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あるかもしれない!肥前名護屋城シーン(大河「真田丸」)

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朝っぱらから大河「真田丸」関連番組 外伝「真田家の運命を変えた男たち」が放送された。石田三成役の山本耕史や加藤清正役の新井浩文たちが舞台となった土地を訪ね知られざるエピソードを紹介する番組だったが、すごくおもしろかった。
こんな番組は、アッと思うようなことを確認させてくれてうれしい。
今回もまさかと思っていたけど案外ドラマで重要な設定になりそうな予感の場所が出てきた。
「肥前名護屋城」
秀吉の朝鮮出兵の本拠地として佐賀県唐津市の玄界灘に突き出した半島の突端に作られたお城。いや、お城というより軍事都市。大阪城規模の城をほぼ1年で(と言われているが調べてみるとその前から準備されていたようだ)作ったと言われている。この城を中心とした半径3キロほどの場所に諸国大名たちの陣屋や商人たちの店や娯楽の場などがひしめき、ほんの数年間だが豪華絢爛な桃山文化が花開いた場所でもある。
真田氏もこの土地に複数の陣屋を構えてる。ただ、真田氏など関東勢は戦場に渡ることなくあと詰めだったので、ドラマでもあまり重要視されないだろうと踏んでいた。しかし、脚本が三谷幸喜だ!グランドホテル型の群集劇が大好きな三谷幸喜なら戦場シーンより名護屋城での人間模様を選びそうだ。そうなると個人的にはうれしい。

実は既刊の書籍「真田丸を歩く」で私が執筆を担当した場所が「肥前名護屋城跡」だったから。
真田一族に関連した歴史紀行本になるとの連絡がきた時、九州はあまり関係ないからこの企画はお休みだなと思っていたら「九州在住だから肥前名護屋城に執筆お願いしますよ」とのお達しをいただき、重い腰をあげて取材したのが昨年の夏だったかな。戦国時代は守備範囲でないし、真田は考えてもいなかったのでなかなか手こずった。いつも執筆依頼がくるときは関係人物に思い入れをして史料探しなどするが、今回はそんな人物もおらず向かったが、ある意味圧倒される場所だった。本当に「強者どもの夢の跡」とはこの地をいうんだなあという風景なのだ。そこに立って豪華絢爛な花見や茶会や能楽に耽る武将たちの姿を思い浮かべると跡地の荒涼感がさらに増してくる。
交通の便がいいとは言えない場所だが、歴史旅が好きな方にはぜひ足を踏み入れてほしい場所だ。
歴史研究愛好家たちが集まって執筆担当した「真田丸を歩く」(星亮一 編/歴史塾 著 現代書館発行 1800円+税)発行されて半年になるがまだ書店に並んでいる。
重版出来は無理だがなにとぞ前回の本のように完売しますように。

今話をもらっている本は幕末物。サッカー好きの私はやっぱり幕末の群像物が向いている気がする。
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by windowhead | 2016-05-06 14:01 | 至福の観・聞・読 | Comments(0)

執筆本「真田丸を歩く」皆さんよろしく

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この夏に書いた原稿が掲載された本が店頭に並んだ。
「真田丸を歩く」 歴史塾著 星亮一編 現代出版  定価1800円+税

来春からのNHK大河ドラマは「真田丸」。
真田信繁(幸村)が主人公で真田一族の物語のようだ。
真田一族に関係する場所を探訪する歴史ガイド本になっている。
とは言っても、歴史研究者や歴史探訪愛好者が書く本だから、「るるぶ」みたいにカラフルだったり、美味しそうだったりする本ではない。文字ばっかりの地味な本。でも歴史好きには間違いなく面白いと思う。
残念ながら九州にはあまり関係ない大河になりそうで、今回の執筆は無さそうだと高をくくっていたら、ありました九州にも真田の足跡が。
ということで、秀吉の朝鮮出兵と肥前名護屋城跡について取材した。
この場所が大河ドラマでも出てきますように…。
著者の立場では、出版されたときはもうその原稿は過去のもので、実際に本になったものをじっくりと愛おしんで読むという機会は少ない。まずは、自分が書いた部分より、他の仲間の方々が書いたものに興味がいく。自分が見つけられなかった新しい発見や切り口があると、やられたなと思うし、ワクワクする。
一冊の本の一部を書くだけだが、知識が少ないから資料やかかった時間はそれなりに大きかった。
得意分野外の時代だったけど、
「真田一族、おもしろいわ〜〜」

