これに比べれば02年の代表落選なんて「かすり傷」だよ-(中村俊輔)

「もういい」は、「代表でプレーするのはもういい」だった。
中村俊輔の代表への決別は「もういい」という言葉で締めくくられた。
10年近くも日本代表の10番を背負って、日本代表を支え続けた選手が自ら代表に決別する。
引退という言葉より、決別という言葉のほうが、なぜかしっくりくる。

代表への思いをすっと掲げ続け、求められればどんなに遠くからも、どんなに厳しい状態であっても,
どんな犠牲を強いても日本代表に合流して先頭に立って戦ってきた中村俊輔。
スペインでの挑戦もW杯のために半ばあきらめ、スペインでの失敗者の汚名を甘んじて受けながら代表を選んだ選手が、苦しみと悔しさを抱えて代表に決別する。

中村俊輔が、この10年間日本人サッカー選手としての人気のトップにいたのは、彼の日本代表への献身的な姿と希望につながるプレーが、子供たちのをはじめとする純真な心に訴えかける”何か”を呼び起こすからだ。
32歳の3児のパパになっても、サッカー少年たちから「しゅんすけ」と愛着を持って呼び捨てにされる雰囲気は、大人の男たちには物足りなかったかもしれないが、そのキャラクターを変えることなく等身大の自分を見せ続けてきた。

南アフリカの地で、苦しみながらも平静を装いチームに尽くした男が、試合終了後、ビブスを脱ぐ姿がほんの数秒映し出された。あれはビブスと一緒に、本当の中村俊輔を閉じ込めていたものを脱ぎ捨てたのかもしれない。

本当の中村俊輔は、また心に突き刺さる言葉を残して、日本代表に決別する。ぎりぎりの状態でも辛さから逃げなかった男の言葉は等身大だからこそ感動的だ、。

「サッカー人生で一番つらい試練?これに比べれば02年の代表落選なんて「かすり傷」だよ」



スポーツの世界には、記録だけでなくその人の人生を語りたくなる選手が稀にいる。それがまぎれもないスター選手なのだろう。
中村俊輔もその一人。彼の言葉は、その言葉が独り歩きするほど独特で真理を含む。

彼をテストしたサッカーの神様は、きっと中村俊輔にひとりの「サッカーびと」としての道を指し示してくれたのだろう。
いろんなものを背負いすぎてきた中村俊輔の羽はいつのまにかちぢこまっていたのかもしれない。
その羽を思いっきり羽ばたかせるために、いちど重石をすべて取り払ってくれたのだろう。
「中村俊輔が、ただの”中村俊輔”になって、思いっきりピッチを走り回る姿を見たい。」俊輔ファンの多くが心の底で感じていたのはそんな思いなのだ。

中村俊輔のイマジネーションとサッカーの羽が蘇るのは、そんなに遠くないはず。
傷を癒した後、不死鳥は、さらに大きな羽をつけて、Jリーグのピッチを駆け回るだろう。

私も含めて、多くの中村俊輔ファンは、期待を込めて待っている。


お祭り騒ぎは見せてくれないが、希望につながる道を見せてくれる稀有な存在。
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Commented by 雪虫 at 2010-07-01 15:33 x
UPありがとうございました。。。
号泣しながら読みました。
私も『中村俊輔」のサッカーを待っている1人です。
Commented by blue at 2010-07-01 15:45 x
windowheardさん、こんにちは。
まあ、肉体的にも・・特に精神的にもこんなに色々な経験させて貰える選手は、どこを探してもいないんじゃないかと思います。そう考えれば、本当にサッカーの神様に選ばれた人なのだとも思います。代表が負ければ俊輔が悪い、俊輔じゃ駄目、俊輔が・・俊輔、俊輔!はぁ~~溜め息・・。
W杯期間中(まだ続いてますが・・)彼がどんな思いでいたかと思うと想像を絶する。
そして、涙が出てきます。私も彼の代表としての10年を少なからず見てきたから。(今も泣きそう)
少し休んで、そしてまたJのピッチで、あの溜め息が出るほどの美しいプレーを魅せてほしいと願っています。
そして、そう遠くない未来のW杯のピッチサイドに、スーツ姿で立っている彼を見付けられると信じています。
長文、失礼しました。
Commented by KOKO at 2010-07-01 16:05 x
こころに染み入る記述に言い知れぬ感慨を覚えました。
なぜか彼の蔭に会津が見え隠れします。

それというのも彼の母方が会津藩の出身ということで
ウムー考えすぎか…
Commented by ざくろ at 2010-07-01 23:01 x
感傷に流れず、俊輔ファンの琴線に触れる一行一行。
本当にありがとうございます。

万感の思いで読ませていただきました。
Commented by るん at 2010-07-01 23:36 x
こんばんは,windowheardさん。

新聞で「辛くて悔しかった」という俊輔のコメントを呼んで,やりきれない気持ちになっていました。でも,こちらを読ませていただいて,ちょっとすっきりしました。「日本代表の10番」の責任感から自由になった「中村俊輔」のプレーを待っていればいいのだと。

どうもありがとうございました。
Commented by まる at 2010-07-07 19:56 x
僕のモヤモヤした気持ちが晴れるような記事でした。
俊輔の気持ちを考えると、どうにも納得がいかない自分が居ました。
俊輔のJリーグでのリベンジが楽しみでしかたないです。
Commented by windowhead at 2010-07-13 12:43 x
雪虫さん、blueさん、KOKOさん、ざくろさん、るんさん、まるさん、
皆さんコメントありがとうございます。
みなさんの思いのこもったコメントにお返事ができない時期がつづき、すみませんでした。
ブログかいたものの、この時点では、本当は中村
俊輔はどうなるんだろうという気持ちも半分以上あり、あるスポーツ紙などに燃え尽き症候群などという言葉が出ているのを見て、そうならないとは言えない状態だろうと、実はゆれていました。
しかし、やはり中村俊輔は自分の本質を知っていましたし、すでにそれに向かっているということが、最近のニュースで分かってこちらが勇気付けられています。
「新人のころのように純粋にサッカーを楽しみたい」「長く続けるために」などという言葉が、聞かれて、次のステップに進んだんだと思いました。
Jリーグがさらに楽しくなりますように。
皆さんと一緒に、中村俊輔を応援させてくださいね。
Commented by ち。 at 2010-10-01 09:26 x
初めまして。
うまく表現できなくて
それでも心の中で
ごちゃごちゃしている
言いたいことのすべてを
見事に表現していただき
本当にありがとうございます。
・・・
と言わずにいられませんでした。
ありがとうございました。
Commented by windowhead at 2010-10-03 12:49
ち。さん、コメントありがとうございます。

中村俊輔は、やっぱり不死鳥のように蘇りましたね。
気持ちの中は、まだまだ自然体とまでいかないほど傷が残っているのでしょうが、プレーの中に、活き活きとした力が蘇ってきましたし、やっぱりファンタジーに溢れています。
笑顔が明るくなって、今本当に楽しくサッカーしているんだなあと、感じています。
絶対に、次のステップを目指していますよ。
それが何か?楽しみです。
応援続けましょうよね。
Commented by ち。 at 2010-10-05 16:08 x
心の羽根は、折れてなかったですね。
もっともっと輝いて欲しいです。
チーム内にイメージの共有が増えたなら
きっと強くなると思います。
楽しみです。また、おじゃまします。
by windowhead | 2010-07-01 14:06 | 10中村俊輔の今 | Comments(10)

日本の西海岸・長崎からのつぶやきはビンの中の手紙のように漂いながら誰かのもとへ


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