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めでたさの中にも緊張感がうれしい…

毎年感じるのだが、新年の賑やかなテレビ番組のなかで、「サッカー天皇杯」の爽やかな緊張感は捨てがたい。

鹿島アントラーズVSサンフレッチェ広島
予想どおりであり、夢は叶わなかった結果だったが、いいゲームだったと思う。
さすがに、攻撃の底をささえる柏木を欠いたサンフレッチェは、今までのように思い切った攻撃ができないまま、アントラーズのゲームコントロールの中にあった。それでもぎりぎりまでよく1失点で持ちこたえたと正直ホッとしていた。

ロスタイムでアントラーズは田代に変えて柳沢を投入。
いまさら、柳沢?時間稼ぎを柳沢にさせる?それは失礼ではないのか?と、鹿島のサポーターでもなんでもない私は思った。鹿島やサポーターにとって柳沢はそれほどの価値しかない選手なのかなあ?まだ30歳だよ、まるで39歳のゴン並のあつかい、それでいいの?
ちょっとの間、応援魂がサンフレッチェから柳沢に揺れたとたん、柳沢アシストで1点入ってしまった。正直に言うと、ボールを受けた柳沢がDFをうまくかわして、ゴールをそれたところにボールを蹴ったとき、柳沢は時間稼ぎのパスをタッチラインに出すつもり?と思った。TVの画面には、彼の視野は写らない。TV画面の外にダニーロがいるのなんか知る良しもない。ただ、蹴られた瞬間、ボールのスピードがパスのようにやさしかったのが不思議だった。次の瞬間画面に入ってきた足がシュートを蹴っていた。
W杯以来、柳沢は、ゴールの出来ないFW、ゴール意識の薄いFWの代名詞のように言われている。今回も自分で決めてもよかったのかもしれないが、ダニーロへのパスを選んだ。でも、あのパス、あの視野の広さは選ばれた選手しか持ち得ない才能だと思う。柳沢が怪我をしなかったら田代は今のポジションにいれたのかな。田代と柳沢の差がそんなにあるんだろうか。たった1分で1アシストする才能、前々回もロスタイムに入って得点していたっけ。それでも鹿島は彼をスタメンにはしないんだなあ。
こんな感慨にふける場合じゃなかったが、昨日のサンフレッチェは、完敗だった。
それでもこの経験は「1年でJ1に帰る」ための気持ちの支えになっていくと思う。そうなって欲しい。

そして、また、柳沢に話はもどる。
優勝カップを掲げる役割をみんなが柳沢に譲っていた。照れながらそれに答えてカップを掲げた後、すぐに他のチームメイトに渡して後ろのほうに並んだ柳沢。終始、にこにこしているのだが、感激の渦の少し外にあるような柳沢をみて、彼の移籍は決まっているんだなあと実感した。
その後、サポーターから「ヤナギといっしょ」コールがあり、サポーターの前に出て、スパイクやユニフォームを投げ入れたが、渡された拡声器に向かってはなにも言わなかったらしい。正直な人だ。
京都やベルディは、柳沢をスタメンで使うといっているようだ。なら、移籍でしょう。
強引なストライカーではないが、MFだってできる才能あるポリバレントFW。柳沢自身が鹿島の大御所になりたいのなら別だが、彼はそれよりもサッカーがしたいんでしょう。
彼には、ぜひとも彼らしいやりかたでゴールを量産して「QBK」などとあざ笑った人たちを見返して欲しい。あの言葉をお笑い芸人が、人を小ばかにするのに使っていたとき、「QBK」という言葉に傷つけられる日本人は柳沢だけではないんだと実感した。
柳沢には、「QBK」という言葉を死語にする使命があると思う。自分の足でこの言葉を消し去ってほしい。その過程を見続けたい。移籍はそのためのチャンスだと思う。

準優勝の賞状を持ち上げたときの佐藤寿人は、ちょっと複雑な顔をしていた。
決して喜んでいなかった。サンフレッチェの選手がみんなそうだった。
今後、移籍か残留かでチームの姿が変わってしまう可能性があるのだから。
願わくば、3月1日のゼロックスカップに登場するサンフレッチェのメンバーが今シーズンから変わりませんように。

3月までは、日本のサッカーシーンも短いお休み。
応援モードを、「俊輔、セルティックモード」にもどして、2月19日のバルセロナ戦を待つ!


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今年最初の本は
「広重殺人事件」高橋克彦(講談社文庫)
この人の浮世絵殺人事件シリーズは何度も読み返したくなる。
「天童広重」に新たな興味が沸いた。
by windowhead | 2008-01-02 17:19 | 紙のフットボール

日本の西海岸・長崎からのつぶやきはビンの中の手紙のように漂いながら誰かのもとへ


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