大河ドラマ「真田丸」の脚本は三谷幸喜氏。絶対に面白いものになるはず。
真田丸に関しては、講談「真田十勇士」を聞くくらいワクワクする「お話」に仕立ててほしい。
史実にこだわりすぎて重箱の隅をつつくような批判が出てくるはずだが、そんなものぶっ飛ばして猿飛佐助や霧隠才蔵の忍術がでてくるくらいまでぶっ飛んでほしいなあ。

来年の大河ドラマは見逃したくないほど楽しみにしているが、ちょっと困っている。
日曜日の午後8時は、J2の試合とかぶるのだ。
お昼の試合ならなんとかなるが、16時以降に開始される試合だと…無理。
とりあえずリアルタイムはサッカーが優先の日曜午後8時になりそうだけど。
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by windowhead | 2015-12-16 09:32 | 至福の観・聞・読 | Comments(0)

またひとり…

作家の杉本章子さんが亡くなった。
またひとり、幕末、文明開化の情緒を物語として伝えてくれた作家さんが逝ってしまった。
ついこの前、11月に宇江佐真理さんが亡くなって、その喪失感に陥ったばかりだった。
杉本章子さんまでも…。まだ62歳だった。
彼女の代表作「東京新大橋雨中図」は私の中では忘れられない本のひとつ。
時代の転換期に古臭いものとして切り捨てられるものたちのあがきとそれらが持つ消えゆく故の美しさのようなものを浮かび上がらせてくれた一冊だ。
最後の浮世絵師・小林清親の絵の存在を教えてくれた本でもある。
過去にもこのブログで書いた記憶があったので探してみた。
「東京新大橋雨中図」文明開化に江戸を描いた元幕臣の半生
「情緒」が書ける作家さんが少なくなっていく。

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杉本さんの訃報が書かれた新聞の隣ページに気持ちが高まる記事があった。
松平容保公の肖像写真が青森で発見されたという。
断髪で紋付袴姿の容保公の写真が添えられていた。
戊辰戦争で敗れ、新政府の憎悪を一身に背負う形となった会津藩の藩主。降伏後、領地は没収となり容保公は東京で幽閉されていたが、明治4年、斗南藩あづかりとなって青森に滞在した。その頃旧藩士に渡した写真ではないかとのこと。青森在住の旧会津藩士子孫の方宅から見つかったそうだ。
歴史的な史料の発見にしては記事が淡々としている。でもそれが旧幕派の姿には似つかわしく、私のように旧幕派の人々の跡を追っているものにはありがたくもある。
記事を切り取って静かに眺める。
幕末・文明開化の人々に想いを馳せる1日だった。
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by windowhead | 2015-12-08 07:28 | 長崎と幕末維新 | Comments(0)

「孤高の守護神==ゴールキーパー進化論」

世間は、降ってわいたようなラグビーブームだ。
昔こんな話を聞いた「イギリスのラグビー校で、サッカーの試合中にとっさにボールを持って走った少年がいて、それがラグビーの始まり」って。
でも実はちょっと違うらしい。その子がボール持って走ったのは今のスタイルのサッカー(アソシエーションフットボール)ではなくて、英国の原始的なフットボールで、手を使ってもいいルールのフットボールもあったらしい。ただ持って前に走るのは禁止だったとか。だから、ラグビーはサッカーから派生したのではなく、地域によっていろんなルールがあった初期のフットボールが近代になるにつれてサッカー(アソシエーションフットボール)やラグビーフットボールなどに整理されてきて今があるということのようだ

