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刊行されました!「「朝敵」と呼ばれようとも―維新に抗した殉国の志士」

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1年判前に執筆参加した本がやっと出版された。
「「朝敵」と呼ばれようとも―維新に抗した殉国の志士」(星亮一編 現代書館)
本が売れない時代に、あまり一般的でない幕末史関係の、それも負け組の評伝でもあるこの本が出版にこぎ着けたのは出版社の英断かもしれない。
来年の大河ドラマでは敵役を担う人物達だ。これらの人々は一般にあまり知られていないが、驚くほど開明的な人物だったり、優れた国際人だったり、先進的な思想家だったり、優秀な技術者だったりする。

歴史は勝ち組の都合の良いように伝えられて行く部分があるということは、みなさんご承知のこと。
勝ち組は開明的で優れた人物たちで、負け組は古くさい現実にしがみつく人物たちという、乱暴な対比が歴史文学やドラマで使われる。一般に分かりやすいやり方だからね。

でも勝負は時の運だったり、時代の流れが大きく左右するもの。その中でどちらに組していたかだけの違いしかない。
私はサッカー観戦が好きだからか、その考え方が強い。
メッシやCロナウドがいるチームが絶対勝つとは限らないし、99%の勝利がアディショナルタイムにひっくり返されることもある。その中で、勝ち組の選手と同じく、いやそれ以上に輝き、強い印象を残す選手がいたりプレーがあったりする。
歴史のある瞬間に輝やいた人物に興味を持ち、調べて行くとまた新しい興味に打ち当たる。歴史好きはそれの繰り返しなのだろう。

今回は松岡磐吉という人物について書かせてもらった。
ほとんどの人には初耳の名前だろう。
明治維新、新政府軍と旧幕府軍の最後の決戦になった箱館戦争の決戦で、旧幕府軍最後の軍艦となった「蟠竜」の艦長を勤めた幕臣。
彼のことは今まであまり語られていなかったので、どんな男だったのか知りたくてしょうがなかった。その興味の行き着く限り、稚拙な調べ方でわかったことを書かせてもらった。

旧幕府軍(賊軍)側というと、坂本龍馬大好きな長崎では手に取ってもらえないかもしれないが、彼は長崎海軍伝習所で学んだ人であり、あの咸臨丸で初の太平洋横断の一員でもあるのだ。
彼の他にもこの本の中には長崎海軍伝習所で学んだ人物が2人いるし、長崎に遊学した人物もいる。賊軍の彼らも新しい知識や技術を学んだプロフェッショナルたちなのだ。

幕末史を彩る新しい人物たちの評伝集。
よかったら読んでください。
2000円+税がちょっと高いと思われる方は、ぜひお近くの図書館に新刊本購入依頼など書いて図書館に入れてもらうって方法もあります!
たくさんの方に読んで欲しいです。

Amazonには、もちろんありました。
「朝敵」と呼ばれようとも―維新に抗した殉国の志士
星亮一編 現代書館
by windowhead | 2014-11-08 12:31 | 至福の観・聞・読

日本の西海岸・長崎からのつぶやきはビンの中の手紙のように漂いながら誰かのもとへ


by windowhead