梅崎の希望につながっている。
梅崎選手のブログで驚いたのは、この文章に対して2600件を超えるコメントが寄せられていることだ。
ほとんどすべてが梅崎選手への応援メッセージ。
いかに多くの人が梅崎選手の選出に期待し、落選に驚いたかがわかる。
代わって選ばれた選手たちは梅崎の悔しさにあわせてこの2600人の気持ちも背負うんだねぇ。


柏木陽介選手のブログ、「こんばんは」というタイトルが彼のいっぱいいっぱいの気持ちを物語る。
最終予選で輝いた彼はチームのJ2降格や自身の怪我という不幸を乗り越えてやっと今期得点するまでに回復してきた。しかし代表には残れなかった。
最後に残れなかった自分の存在は意味があったのか?と自問し、意味があったと思いたい、バトンタッチしたんだと自分に言い聞かせている。
柏木選手の文章にも900件を超えるコメントが寄せられている。
そのコメントに数多くあるのが、最終予選での柏木のプレーに魅了されて五輪代表を応援するようになったという内容だ。
普段は甘えん坊でやんちゃな人気者柏木だからコメントの多くは女の子からだが、中に間違いなくそれなりの年を重ねた男性からのメッセージがあった。柏木様で始まるメッセージには、「見ている者の立場から言わせていただきます。あなたのプレーには魅力があります。見ていて楽しいです。」と書かれていた。
サッカーに興味が無かった人をサッカーファンにしてしまうほど最終予選での柏木のプレーは魅力的だったのだ。その彼も北京には立てない。


すでに最終合宿に選ばれなかったためスコットランドに帰って行った水野選手からのメッセージにツーンとこみ上げる切なさを感じた。
失意を抱えながら日本人のいない(俊輔の合流は遅くなるため)海外のチームに合流する水野の心細さは想像して余りある。
そんな彼はスコットランドまでのフライト時に「オシムの言葉」を読んでいた。
彼を育ててくれた恩師が体験した過酷な人生。そこから導き出された数多くの示唆にあふれる言葉。
今の水野選手にとってオシムの教えこそが、唯一の大きなの心の支えなのだろう。
日本人には想像しにくいがヨーロッパサッカー界でオシムさんの存在は大きい。先日のユーロでも、観戦するオシムさんのところに、プラティニやベッケンバウアーがわざわざ足を運んで挨拶に訪れていたと、現地取材記事に書かれていたほどだ。
そのオシムさんが将来性を見越して育てた一人が水野なのだから、五輪落選なんかでへこんではいられない。


予選の一番苦しい部分を戦い抜いて北京への切符を勝ち取った彼らは、間違いなく代表に選ばれた選手たちよりすばらしく感動的な存在だ。自信をもってリスタートしてほしい。
代表に選ばれたチームはまだ最終予選のように何かをかけた厳しい戦いを経験していない。北京で最終予選以上の戦いを見せて初めて彼らと並ぶと思ってほしい。ここがスタートライン。
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by windowhead | 2008-07-16 15:50 | 紙のフットボール | Comments(0)

五輪代表が決まったけれど…

発表メンバーを見て、とても複雑な気持ちになっている。

グループ1位のみしか出場できないと言う、ある意味Wカップ予選より厳しい予選を必死で戦い抜いてきた印象的な選手たちの顔が見当たらない。
あの11月の国立で反町さんと一緒に予選通過を喜んだスターティングメンバーの選手たちの多くが代表メンバーにいない。まるで、バックアップメンバーで作ったチーム。

青山(直)、水野、家永、カレン、平山、青山(敏)、伊野波、柏木、梅崎たちの名前が発表されたメンバーになかった。
もっとも驚いたのはDFの青山(直)の落選。
彼はチームの守備の中心。チームを纏める柱の一人と思っていた。はっきり言って、水本は落ちても青山はのこるだろうと思っていたのだが、彼のように落ち着いた雰囲気の選手は、反町さんが言うところのハートが足りないとみえるのだろうか。

昨年11月の国立で、やっと頼もしい代表に成長したなあと思わせてくれたあのチームの晴れ舞台になると思っていた。だからこそ、あえてOA枠を使わずに、さらに頼もしく成長してもらいたいと思っていたのだが…。