サッカーとラグビーの違いは手が使えるか否かという部分もあるけど、私は、それよりもゴールキーパーの存在の有無に大きな違いを感じる。

ゴールする場所の前に立ちふさがってボールをいれさせないように邪魔する役目の人。それがいるかいないかは大きな違いではないだろうか。邪魔する役目って、ちょっとネガティブイメージの役目なんだけど、それを担う人がどんな気持ちでその役割を仰せつかるのだろう。
なんとなくぼんやりと感じていたことを明確に教えてくれた本があった。
「孤高の守護神 ==ゴールキーパー進化論」(ジョナサン・ウィルソン 著・実川 元子 訳 白水社)
イギリスのサッカージャーナリストが書いた本だけあって、サッカーの起源と歴史に関する部分がとても面白かった。
英国では昔からボールを蹴ってゴールに入れるゲームが広く存在し、祭礼などにも使われたらしい。得点する人は昔も今もヒーローだ。ゲームをさらに面白くするために得点を邪魔する人を置こうと考える。みんな得点したいから邪魔する役はしたくない。その役割は当然のように弱小者やみそっかすの子に与えられ、ヒーローたちはその子に向かって嬉々としてボールを蹴る。一人だけ違う色のユニフォームを着せられシュートを体を張って邪魔しなければならない存在。ゴールキーパーはそんなにして生まれた。

この本の原題が「 アウトサイダーズ」であるように、英国では過去にゴールキーパーは異端視されたいた時代があったという。しかし、サッカーがヨーロッパや南アメリカに広がるにつれて、別の見方も出てきた。ロシア出身の作家で詩人のウラジーミル・ナボコフは彼の自伝でこう書いている「たった一人超然と、ボールマウスの前に冷静に立ちはだかるゴールキーパーに、少年たちは魅了され、通りで見かければ追いかける。闘牛士か撃墜王を見るように、人はゴールキーパーを見て憧れに胸を震わせる。(中略)ゴールキーパーは孤独な鷹だ。神秘的で、最後の守護神だ。」
ゴール前で人一倍の勇姿が期待されているゴールキーパーは戦争や政治に巻き込まれることも多かったという。

400ページ近くの本にはヤシンからカシージャスまで世界のゴールキーパーの系譜が詰め込まれているが、最近キーパーに興味を持った私には、オリバー・カーンから後の選手しかわからない。それでもカーンからノイアーまでのキーパーを見ているとゴールキーパーの役割はビッグセーブをする達人から攻撃の起点になるプレーもできるプレーヤーに進化が求められてきていることくらいはわかってくる。

この本の中で、私が考えているゴールキーパーの姿をもっとも言い表しているなあと感じた文章があるので、引用してみたい。

「ゴールキーパーほど運命の気まぐれに恒常的に向き合っているスポーツ選手はほかにいない。曲がってくるボール、イレギュラーするバウンド、一陣の突風、瞬間的な判断ミス、誉めるしかない無いみごとなシュート、そんなものが試合中の彼の奮闘を一瞬で帳消しにする。
結局ゴールキーパーは考える時間を与えられ、一人で思い悩む選手なのだ。だからゴールキーパーは危機をいたいほど感じる。ミスを忘れるために、走ったりボールを追いかけたり蹴ったりすることはできず、ひたすら待つしかない。しかも恒に敵の攻撃にさらされ、恒にじっと考えていなくてはならない。…」


そういえば、我がチームが得点した時、キーパーがどのようにしているのか、しかと見たことがない。自陣のゴールの前を動くことができない彼は、得点を喜ぶ仲間たちの輪の中に入ることができない。飛んで行って讃えたい気持ちをぐっと抑えて小さなガッツポーズをしているのだろうか?それとも賞賛の拍手をしながら自分ならどう守れたかとそのシーンを頭の中でリプレイしているのだろうか。一度しっかりと我がチームの守護神の喜びかたを見たいとおもっているのだが、ゴールが決まった途端そんなことは忘れてハイタッチの雨嵐に身を任せている。
自陣が危機のときしかそのプレーを集中してみてもらえないからか、キーパーはどこか人から少し離れたところを好む孤独な人にみえたりする。単純なのか複雑なのか、彼らの心を覗き見たくなる。


最後にとっても興味深い文章を
「知識人にゴールキーパー経験者が多い。フランスのノーベル賞作家アルベール・カミュ、帝政ロシア生まれの詩人ウラジーミル・ナボコフ、フランスの作家・随筆家アンリ・ド・モンテルラン、英国の作家イブリン・ウォー、ジュリアン・バーンズ、…。
アーサー・コナンドイルはポーツマスでプレーした。喘息だったチェ・ゲバラはゴールポストの後ろに吸入器を置いて、それで呼吸を整えながらプレーした。また宗教界にもゴールキーパー経験者がいてアマチュアのレベルで活躍していた人もいる。教皇ヨハネ・パウロ二世もその一人だった」

