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草履、知ってますか?

先日、成人式の着付けのサポートをしたときのお話。

振袖専門店の着付けには、早朝から何十人ものお嬢さんたちが駆けつける。
美容院でヘアメイクを決めて、私服のままで来場するのだけど、事前に連絡をしているためか、さすがにかぶりのセーターなどで来る人は少なかった。けれど袖がぴっちりの細身のカットソーやネップがあって糸や繊維が引っかかりそうな服の娘は困った。こんな娘にかぎって、ごっついネイルをしている。それも美容院でヘアと同時に付けて来ているのでまだ乾いていない。服の袖にひっかかって、ネイルがはずれる子、いと多し。

ネイルの子は、足袋がはけない。こはぜが止められない。靴がはけない赤ちゃんみたいに着付け士さんに足袋をはかせてもらっている。裾よけがはたげても気にせず…開けっぴろげっていうのか……。

着物や小物の準備の仕方で、なんとなくその子のバックグランドが垣間見えたりする。
前撮りのときに脱いだままなのか、ぐちゃぐちゃに突っ込まれた腰紐類、着物や長じゅばんが袖たたみしてあって、変なしわができていたりする。
すでにお母様の世代が着物を着なくなっているので、着物の手入れやたたみ方を知らないままなのか。

振袖は高価な新品なのだが、小物がお母様の時代のもの。それはそれでいいのだけれど、汗しみや手垢、カビで薄汚れた帯板や腰紐、ゴムののびきったコーリンベルトなど、振袖とのギャップが激しい
お母様のお古が悪いのではない。手入れがされていないのが残念だし、着付けをしてもらうと言うことは、その品物を他人が見ると言うこと。汚れたものを他人から見られることを恥ずかしいと感じないのだと、カルチャーショック。
私のとき、母は小物や肌着、当日付けていく下着にやたらと口出ししていたのを覚えている。補正のタオルまでみんな新品。たった1回しか使わないのになんでそこまで新品にするのかというと、「親が笑われる」とピシャリ。その言葉に、当時は「体面ばかりつくろって見栄っ張りだなあ」と、生意気にも母親を見下したりしたが、今回の体験で母親の準備は、見栄でなく、着付けをしてくれる人が気持ちよくしてくれるための気配りなのだと、分かった。
この気配りが日本文化の礎なんだなあ。

それから、それから、振袖で装うなら、せめて身に着けるものの名前は知っていて欲しかった。
嘘みたいな話だが「草履(ぞうり)」という名前を知らない子の多いこと!
「下駄」「スリッパ」とよばれては「ぞうり」が可哀相。

私たちの日常生活の中から、日本文化や日本らしい気配りが急速に消えているようで、ちょっとショック。
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by windowhead | 2009-01-16 00:54 | 日日抄 | Comments(1)

文化の香のするサッカー選手(荻晃太選手)

Jリーグでは、我那覇選手や永井雄一郎選手などチームの顔の移籍が決っている。
そんなビッグネームではないけれど、とても好感を持てる選手が、1年間レンタル移籍していたFC東京からJ2甲府に移籍する。
ゴールキーパーの荻晃太選手。

彼のプレーはたった1回しか見るチャンスがなかった。
それでも気になるのは、彼のプロフィールやオフシャルサイトにあるリレーブログの文章がとても魅力的だったから。
文系の感性というか、細やかな観察眼と独特の表現力を持った人だなあと、この人の書いたものやインタビューを楽しみに読んでいた。

詩を読むのが好きだというこの選手は、プロフィールの好きな言葉に、「雨は一人だけに降りそそぐわけではない」というヘンリー・ワーズワース・ロングフェローという詩人の詩のワンフレーズを書いている。
ワーズワースといっても、「山のあなた」や「すいせん」などの詩で知られるイギリスの詩人ワーズワースではなく、アメリカの国民的詩人のようだが、実は私もこの詩人を知らなかった。
ただ、荻選手がこの詩人のことを書いてくれたおかげで、思いがけない発見もあった。。
以前興味深く読んだ「ロングフェロー日本滞在記―明治初年、アメリカ青年の見たニッポン」の著者で、明治維新の日本を北海道から長崎まで旅して回ったチャールズ・アップルトン・ロングフェローはこの、ヘンリー・ワーズワース・ロングフェローの息子だったことを知った。

また、彼は、ポール・ハギスの脚本が好きだと書いていた。映画「告発のとき」を見に行ったとも書いていた。ポール・ハギスといえば「クラッシュ」や「硫黄島からの手紙」を書いた脚本家兼監督。その作品は人間の本質にせまる重いテーマのものが多い。
知的で文化の香のする趣味をもつ、気さくで心根のやさしい人柄のゴールキーパー君。
その彼が、FC東京のオフシャルサイトに残した最後のコメントも、心に響く彼らしい文章だった。
http://www.fctokyo.co.jp/home/index.phtml?cont=item&item=7181

甲府では、ぜひとも正キーパーの座を獲得して欲しい。
そして、できればその細やかな観察眼と表現力を活かしてブログでも始めて欲しいと思っている。
彼の文章は、読む人を幸せな気分にさせ、楽しませる魅力をもっているのだから。
荻選手がいるというだけで、広島がぬけたJ2にも楽しみができたみたい。
応援するからね!



荻晃太選手の魅力が伝わるサイトhttp://www.182ch.net/fctokyo/tokyomania29.html
FC東京ゴールキーパー日記http://www.fctokyo.co.jp/blog/2008.html?d=20081003
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by windowhead | 2009-01-11 02:36 | 紙のフットボール | Comments(2)

日本の西海岸・長崎からのつぶやきはビンの中の手紙のように漂いながら誰かのもとへ


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