代表チームというのは流動的なものなのだから、このメンバーが反町さんが最も期待できる選手たちだというのなら、そうなのだろう。
今回の最終メンバーは、まるで違った新しいチーム。
いまから25日でチームを作るつもりなのだろうか。
中盤に水野、柏木、梅崎のような視野の広い選手がいない。香川がその役目なのだろうか。香川はそれほど優れたパフォーマンスを見せていたのだろうか。
怪我明けから1試合、それも半分しか出ていない長友を選んだ理由は。同じ怪我明けでも数試合出場してパフォーマンスの上がっている柏木は選ばれていないのに。
新しいディフェンス陣の連携は20日程度で出来上がるのだろうか。
チームの頭脳になる選手はだれなのだろう。
はっきり言って、このチームの強さの核が見えてこない。


今回の五輪代表のユニフォームから、「ヤタガラス」が消えるらしい。
そうか…、予選のピッチを縦横無尽に風のように走っていた柏木、水野、梅崎とともに「ヤタガラス」が消えるというのもなにか象徴的だ。

胸に「ヤタガラス」ではなく「日の丸」をつけたチーム。
五輪の場には、これまで愛着をもって応援してきたチームとは別のチームが立つのだ。
ただ、ずっと応援してきた西川くんや李くんがいる。
もちろん、彼らがいるチームだから応援するつもりだ。

しかし、それと同じくらい、いやもっと強い思いで、予選を勝ち取ってくれたチームを記憶に留めるつもりだ。
特に2人の青山の危機回避能力の高さや安心感、柏木と水野のファンタジーはしっかりと記憶に刻まれている。彼らの今後の活躍をぜひとも見続けて応援していきたいと思っている。


予選を勝ち抜いてきたチームは、今回の最終代表チームに勝るとも劣らないチームだったと思っている。
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by windowhead | 2008-07-15 11:20 | 紙のフットボール | Comments(0)

僕を、未来の日本サッカー界の進化のための実験台にしてほしい。<中村俊輔

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「察知力」  中村俊輔  幻冬社新書

1ヶ月で13万部越えのベストセラーになっているらしい。
6月初め購入したときは初版だったが、今は第5版が書店に並んでいる。すごいなあ。

日本中の期待を背負いながらまさかのW杯代表落ち。
海外移籍し日本代表でも実績をあげながら挑んだW杯で叩きのめされ戦犯あつかい。
それから3ヵ月後の欧州チャンピオンズリーグで不死鳥のように蘇り、スコティッシュプレミアリーグのMVP…。
何度も何度も叩きのめされ、行くてに大きな壁が立ちふさがる。そんな試練をどう乗り切っていったのか…、人生の辛苦をかみ締めている大人たちだって、中村俊輔の戦いとメンタリティーには、興味があったはずだ。しかし、「中村俊輔が気になる」と言うと、自称サッカー通たちからばかにされそうで、彼のインタビューが掲載されているサッカー雑誌に手をのばすことができなかった中高年サラリーマンも多かったと思う。そんな人たちにとっても待望の1冊だろう。
新書版というスタイルと「察知力」というタイトルは、そんな大人たちに向けての中村俊輔なりの気配りなのかもしれない。

もちろん、サッカーファンや俊輔ファンはさらに楽しめる。
中村俊輔独特の具体的で平易な語り口で書かれているので、中学生でも十分理解できると思う。


相変わらず中村俊輔の頭の中はサッカーでいっぱいのようだ。
しかし、昔と少し違うのは、強化する対象が自分から日本になっているところだ。日本代表が世界の強豪に勝つためにどうすればいいか、彼は自分を実験台にしてそのデーターを集めているのだ。

僕は、未来の日本サッカー界の進化のための実験台のようなものだと思うことがある。身体的に恵まれているとはいえない僕がヨーロッパのリーグでプレーし、チャンピオンズリーグを戦っている。そのためにどんなことに悩み、何を考え、日々を過ごしているのか?それが貴重な研究資料になればいいな、と。(「察知力」第1章より引用)

人は、それなりに成功すれば偶像になりたがるものだ。本人がそうでなくても廻りがどんどん偶像化していく。しかし、中村俊輔は、実験台であり研究資料になれるといいなと言う。
彼にとってサッカーは成功への踏み台ではなく、日常なのだろう。だから日本のサッカーの進化と言う流れからみると、自分もその通過点の1つだと自然に考えられるのだろう。