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「孤高の守護神 ==ゴールキーパー進化論」(ジョナサン・ウィルソン 著・実川 元子 訳 白水社)
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by windowhead | 2015-09-28 15:50 | 至福の観・聞・読 | Comments(4)

「週刊サッカーダイジェスト」の後退に感じたこと

週刊サッカーダイジェストが週刊から隔週刊になるらしい。
少し前「週刊サッカーマガジン」が休刊になったのに驚いたが、ついに毎週発売されるサッカー雑誌がなくなった。
あとは週3回発行の新聞「エルゴラッソ」があるが、雑誌とはちょっと違うし。
サッカーダイジェストの隔週刊への後退は、やっぱり経営難からなのかしら、書けるライターや記者たちが少なくなったからなのか、


たしかに私もサッカー雑誌を買わなくなった。
今定期的に購入するのは、「サッカー批評」(最近は分裂して「サッカー批評」と「フットボール批評」に分かれたので、どちらを買うかはその時のライターと内容によるけれど)と「月刊J2マガジン」のみ。その他の雑誌は立ち読みでパラパラめくり、中村俊輔のインタビューなどがあれば買うというスタンス。

「J2マガジン」は応援しているVファーレン長崎の情報が必ず掲載されているから。
「……批評」は、日本のサッカー界全体を見渡せるから
では、俊輔の所属する横浜Fマリノスの情報は…と言われると、残念ながらそれを得る雑誌がない。
「週刊サッカーダイジェスト」がその位置のはずだが、この雑誌はどちらかというと日本代表と代表選手のほうに重きを置いている感がある。そのため日本のトップリーグであるJ1の各チームの情報がJ2よりも少ないという不思議な現象になっている。この1年「ダイジェスト」に何度マリノスの選手なりチームの特集があっただろうか。中澤選手のコラムや俊輔選手という特別のコンテンツがあるマリノスはまだいいが、中位以下の他のチームはどれほど取り上げられただろう。表紙だってしかり、代表選手が優先だもの。
代表に足を置いているので、ライターの書き方もJリーグに対してどちらかというと上から目線が否めない。応援しているチームや選手達を代表選手に比べて…、海外に比べて…というような見方で書かれても、その記事を読みたくならない。闇雲に誉めろとは言わないが、せめてプレーヤーにたいしてのリスペクトくらいは感じさせる書き方をして欲しいと何度思ったことか。
雑誌側としては、Jリーグよりライトな代表ファンを購買層に取り込もうというスタンスだったのかもしれないが、ライトな代表ファンはサッカー雑誌のサッカー記事など読まない。イケメンランニングを載せる「サッカーi」のような雑誌もすでにある。
本当に日本のサッカーの情報が欲しいのはJリーグの各チームを応援するサポーターやファン達だと思う。自分のチームが他のチームと比較してどうなのか、自分たちのチームが批評家やライターからどう思われているのか、チーム内のエピソードなど、知りたいことがたくさんあるはず。
「J2マガジン」はそのようなサポーター・ファンの思いをうまくくみ上げた作りになっていると思うし、いろいろな選手の顔が見えて楽しい。
いっそサッカーダイジェストも「J2マガジン」のような編集でJ1に特化した雑誌になってくれないものかなあ。
J1各チームの情報が同じウエイトで毎回きちんと掲載される情報誌がのどから手が出るほど欲しいのだ。W杯があってJの記事が減った今シーズンは特にそう感じた。
今の日本代表戦はお祭り騒ぎでしかない。「いまそこにあるサッカーを愛せよ」というロック総統の言葉のように自分たちの身近なチームを応援し、毎試合足を運ぶサポやファンが毎回心待ちにするような情報発信するというスタンスが大手メディアや出版にも欲しいと思っている。
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by windowhead | 2014-12-24 14:24 | 紙のフットボール | Comments(4)

