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負けても心に響く試合(ルヴァン杯ホーム札幌戦)

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コンサドーレ札幌は強かった。
以前に何度も戦ったチームだけど、ミシャが監督を引き受けてから間違いなくチームの質が上がっていると思う。広島時代からミシャ監督が好きなのでそのチームを長崎でみられるのはうれしくもあるが、札幌がスタメン組を入れてきたとき、引き分けまで持ち込めるか?そうあってほしい。
札幌のスタメンはさすがにアンデルソン・ロペスやソングラシンはいなかったものの福森や宮澤、武蔵らリーグスタメン組がぞろぞろ。

やはり早すぎる失点は痛かった。この失点でゲームプランはわかっていても選手個々人の攻守の意識にばらつきが出て、連携に微妙なズレや戸惑いが出てる感じがした。
立て続けの失点に選手たちの心が折れないかと心配もしたが、そこはプロ。後半に札幌が少し落ち着きだしたところから、長崎の選手たちが前がかりに攻めだした。杉さまのスルーパスをスイッチにとにかく果敢に前にボールを運び、競り合いも1対1も仕掛けていく勢いをだしてきた。
これ以上失点と守りに入るよりリスクを冒しても点を取るというポジティブな思考が5:1の差の中でできるのがルヴァン組の魅力なのかもしれない。そこからは応援している私たちも引き込まれるくらいに闘っていた。ベンチもディフェンスけずっても攻撃の選手を投入するし、CBに下りた黒木選手や島田選手、翁長選手たちが必死に体を投げ出してスライディングしては起き上がって再度タックルに行くし、前では長谷川選手や畑選手が休みなく前線からプレスを仕掛けている。大本選手の独特なタッチのドリブルや仕掛け、なにより名倉選手が小さな体で相手と渡り合ってボールを取得する姿はとにかく毎回驚かされる。途中から新里選手が入ると中盤に勢いが増した。そして手倉森監督はもちろんミシャ監督からも評価をもらった3点目の得点が生まれた。コレクティブにつないだパスからのフィニッシュは吉岡選手。小さくてもFWとしての決定期の掴み方はさすがな選手。試合終了の笛はまだまだ吹かないで!もっとこの闘いが見ていたいからと願いたくなるほど気持ちが入り込む試合だった。
終わってみれば3:6という大量失点。
いろんなものが札幌に及ばなかった。それがはっきり見えて悔しい。純粋に悔しい。
涙が溢れて止まらない畑選手と鹿山選手。バクスタに挨拶してくれた選手たちは誰一人笑顔はなかったが、下も向いていなかった。
完敗なんだろうけど「悔しいけど、面白い試合だった」というのが正直な感想。応援していても気持ちが折れたり失望することなく、なにか心に元気をもらえた試合だった。次につながるねと思える試合だった。

試合後、多くの人たちが残って武蔵選手が挨拶に来るのを待っていた。来てくれた武蔵選手のチャントを歌い、愛のある掛け合いをしているゴール裏スタンドの下で悔しさを抱えながらクールダウンしているV長崎の選手たちがいるのをゴール裏の何人が想像してただろうか。この日の悔しさはきっと選手たちに深く刻まれただろう。それをバネにしてさらに強くなってほしい。そう願うしかなかった。

それでもその後、手倉森監督とペトロビッチ監督の試合後のコメントを見て気持ちが軽くなった。
監督たちは長崎の選手たちの闘いをそれぞれの立場で評価してくれているコメントをしてくれていた。失点を恐れるサッカーでなく得点を取り合うサッカーをしたことを評価してくれたミシャのコメントはリップサービスでなく彼の哲学から出てきた言葉だとわかる。手倉森監督も言葉は厳しかったがその言葉の端々に選手たちへのねぎらいと期待が込められていた。どちらも温かい気持ちの伝わるコメントだった。

ルヴァン組の闘い方と悔しさが、あすのリーグ戦に活かされていることを期待したい。
わくわくするサッカーをして勝ちましょう。


by windowhead | 2019-04-27 01:57 | Vファーレン長崎

日本の西海岸・長崎からのつぶやきはビンの中の手紙のように漂いながら誰かのもとへ


by windowhead