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「月明星稀6」は池田屋



「月明星稀ーさよなら新選組6」 盛田賢司著 小学館 505+税

盛田賢司の「月明星稀ーさよなら新選組6」が発売されていた。
氏の剣道漫画「しっぷうどとう」ファンだったので、「月明星稀」も1巻から次がまちどおしい作品になっている。
「4」が出た頃ちょうど「大河・新選組」も鴨暗殺前でテレビと漫画がシンクロしたが、大河・組!は終わっても、「月明星稀」のほうは、やっと「池田屋事件」。

大河では、山南が残留する理由が描かれず、単に土方の命令で残留組になったとされた。そのため、後の報奨金問題が出たときも,あたかも土方のいじわるのようになってしまったが、「月明星稀」では、山南残留の理由をしっかりと描いている。
鴨暗殺あたりから人を斬ることで心を病んでいきつつある山南は、自分と同じ志をもつ尊皇攘夷の士は斬らないと心に決めたので、出場しないと藤堂平助に話す。山南を尊敬している藤堂は、土方に、山南は病気だから休ませて欲しい。そのぶん自分ががんばるから、と願う。山南の様子を知っている土方は、山南に問いただすこともせず、藤堂平助のいうとおりにする。それによって、藤堂は、尊敬する山南の心を守るためと、土方のやさしさに報いるためという二重の責任を自分に課して戦うことになる。

月明星稀の近藤と土方の関係は、友人というより、心の師と師を慕う人に近い。師・近藤のためならどんな汚れ役もやってしまう土方の非情さとやさしさの葛藤。

坂本を尊敬してやまない望月の熱さゆえの行動と後悔。

尊敬する人を守ろうと命をかける男たち(土方、藤堂、望月亀弥太)三人三様の決死の闘いは壮絶で悲しい。
月明星稀は、男たちの献身の物語なのだ。侍の献身の証は命をかけることなのだ。

それにしても第1巻からの疑問、、サブタイトルの「さよなら」とは?
「さよなら」の意味がわかってくるのは何時頃になるのか。主人公・土方の最後が「さよなら」なら、このままでいけば、相当後になりそう。
途中打ち切りにならないようにするためには、連載雑誌で読むべきなのだろうが、雑誌で読むのは苦手。どうかどうか、箱舘まで連載がつづきますように。

大河でも、土方の生涯はちゅうぶらりのまま、どちらの土方も生涯をまっとうさせてあげたい。
by windowhead | 2005-03-21 02:11 | 至福の観・聞・読

日本の西海岸・長崎からのつぶやきはビンの中の手紙のように漂いながら誰かのもとへ


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