日本を強くするための考え方や実践は、最近の彼のプレーと合わせてみると、理解しやすい。
自分が考えた「日本人の特性を活かしたサッカー」はオシム前監督のサッカーとよく似ていたという。
そのオシムさんに召集され、アジアカップをともに戦い、オーストリア遠征で手ごたえを感じた矢先にオシム監督がたおれてしまう。この間の悪さも中村俊輔らしい。
岡田監督に変わり、スローガンや戦術がコロコロ変わっても、今の中村俊輔の軸はぶれない。W杯で勝つために、欧州で獲得したノウハウを惜しげもなく日本代表に伝えていこうとする姿は先日のW杯予選でも実際に見られていた。


最近の中村俊輔は、この本で自ら語っているように日本でプレーしていたころの彼とはずいぶん違ったキャラクターになっている。
線の細い天才肌の若者から父性をそなえたナチュラルな人物に成長している。
おそらく海外移籍による様々な経験が彼の豊かな人間性を育てたのだろう。海外の日常生活に溶け込むにも、新しいチームでプレーするにも、いつも相手を知り、自分を知り、そのために何をすべきかを考えて実践してきたという。
年齢のわりには幼かった社会人としてのコミュニケーション能力を少しづつ積み上げ、生活者としての日常を楽しめるようになった自己の成長を素直に喜んでいる姿がほほえましい。


「慢心すると人に抜かれ置いていかれそうでこわい」という臆病なセコさと、それを取り繕うことなく曝け出す正直な大胆さ。このアンビバレントが中村俊輔の庶民的な魅力の根源なのだろう。
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by windowhead | 2008-07-12 07:33 | 至福の観・聞・読 | Comments(2)

心配です…。

ガンバ大阪の遠藤選手が、高熱が続いて入院中のようだ。
7月2日に公式ニュースリリースで「検査入院」と発表されていたが、その後の経過はどうなのだろう。心配だ。
ガンバ大阪の中心選手、日本代表でもほぼフル出場、さらに今年のガンバはACLも戦っている。Jリーグがシーズンオフでも代表合宿などがあり、2006年の病気明けから、ほとんどまとまった休みなしの状態だったのだろう。
前の病気がぶり返してなければいいのだけど…。

今シーズン初めには、同じように高熱がつづいてレッズの鈴木啓太選手が長期離脱した。鈴木選手もレッズ、昨年のACL,日本代表と休みなくがんばってきた選手だった。昨シーズンは中村俊輔選手も2006年W杯前からの慢性的な休みなし状況で、痛んだ箇所が回復する暇もなくその箇所が悪化して2ヶ月半の長期離脱になった。

日本代表の選手たちは、ほとんどがオーバーワーク状態にあるのだろう。
とても気になるのが中澤選手だ。
彼も毎試合毎試合全身全霊、身体中の力を振り絞ってがんばっているように見える。だからこそ、いつか倒れるのではないかと心配になっている。
遠藤選手についていうなら、五輪などどうでもいい。きちんと休んで健康回復してほしい。


心配と言えば、川渕キャプテンの後釜問題。
2日には小倉副会長が有力候補と言われていたが、突如「協会新会長に犬飼氏濃厚」なんて記事が出てきた。犬飼さんといえば、元浦和レッズの社長。さらに、昨年ACL出場のためレギュラー選手数人を休ませた川崎フロンターレに対して「ベストメンバー規定に抵触する」といちゃもん付けた御仁だ。それもサポーターがあたかもそう言っているような表現をして川崎サポーターのみならす、多くのJリーグサポーターから抗議を受けたあのJリーグ専務理事さんなのよね。
そんな人があの川渕さんの後釜に座る公算が大きくなった。似たもの同志が入れ替わるだけ。さらに、川渕さんはキャプテンと名乗るのは自分だけ!なんて言っている。院政でもしくつもりなのか知らん。
選手を大切にしてくれる人が選任されて欲しいと思わずにいられない。