家本さん、変わったよね

日曜の午後、TVをつけるとセレッソ大阪とヴァンフォーレ甲府の試合だった。城福さん好きだし、それよりなにより読書家で名コラムニストでもある文科系ゴールキーパー荻くんにシンパシーを感じているのでヴァンフォーレ応援のスタンスでTV観戦した。主審は家本政明プロフェッショナルレフリー。彼のレフリングにも興味があった。

家本さんほど悪者扱いされる審判は居ないんじゃないかな。
主審・家本と発表されると、多くのサポーターは「家本かあ〜」「家本劇場はごめんだよ」などマイナーな反応をしてしまう。最近サッカーファンになったような女の子が周囲の反応を真に受けて「家本か、がっかり」などと言っているのを見ると怖くもなる。
じつは私もずっとアンチ家本派だった。
問題になった2008年のゼロックスカップも見ているし、佐原のゴールが幻にされた「川崎VS浦和」も見ている。若くて能力のある審判だろうが、その奢りがゲームを壊していると思っていた。

でも、最近の家本さんはずいぶん違ってきている。いつからかプレー中に笑顔で選手に対応し、選手の声を聞いている姿を多く見るようになってきた。家本さんが担当するゲームでストレスを感じることがなくなっている。以前は高見からゲームを見下ろす雰囲気だったのが、今は選手と同じ立ち位置にいて、良いゲームを作ろうとしているように見える。
家本さん、変わったなあ。大人になった?
家本さんが変わっていなければ、他の審判、特に若い審判のサッカー愛が家本さんより低くなっているってことだろう。
最近は、主審・家本政明と発表されると、一定の安心感を持って見ている。

Vファーレン長崎ファンには家本さんにやられた経験がある。昨シーズンのアウエー松本山雅戦で、ありえないPKを取られている。山雅側のオフサイドが先にあったのに、線審が旗も上げたのにオフサイドは取り消されて、PKだけが残った。
遺恨の残る采配。過去の「川崎対浦和」を思い出してしまった。
長崎では今も「ワ〜〜家本か、ごめんだよ」感があるはず。

でも家本さんは、絶対に変わっている。
「サッカー愛」というのかな、サッカーを取り巻くすべてに愛おしさを感じているのかなという雰囲気がでている。

今シーズン、ホームでの千葉戦だったかな?家本さんが主審を務めるゲームを観た。
すごーくいい流れでゲームに入って行ける采配だなあと感じた。勝負へのこだわりはあるが、それ以外ではストレスの少ない試合だった。
試合後、ヴィヴィくんのグリーティングを待っているとスーツ姿の3人がキャリーバッグを引きながら出てきた。目ざとい若者が「あ、家本だ!」と声を上げた。
その呼び捨ての声が聞こえたのか、こちら側を向いた家本さんはピッチ上の選手達に向けるような笑顔で軽く手を挙げてその声に応じた。「わー、カッコいい!」若者は嬉しそうに家本さんに手を振っていた。
なんだろ、スター選手のような輝きがあったし、これがプロなんだなあと感じさせるオーラがあった。

家本さんは今の日本のサッカーとどう向き合っているんだろうか。彼が変わったのは(変わったと思っているのは私だけかもしれないが)なぜ?
家本さんという存在から、審判を掘り下げてみるのもおもしろいかもしれない。
家本さんの著書「主審告白」は、とても興味深い内容だった。
上川さん、西村さんの次にW杯の笛を吹く日本人審判はきっと家本さんだろう。
昔のイメージだけで「家本、ごめんだよ」というのはそろそろ時代錯誤かも、最近のサッカーを見てないことを露呈してしまう言葉になるかもね。


「主審告白」 家本政明著 岡田康宏構成 東邦出版
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サッカーファン、サポーターならぜひ読んでいたい一冊だと思う。審判を知ることでより楽しくより熱くチームや選手を応援できるからだ。
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by windowhead | 2014-11-03 13:18 | 紙のフットボール | Comments(2)

「空白の天気図」を読む

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「空白の天気図」 
柳田邦男 文春文庫


69年前の8月6日、人類史上初の原子爆弾で20万人以上の人々が亡くなる壊滅的な被害を受けた広島だが、その約1ヶ月後の9月17日、追い打ちをかけるようにこの地を未曾有の天災が襲った。
枕崎台風。
916,1ヘクトパスカルという当時の観測史上2番目に低い海面気圧の大型台風は焦土と化した広島の街で吹き荒れ、原爆から生き残った人々は身を隠す場所もなく暴風雨にさらされる。そのような中で洪水や山津波が起こり、無防備な人々を飲み込んでいった。
枕崎台風による全国の死者・行方不明3756人,広島県だけでその半数以上の2012人の死者・行方不明がでる大惨事となった。

