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「移籍」の先を見続けてみた

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さる12月20日の対新潟戦で翁長聖選手の大宮アルディージャでの今シーズンが終わった。

新潟戦では、待望の流れの中からのゴールが決まった。
右サイドから繋がれてきたクロスに全速力で走りこんできて、スピードを殺すことなくワンタッチでゴールに流し込んだ。この最終節も10番黒川選手の2ゴールがフューチャーされて翁長君のゴールは影の薄いゴールになってしまったが、解説の人も言っていたように、簡単そうに見えて高い技術がないと生まれないスーパーゴールだった。
高い技術と安定したパフォーマンスを継続して今シーズンの大宮を支えてきたが、ユース出身選手への愛が強い大宮では彼らの影に隠れて実績通りの評価を受けてない翁長くん。それを象徴するようなゴールだなあとちょっと苦笑いしてしまった。

2020シーズン42試合中 
出場試合数/出場時間=32試合/2,582分  先発出場/途中出場=28試合/4試合  警告/退場=1/0  シュート数=33本(うち枠内シュート14本)  ゴール=2ゴール  パス本数/成功率=1,343本/73.9%  クロス本数/成功率=130本/20%  ドリブル回数/成功率=104回/62.5%  空中戦回数/成功率=59回/59.3%  タックル回数/成功率=67回/58.2% <===大宮アルディージャ公式HPより抜粋
上記が大宮ルディージャホームページに記載されている移籍初年の翁長聖選手の実績だ。
十分評価に価する成績だろう。

プレーの成績もさることながら、選手としての幅が広がり、頼れる選手に育っていったと思う。

開幕ごろは、試合前後やハーフタイムに話する相手もなくぽつねんとしていたが、そのうち三門選手とは毎回長い時間意見交換するようになっていったし、試合中もチームメイトの奮起を促すように手を叩きながら大声で鼓舞するようになっていった。
夏場、生え抜きの選手たちの故障が続き、三門選手まで怪我をしてピッチから姿を消した。
翁長くんのプレーに変化が見えた。まるで三門選手の強い気持ちを引きつぐかのように激しくボールを狩り、左サイドから仕掛け、自らシュートを打つシーンが多くなった。仲間を鼓舞する姿もより積極的になった。相手のラフプレーで仲間が傷ついたときも畑尾選手と一緒に審判団に激しく抗議し続けてスタッフから止められていた。初めて見る姿だ。最終節の新潟戦で、大山選手が相手選手と激しく交錯して倒れて起き上げれなくなったとき、真っ先に駆けつけて大山選手の様子を見て、激しく審判に抗議した。その抗議に、新潟の島田選手が「おなが、おなが、(静まれ)」と引きとめようとしたがその手を振り払った、島田選手(ゆずくん)は長崎時代に理解しあった先輩だった人だ。その人の手を振り払って、大山選手には誰も手を触れるなと言わんばかりに立ちふさがった。まるで義経を守る弁慶みたいだ。DAZN画面でそれを見たときちょっと気持ちが震えた。
プレーの中でも、何が何でも勝ちたいという気持ちが溢れんばかりに戦っていたし、その気持ちの質が今までとちょっと違ってきているのも伝わってきた。もともとオフェンシブなプレーが好きな選手なのに仕掛けて競り合えるというシーンでもパスでさばいてディフェンスに注力したり、センターバックやGKのカバーでゴール前、ゴール内まで走りこんでシュートを跳ね返すシーンも増えていった。最終節は、終盤にセンターバックまでやってしまった。

翁長選手のプレーを見るために大宮の試合をどれだけ見ただろう。もちろんほとんどDAZNなんだけど、おそらく1試合を3回は見ている。それを42試合。Vファーレン長崎の試合より間違いなく多くの時間を費やした。おかげで若く生まれ変わろうとする大宮アルディージャというチームの苦悩もジレンマも見ることができた。
なによりサッカー選手というのは、本当に求められる場所で頼もしい大人の選手に育っていくんだということを見てこられた。
特定なチームのファン、サポをしていると「移籍」という言葉をややネガティブな面持ちで受け止める場面が多いが、選手にとっての移籍は新しい挑戦のはじまりで緊張するがワクワクするものかもしれない。

翁長くんは新しいシーズンも大宮で戦うらしい。
縁もゆかりもなかった大宮が少し身近になったし、娯しみにもなった。

サッカーとの関わり方を少し変えるつもりだが、楽しみの一つであることは今年も変わりない。






by windowhead | 2021-01-02 10:38 | フットボール周辺

日本の西海岸・長崎からのつぶやきはビンの中の手紙のように漂いながら誰かのもとへ


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