さらにさらに、大いなる心配事がある。
これは、まあ女性目線な心配なのだけど…。
FC東京とジェフ千葉戦を録画で見た。
今年、フロンターレから佐原選手がFC東京にレンタル移籍したということで、それまで気がけてゲームをみたこともなかったFC東京のゲームを見た。するとすると、ワクワクするようなサッカーをするチームだった。それ以来、録画でも必ずFC東京のゲームを見ている。
で、佐原選手が味方選手のキックした足とごっつんこして目の上やら額やら切った模様。顔半分に赤い蜘蛛の巣を付けた様に血が流れていた。ユーロ決勝のバラックどころじゃない出血。でも包帯で頭をぐるぐる巻きにして戦列に復帰し、その頭で果敢に競り合ったりしていたのには驚いた。
それはいい、それより気になるのはあの包帯。
あれはテーピングテープのようなものなのかしら。べたべたの度合いはどれくらい?それが気になる。
なぜなら、佐原選手のサラサラヘアにじかに巻きつけられている模様。はがすときにくっついた髪の毛はどうなるの?もしかして佐原選手はトレードマークのサラサラヘアーを短くする羽目に……。それは困る。徳永みたいな、平山みたいな髪の佐原なんて、想像できるか?
佐原選手の髪がどうなったのか?これも心配事のひとつ。
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by windowhead | 2008-07-04 16:49 | 紙のフットボール | Comments(0)

水野君がグラスゴーに飛び立ったようだ。

セルティックも8月10日開幕の08-09シーズンに向けて、練習が始まるようだ。
残念ながら五輪代表からもれてしまった水野晃樹君も気持ちを切り替えてグラスゴーに旅立ったらしい。
五輪出場をかけてチームの中心メンバーとして予選を戦い続け、自分の手で獲得した出場権なのに、その晴れの舞台に立たれない悔しさと失望はどれほどだっただろう。彼の心象を思いやると心が痛む。しかし、代表とはそんなものだ。限られた人数しか出られない。その時点で最も活躍できそうな状態にある選手を選ぶことになる。そういえば、水野君のいとこにあたるレッズの鈴木啓太選手もアテネ五輪代表で同じ運命にみまわれている。

Jリーグではチームの要の一人で若手有望株だった水野君だが、彼がすぐさまトップチームに上がれるほどセルティックはたやすいチームではなかった。本田君が行ったオランダのVVVとセルティックでは、はなから格が違う。水野君はそれほど厳しい環境に飛び込んだのだから、それは本人も納得のことだろう。
海外移籍で代表と一緒にプレーする時間が少なかったことと、トップチームに上がれなかったことで試合経験が減ったことへの水野君自身の不安がトゥーロンでの彼のプレーに出てしまったのだと思っている。
反町監督にしても、遠く欧州でレギュラー入りを狙う選手より、Jリーグで安定している梅崎君のほうが招集しやすいし、状態の把握もしやすい。まして今回の五輪は日本に近い北京だ。Jリーグの選手のほうがコンディションも維持しやすいという判断もあったのだろう。OAにゲームメーカーの遠藤選手を選んだことも、少しは影響したのかもしれない。
いずれにしろ、水野君が劣っていたわけではないと思う。

五輪は残念だったが、水野君にはすぐさま大きなチャンスがある。
セルティックはチャンピオンズリーグへの出場権を持っている。北京五輪より大きな舞台が用意されているのだ。そのためには五輪代表以上の努力とアピールが必要になるが、可能性がないわけではない。中村俊輔選手やエイダン・マクギディ選手のポジションを掻っ攫うつもりでがんばって欲しい。

彼は日本を発つ前に「A代表入りとチャンピオンズリーグ出場という目標がある。切り替えてがんばる」と言い残したそうだ。
そうだよ、水野君は海外移籍した時点で、U-23などその国の年代別代表でなく、A代表を競うポジションにスライドしたと思ったほうがいい。メッシだってセスクだってU-23世代だが北京五輪代表ではない。彼らと同じフィールドに乗っているのだと意識して、ぜひとも08-09シーズンのチャンピオンズリーグの舞台に登場して欲しい。
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by windowhead | 2008-07-03 12:11 | 紙のフットボール | Comments(3)

日本の西海岸・長崎からのつぶやきはビンの中の手紙のように漂いながら誰かのもとへ


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