戦時下で気象情報は国の機密事項になる。開戦日から国民は天気予報のない生活をおくることになったが、気象観測は日本各地や南方の島々で続けられ、そのデータは暗号化されて逐一中央気象台に送られ、天気図が作成され、軍はそれを作戦に活用した。
8月6日、広島気象台の職員たちはいつものような観測の最中に被爆した。幸い建物は倒壊せず気象データは守られたが、それを中央に送るインフラが消滅した。同時に中央からの情報も届かなくなり、新型爆弾がなんであったのか知らないまま、観測を続け、被害調査をし、そのデータを送る手段を求めて歩き回る日々が続いた。
国が敗れても気象観測は続けられた。8月22日、NHKラジオで天気予報は復活したが、広島はまだ焦土のさなかだった。通信インフラの破損で中央からのデータが届かない中、広島気象台が観天望気で予測した台風情報だが、人々に知らせる術がない。役場への通達と気象台屋上にかかげた吹き流しで警報を知らせるしかなかった。

自分たちも放射線障害に苦しみながら日常の観測と原爆や台風に寄る被害調査を続け、その情報を守り続けた広島気象台の人々の奮闘を描いた本作は、昭和50年に初版出版されたものだが、2011年の東日本大震災と原発事故をきっかけに「核と災害 1945.8.6/9/17」という副題を添えて再文庫化されている。



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長崎市茂里町にフットボール専用スタジアムの実現を!
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by windowhead | 2014-08-29 06:43 | 至福の観・聞・読 | Comments(0)

「鈍足バンザイ!」岡崎選手の魅力

「Vファーレン、足踏み中ですね〜」歯医者さんにいくと先生の挨拶はまずサッカー。
治療中もサッカー談義。今回は代表選出についてだった。
先生、開口一番「日本代表は本田や香川で語られるけれど、今話題の中心になるべきは岡崎じゃないですかね〜。現役日本代表ではゴール数はトップだし、主要欧州リーグでの日本人最多得点も記録するなど実績残しているのは岡崎ですよ。」
先生の息子さんは高校でサイドバック。その親御さんだからか、一般のにわか代表ファンのようにマスコミに踊らされない。息子さんは今回選出されたサイドバックにどう思っているか聞きたかったが、どうも日本代表よりスペインやドイツ代表の方に興味があるようだった。

岡崎慎二選手、このたび本を出しましたね。
b0009103_15143545.jpg「鈍足バンザイ! 僕は足が遅かったからこそ、今がある。」岡崎慎二著 幻冬社

なんだろう、脱力するほど普通の男子の話。いや最近の男子は力量はないが無駄な自信だけはあるという子が多い。ポジティブシンキングらしい。ところが岡崎君はネガティブシンキングの子。駄目な子ぶりがいっぱい告白される。でも悩むことも弱さをさらけ出すこともだめなことじゃない。それほど正直だからいろいろな人が彼に手を貸すのだろう。
彼が感謝している先輩として、佐藤由紀彦選手とのエピソードを記している。
エスパルス時代、由紀彦選手は、チームでも3番手4番手の普通のFWだった岡崎選手が居残り練習するときいつも相手をしてくれたという。岡崎選手が今でも由紀彦選手を慕って感謝しつづけているのはこのような時代を支えてくれたからなのだ。
もう一人が中村俊輔選手。海外から帰ってくるといつも食事会をして話し相手をしてくれるようだ。
佐藤由紀彦選手と中村俊輔選手、どちらとも大きな壁や喪失感に見舞われながらも、真正面からぶつかり、悩み、自ら道をえらび、等身大の自分をさらけてきた選手たちだ。

悩み、落ち込むことはマイナスではないはず。鈍感なポジティブよりもずっと人を成長させる。そのことを現代人は過小評価したがる。それはポジティブが成功の近道だと思わされているから。手っ取り早い方が楽だからかもしれない。
そんなことを考えながら、ぱらぱらと読んでしまった。
買うほどの本じゃないという人もいるかもしれないが、ぜひ買いたいという人なら買っても損はないかな。

