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芸達者ぞろい…でもものたりない映画「プロデューサーズ」

日本版の舞台も、もちろんブロードウェイの舞台も見ていない。
映画だけでみた「プロデューサーズ」。
俗物台詞に大笑いし、芸達者たちの熱演を楽しんだけれども、なんとなく物足りない。
「シカゴ」の時もそう思ったが、これはやはり映画ではなく、舞台という空間のものではないだろうか。
ショービジネスの世界の裏側を描いた業界ものとして、ブロードウェイでは大人気のようだが、映画にするべきだったのかなあ。
ショービジネス界を描いたミュージカル風映画といえば、「オール・ザット・ジャズ」を思い出す。
これは映画用に作られたものなのだろうから、比べるのがおかしいのかもしれないが、映画的には絶対に「オールザットジャズ」に軍配があがるはず。

ミュージカル映画といえば「ウエストサイド物語」の強烈なインパクトを受けているので、その後のどれを見てもこれを越えることはできない。
いろんな意味で「クール」の群舞に勝つダンスを未だに見たことがない。
舞台上では表現しにくい疾走感や場所的な広がりが映画で大いに活かされていた。
ミュージカル映画の最高峰といえば今でもやはり「ウエストサイド物語」なのだ。主演たちは違っても、あの映画には、ブロードウエイの「ウエストサイドストーリー」のダンサーたちがたくさんでていた。
その、ミュージカル映画「ウエストサイド物語」に迫りそうなのが、映画「RENT」だろう。
RENTの世界は、映画としても成り立つ、というより、いっそ映画の脚本に近いのではないだろうか。
ニューヨークの路上やロフトの中で歌われるレントナンバー。
どんな映像になるのだろうか。
期待は膨らむ。
ミュージカル映画といえば「ウエストサイド」よ!と言っていた私が、来月から「RENTよ!」というようになるかもしれない。

俗物プロデューサーたちを風刺をきかせて描いたコメディーを本当に楽しめるのは同じ業界にいる人たち、その業界に近い人たちだろう。エンタテイメント評論家たちに受けがいいのは彼らもその世界の人たちだからだと思う。身内ネタで盛り上がる芸能人たちをTVで毎日送り付けられているわが身には、プロデューサーズも同様に見えて、ちょっと残念だった。

「プロデューサーズ」は絶対に舞台でみるものだろう。
by windowhead | 2006-04-23 14:03 | 至福の観・聞・読

日本の西海岸・長崎からのつぶやきはビンの中の手紙のように漂いながら誰かのもとへ


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