この本をぜひ買って欲しいのは町や市や学校の図書館。
劣等感や平凡さに悩む子供たちの気持ちが少しは軽くなる。自分も頑張れば夢を追えると思わせてくれるだろう。
佐藤寿人選手の「小さくても勝てる」とこの本は小さな図書館にでもぜひ1冊備えておいて欲しいなあ。
図書館をすすめると読書家なら本は買って読むべしという人もあるだろう。しかし、このような本はほとんど重版されにくい。数年後には廃判されているという状況もありうるので、いい本として出来るだけ多くの人に読んでもらい,後世に残すためには図書館に入れてもらうというのも考え方の一つと思って欲しい。
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by windowhead | 2014-05-17 15:22 | 紙のフットボール | Comments(2)

「GIANT KILLING x 東北人魂」

中央のJリーグファンの方々から情報がとどいていた限定本、getです!
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漫画「GIANT KILLING 」と「東北人魂」のコラボ限定版。
「GIANT KILLING 」Vol.31と「東北人魂」の3年間の活動記録写真小冊子をセットにしたもので、定価1500円。帯には、本の売り上げの一部が「東北人魂」の活動資金になると書かれている。

「東北人魂」とは、正式名称「東北人魂を持つJ選手の会」といい、東日本大震災を機に、鹿島アントラーズの小笠原満男選手たちが発起人になって、東北6県出身の有志のJリーガーたちで立ち上げたボランティア団体。東日本大震災で甚大な被害を受けた東北地方のサッカー復興のために協力することを目的として、これまでにも子供たちをJリーグ公式戦に招待したり、東北地方でのサッカー教室やサッカー大会の開催などの活動を続けている。

限定本は大事に取っておく物らしいが、「GIANT KILLING 」ファンとしては早速続きが読みたいわけで、さらにさらに、密かにジャイキリ押しメンのひとり・杉江勇作のキャプテンマーク姿が表紙となれば読まずにおれるか!ベリベリと惜しげもなくパックのビニールを破いて中身をとりだす。
同封の写真冊子「東北人魂〜僕らはあの日を忘れない」の表紙写真が目に飛び込んできた。ジャイキリはちょっと置いて、写真冊子のほうを手に取ってみた。表紙裏にある「東北人魂会員名簿」の38人のなかに、Vファーレン長崎の選手2人の名前がある。

秋田出身の下田光平選手 と 宮城出身の東宏史選手。

下田選手が東北の人だということは、彼が長崎に移籍するときFC東京のサポから「東北人で素朴な子だからよろしくね」というメッセージが届いたので知っていたが、東選手が宮城の人だったとは。愛媛から移籍してきたので四国か関西の人とばかり思っていた。
被害の有無はともかく、あの震災が彼らにどんな影響を与えたのか、また震災時ベガルタ仙台に所属していた奥埜選手もどんな経験をしてきたのか、なにかのチャンスがあれば聞いてみたいと思った。
どこのチームもそうなんだろうが、Vファーレン長崎も本当にいろいろな経験や経歴の選手たちが集まってきているのだなあと、あらためて実感する。その経歴や経験が融合し切磋琢磨して魅力的な強いチームになっていくのだろう。人間味のある強いチームになって欲しい。強くなってもいまのほのぼの雰囲気を残してね。

限定本、メトロは仕入れしてなかったが、紀伊国屋にはまだ数冊あったよ。
ぜひ手に入れて、我がチームの東北人魂をささやかだがサポートをしましょう、ね。
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by windowhead | 2014-04-26 03:42 | Vファーレン長崎 | Comments(0)

中村俊輔という財産

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雨の休日になったので読書日
サッカーマガジン「ZONE」
中村俊輔のインタビューにはいつも新しい発見があって興味深い。
彼はあまり自分の心情を語らないし、サッカー愛やチーム愛や愛国につながるような言葉で煽るような発言もしない。感情に訴えることを極力控えるような言葉選びをする人だ。
反面、サッカーの中身に関しては平易な言葉を使い、具体的でとても分かりやすい。
彼が経験してきた日本、イタリア、スコットランド、スペインのサッカーやサポーター気質、それぞれに所属したチームのコンセプト、練習方法など、「そうなんだ?」や「ほー!」がいっぱいで相変わらず興味深い。
俊輔は昨年のインタビューで引退したらフリーの「フリーキックコーチ」というジャンルを作ろうかななどと言っていた。いろんなチームに短期間滞在してそのチームのGKやDFにスペシャルなFKを体感させるみたいな話だったが、こんなことを思いつくのも俊輔らしい。
今回のインタビューでもスペイン・エスパニョールでの練習を具体的に語っていたが、もっと詳しく教えて欲しい、指導して欲しいというチームは数多くあるんじゃないだろうか。
昨シーズンの彼の活躍は、選手の価値を若さに求めていた日本のサッカー界に一石を投じた。彼の活躍を見て奮起したり再生したベテラン選手たちもいるはずだし、チームに必要なベテランの経験値が見直されたと思う。
2008年に出版された自著「察知力」(幻冬舎)では、体格も劣るし足も速くない自分のような選手がどこまでやれるか「実験台」だと思っていると言っていた。また海外で活躍中にあっても「トップフォームのうちに日本に戻ってきて、経験を日本のサッカーに還元する」とも言っていた。今彼はその言葉を実践している。俊輔のいいところは、そんな大きなミッションも日常のこととして自分の身の回りから始めているところだ。
彼はまたパイオニアでもある。助っ人外人として海外に渡り、欧州チャンピオンズリーグでの得点や海外でのMVP選出など輝かしい実績もさることながら、その経験を日本に還元することを模索している。バラエティー番組が仕掛ける難題をクリアしてお茶の間にサッカー選手の技術の高さを披露し、自然体なキャラクターで新しいサッカーファンを獲得している。いまでこそだれもが書いているというサッカーノートも中村俊輔を語る代名詞でもあり、そのノートの内容を公開したり(「夢をかなえるサッカーノート」(文芸春秋))、子供たちに向けて使いやすい「オリジナルサッカーノート」を開発して3冊セット540円という求めやすい値段で商品化している。サッカー以外での俊輔の行動は、プロサッカー選手にとってひとつのガイドラインになっているのではないだろうか。

「ZONE」の編集長・宮本恒靖はこの号の巻頭に「中村俊輔という財産」という文章を書いている。
中村俊輔という財産を所有しているのは横浜Fマリノスはもちろんのこと、クラブ,
サポーター,ファン、さらには社会全体である。彼がもたらす感動や喜びを人々が享受し、時には悲しみを分かち合ってきたこの20年の月日はサッカー文化の醸成に多いにつながっている。
というフレーズでまとめられていた。

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俊輔ファンとしてとても嬉しかったのはセルティックが今でも俊輔が帰ってくることを待っているというレポート。セルティックにとってナカはレジェンドの一人なのだ。
選手として最後の花道はセルティックで飾って欲しいというセルティックCEOやサポーターの思いは今も続いている。俊輔も「セルティックパークのあの雰囲気は忘れられない。現役を引退する前にもう一度あそこでプレーしたいという気持ちは心のどこかにある」という。
中村俊輔にとってセルティックはキャリアの一時代ではなく、もう1つの帰りたい場所であるということをこのレポートで知ることができた。
6万人のサポーターが唱う「You'll Never Walk Alone」に迎えられて緑と白のユニフォームを着た中村俊輔が再びセルティックパークでプレーする。
そんな夢のまた夢と思っていたことにも可能性がある。
マリノスサポーターには申し訳ないがセルティックの25番がいちばん好きな私には可能性があるというだけでも嬉しい。


もう1冊は逢坂剛 著のミステリー「百舌の叫ぶ夜」(集英社文庫)
20年以上前に読んだものだが、最近テレビドラマ化されると聞いたので再読した。
シリーズで4作くらいあったと思う。読んだ当時硬質だが魅力的な作品だと思ったのでなんでいままで映像化されなかったのか不思議なくらいだ。
テレビドラマとしてどのように変わるのか楽しみ。
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by windowhead | 2014-04-04 02:30 | 10-25shun | Comments(5)

日本の西海岸・長崎からのつぶやきはビンの中の手紙のように漂いながら誰かのもとへ


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